国内のSDGsの導入状況
国内のSDGsの導入状況に関してはまだまだ課題が多いこともあって、全体の10%前後しか取り組みをできていません。SDGsの取り組みが発表されてからの時間がまだ浅いことから認知をしていない企業も多数あることが原因の1つです。
SDGsの取り組みの認知度は少しずつ増加してきていますが、具体的な内容について把握していない企業も多いので取り組みを実際に行っている企業はまだまだ少ないです。17種類の取り組み目標が設定されていますが、すべてを取り組む必要はなく、できる部分からの取り組みでも十分なことを知られていないことも取り組みにくい理由といえます。
なぜ企業がSDGsを導入すべきなのか
なぜ企業がSDGsを導入すべきかについてはさまざまな理由がありますが、導入することでのメリットも当然あるので、内容について理解することは大切です。SDGsを導入することは国際的にも推奨されているので、取り組み内容次第では国や自治体から補助金が給付されますが、補助金が給付すること自体があまり知られていません。
なぜ企業がSDGsを導入すべきかについて紹介していきます。
企業活動の責任を果たせる
企業活動には責任が伴っており、すべての企業がしたいように企業活動をしていれば地球環境のバランスや企業間のバランスに対しても悪影響を与えてしまうといえるでしょう。
SDGsを導入することで企業活動の責任を果たすことにも繋がるので積極的に導入することが推奨されており、取り組み自体はすべて行う必要はなく、最初は1つだけ取り組んでも十分に効果があります。
多くの人に知ってもらいやすい
世間的にはSDGsに対する認知度も向上してきていることから、SDGsに積極的に取り組んでいる企業は多くの人に知ってもらいやすいです。また、業界内や地域内でSDGsに取り組んでいる企業が少なければ、他の企業との差別化をすることも可能です。
ステークホルダーに好印象を与えられる
SDGsに取り組んでいるということ社会的な責任を自覚していて、そのうえで社会的な責任を果たすための取り組みを行っていることになります。つまり、社会貢献をしている企業であると認知されるので、ステークホルダーである顧客や株主に好印象を与えられます。
新規事業開発のきっかけになる
新規事業開発のきっかけになることもSDGsに取り組んでいるメリットです。SDGsを意識して企業活動を行うことでこれまでは意識していなかった分野などにも注目することになります。また、SDGsの活動を積極的に行うことで他の企業との新しい接点を生み出すことで、新規事業開発のきっかけになるといえるでしょう。
若い世代の社員に支持してもらえる
若い世代では特に社会情勢に関して敏感な傾向があり、それに伴って社会貢献に対しても高い意識を持っていることが多いです。SDGsの取り組みは社会貢献することで企業責任を果たすことを目的としているので、若い世代からの支持につながります。
企業がSDGsを導入する場合の取り組みとは
SDGsには17種類の取り組みが設定されていることからすべての取り組みをするのでは難しいです。また、取り組みの内容によっては自社とは関係のない取り組みがあることも珍しくありません。企業がSDGsを導入する場合の取り組みとして、比較的に取り組みやすいものについて紹介していきます。
労働環境の改善
労働環境の改善とは省エネなどを企業内で取り組むことを指していて、証明をLEDに切り替える、クールビズを実施することも労働環境の改善に当てはまるといえるでしょう。導入している設備を少し変えるだけでも取り組むことが可能なためハードルが低いです。
自由なワークスタイル
自由なワークスタイルを実現することで社員のワークライフバランスにも大きく貢献が期待できます。自由なワークスタイルとはテレワークやリモートワークなどが対象になっていて、業務内容によっては本社から遠い場所に居住していても仕事が可能といえます。移動時間が無くなるだけでも社員の負担を大きく減少させることが可能です。
誰でも平等に働ける
誰でも平等に働ける理念ではジェンダーフリーなどが挙げられます。これまでの日本では役職には男性が就いていること多かったですが、男女を分けることをせずに全ての人間に平等に機会と能力を発揮できる環境を提供することです。
ジェンダーフリーが実現すれば実力で役職が選出されるようになるので、企業全体の能力の底上げに繋がります。
地域とのつながりを持つ
地域とのつながりを持つことで地域社会における企業の役割を意識することができるようになるでしょう。地域行事へ積極的に参加することが地域とのつながりを持つことになります。
SDGsを導入した企業の事例
SDGsを導入した企業は現在ではあるので、それぞれの企業がどのような取り組みを行っているかについて理解して参考にすることが大切です。SDGsを導入した企業の事例について紹介していきます。
野村グループ
野村グループでは紙の削減を実現するために社内での書類を電子化にする取り組みを積極的に行っています。社内でも報告書などをタブレットやパソコンから提出できるようにしたことから、業務効率化にも大きな効果があるといえるでしょう。
イケア・ジャパン
イケア・ジャパンでは女性管理職を全管理職の50%登用することに成功しました。これによって、女性が活躍しやすい環境を整備して実力が十分に発揮しやすくなったといえます。国内でも女性管理職を50%まで登用したケースは少ないためモデルケースとしても注目です。
アスクル
アスクルでは会社全体で二酸化炭素排出量を抑えることを目標にしてSDGsを導入しています。企業運営をしていく中で必要になる電力などに再生可能エネルギーを導入することで、二酸化炭素排出量を大きく軽減することに成功しおり、将来的には再生可能エネルギーだけでの企業運営が目標です。
大映ミシン
大映ミシンでは中古ミシンの入手が難しくなった際に、寄付ミシンプロジェクトを計画して既に使っていないミシンなどを寄付してもらい修理後に販売をしました。そのあと中古ミシン販売による売上の一部を社会貢献活動に使用して還元をするなど、SDGsに取り組みました。
カポックジャパン
カポックジャパンでは木の実のカポックを活用したアパレルブランドKAPOK KNOTを立ち上げ、木の実を使うことで木を伐採しなくてよくなるので環境にも好影響です。デザイン性や機能面でも優れているので、現在注目されているブランドといえます。
まとめ
SDGsの取り組み自体は日本国内でも認知されるようになってきましたが、実際に導入されている例はまだまだ少ないです。SDGsの名前は聞いたことがあっても具体的な内容については知らない企業が多いことから、導入がなかなか進まないともいわれています。しかし、現在でもSDGsを積極的に取り組んでいる企業も多数あり、SDGsを導入することでのメリットもあります。
これからは世界的にもSDGsを導入する企業が増えていく見通しであるため、日本でも早い段階での導入率の向上が必要です。実際にSDGsを導入している企業の取り組み実績などを参考にすることで、日本全体のSDGs認知率や導入率が高まっていくとされています。
SDGsは17の目標を設定していますがすべてを実施する必要はなく、できるものから実施するだけでも十分にSDGsに取り組んでいるといえるので、それぞれの目標に対する理解が大切です。
この記事の執筆・監修者
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。