近年、スキルシェアサイト(アプリ)がさまざまな分野で急速に数を増やしています。そのため、自らスキルシェアサイトやアプリを運営してみたいと考える方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、『スキルシェアサイト(アプリ)の構築・開発方法』を解説していきます。必要な機能やあるとよい機能も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
スキルシェアとは?
スキルシェアとは、個々人の持っているスキルや知識、経験を「資産」として扱い、持ち主とそれを必要とする企業や個人をつないでいくシステムのことをいいます。
近年スキルシェアが拡大しているのには、主に2つの原因があります。
インターネットの拡大
インターネットの拡大により、個人がスキマ時間を利用してスキルを生かせる場が多く提供されるようになってきました。それにより、スキルや知識、経験を生かしたい人の活動が活発になってきているのです。
社会情勢の変化
年金問題などの老後の不安を解消するために政府が副業や兼業を推進するなど、「個人がスキルを生かしやすい社会」へと変化しています。
・平成30年:厚生労働省による副業・兼業に関するガイドラインの成立
・令和2年:ガイドラインの改定により、企業や社員が副業・兼業を行うためのルールを明確化
同時に近年のコロナ禍による社会情勢の変化も、リモートワークやアウトソーシングの拡大を促していると考えられます。
以上のような理由で、本業での将来に不安を持つ人や、非正規雇用で働いている人たちによるスキルシェアの利用が活性化しています。
スキルシェアの経済規模