SDGsは儲かるのか
SDGsに積極的に取り組みことで儲かるといわれていて、実際に儲かっている企業も多数あります。現在の日本ではSDGsの認知度自体は高くなってきていますが、SDGsの取り組みをしている企業は全体数から考えると少数です。
こういった背景からSDGsの取り組みをしている企業は現在ではさまざまなメリットがあるといえるでしょう。どうしてSDGsは儲かるかについて紹介していきます。
大きな市場規模になる可能性が高い
SDGsは誕生してからの時間が浅いのでまだまだ市場規模は大きくないといえますが、将来的には市場規模が大きくなる可能性が高いです。理由としてはSDGsの取り組み自体は世界中で積極的に取り組みことが推奨されていることから、日本企業だけでなく世界中の企業がSDGsの市場に参加していることが将来的には市場規模が大きくなる可能性が予測されます。
さまざまな業界の企業が参加するようになるので市場内での企業価値を高めることにも繋がります。
ビジネスチャンスの宝庫
世界中の企業がSDGsの取り組みをおこなっていることから、分野に関しても多種多様な企業が参加してくるので普通に企業経営をしていては関わることのなかった分野とも関わることになるでしょう。
他分野と関わることでそれまではなかった新しい知見などを得ることにもなるので、ビジネスチャンスも増えてくることが予測されます。国内だけでなく世界中の企業ともビジネスチャンスがあることから、国内市場だけでなく海外市場にも参加することになる可能性が高いです。
そのためSDGs市場はビジネスチャンスの宝庫といわれています。
モビリティ・医療・エネルギーは特に注目
モビリティ・医療・エネルギーに関してはSDGsの中でも世界的に注目度が高く、世界中の貧困をなくしてすべての人が平等に生活できるようにするためには医療は重要です。また、エネルギーに関しては化石燃料を使用してしまうと地球温暖化に対して悪影響がでることから、再生可能エネルギーを活用することを目的にして研究・開発が盛んにおこなわれている分野です。
SDGsが儲かるといわれる理由
SDGsはこれからさらに市場規模が大きくなっていくことから儲かるといわれていますが、他にもSDGsが儲かる理由があります。なぜSDGsが儲かるかについて理解することで、これからの企業活動においての参考にすることも可能です。
SDGsが儲かる理由について紹介していきます。
世界的に関心の高いテーマだから
SDGsは、国連が定めた持続可能な開発目標であり、貧困や飢餓、環境破壊、健康など、世界中で直面している社会的課題に取り組むことが目的となっています。世界中の人々がSDGsに共感し、関心を持っていることから、SDGsに取り組む企業にとっては、それに合わせた製品やサービスを提供することで、需要の増加が見込まれます。
取り組むことで知名度と信頼度が向上するから
また、SDGsに積極的に取り組むことで、企業の知名度や信頼度が向上することも、儲かる理由の1つです。企業がSDGsに貢献することで、社会的責任(CSR)を果たし、消費者や投資家からの支持を得ることができます。消費者や投資家は、社会的責任を果たす企業に好意的なイメージを持ち、その企業の製品やサービスを選びやすくなることがあります。また、企業がSDGsに貢献することで、取引先や社会との信頼関係を築くことができ、ビジネスチャンスが生まれることがあります。
儲けることだけを考えているのは危険
SDGsを活用して儲けること自体は問題ありませんが、儲けることだけを考えて行動することは危険です。あくまでもSDGsに取り組んでいる結果として儲けることができている状況でなければ、なにかトラブルが発生した際に大きなイメージダウンになってしまうことも考えられます。
儲けることだけを考えてSDGsに取り組んでいると起こる可能性のある危険について紹介していきます。
実態がともなわないと逆効果になる
SDGsに取り組む企業の実態がともなわないと、逆効果になるということです。例えば、SDGsに取り組むと謳っていながら、実際には環境汚染を続けたり、人権侵害を行っている企業があるとします。このような場合、企業の信頼度や評判はむしろ悪化し、消費者や投資家からの支持を失うことになる可能性があります。
スタッフに負担をかけ過ぎると離職率が上がる
SDGsに取り組むことは、企業にとって大きなプロジェクトになることがあり、その実施には多大な労力や時間、財源が必要になります。スタッフに過度の負担がかかると、ワークライフバランスが崩れ、ストレスや疲労がたまり、離職率が上昇する可能性があります。
メインのビジネスに悪影響が出る
SDGsに取り組むことは、企業にとって新たなビジネスチャンスを生み出すことがありますが、同時に既存のビジネスにも影響を与えることがあります。SDGsに取り組むことで、既存のビジネスの方針や戦略に変更が必要になることがあり、その際にはコストや時間の負担がかかることがあります。
以上のように、SDGsに積極的に取り組むことは企業に多くのメリットがある一方で、実態がともなわないと逆効果になる、スタッフに負担をかけ過ぎると離職率が上がる、メインのビジネスに悪影響が出るといったデメリットも存在することがあります。企業は、SDGsに取り組むことのメリットとデメリットをバランスよく考えながら、自社の状況やリソースに合わせて、適切な取り組み方を模索する必要があります。例えば、SDGsに取り組むことを社員のモチベーション向上やブランドイメージの向上につなげるために、社内でのコミュニケーションや教育の充実を図ることができます。また、SDGsに取り組むことがメインのビジネスに悪影響を与える場合には、ビジネスのリスク評価や事業計画の見直しを行うことで、最適なバランスを見出すことができます。SDGsに取り組むことは、企業の長期的な成長に必要な取り組みであると同時に、過度の負担をかけることなく、効果的に取り組むための戦略的なアプローチが求められます。
企業のSDGsの成功事例
企業のSDGsの成功事例を参考にして、自社でもどのようなSDGsの取り組みをできるかを考えることは重要です。企業のSDGsの成功事例についても紹介していきます。
有限会社トヨダ
有限会社トヨダは、環境に配慮した商品づくりを推進することで、SDGsに貢献しています。具体的には、工場での再生可能エネルギーの導入、化学物質の削減、廃棄物のリサイクルなど、様々な取り組みを行っています。また、社員に対しても、SDGsについての啓発活動を実施するなど、企業全体でSDGsに取り組む文化を醸成しています。
春日製紙工業
春日製紙工業は、森林保護と木材の再生利用に力を入れています。具体的には、森林管理のための技術開発や、リサイクル紙の製造などを行っています。また、製品のライフサイクルにおいても、環境に配慮した商品づくりを推進しており、SDGsに貢献しています。
パナソニック
パナソニックは、再生可能エネルギーの導入や、CO2排出削減に力を入れています。具体的には、太陽光発電や燃料電池の開発・製造を行っており、住宅向けやビジネス向けなど、様々な分野での再生可能エネルギーの普及に貢献しています。また、エネルギー効率の高い製品の開発や、プラスチックのリサイクルなども行っており、SDGsに総合的に取り組んでいます。
日水製薬
日水製薬は、健康寿命の延伸に向けた製品づくりや、社会的課題解決に取り組んでいます。具体的には、高齢者向けの医薬品の開発や、がんの治療に貢献する製品の開発などを行っており、健康に貢献する事業に注力しています。また、社会貢献活動として、医療支援のための寄付や、地域貢献活動も積極的に行っています。
UPDATER
UPDATERでは再生可能エネルギーを発電していて、発電した電気を企業に販売するなどの取り組みを行っています。将来的にはすべての企業に対して再生可能エネルギーを提供することを目標としていて、地球温暖化の原因である二酸化炭素排出量を抑えることで地球環境にも貢献しています。
まとめ
SDGsの市場規模は確実に大きくなってきていることから、SDGsにしっかりと取り組むことで儲けることができるのは事実ですが、儲けることだけを考えるのは危険です。注意点としてはSDGsに取り組んで儲けることだけを考えて企業活動をしていると、問題が発生した場合にはイメージダウンの原因にもなります。
SDGsに取り組みながら儲けるためにはSDGsについてしっかりと理解をして、先にSDGsに取り組んで社会的な責任を果たしてから儲けることを考えることがおすすめです。世界的に関心の高いテーマであることから、市場規模はこれからもさらに大きくなっていくだけでなく、さまざまな企業が参加をするようになるのでビジネスチャンスも多くなるといえます。

この記事の執筆・監修者

「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。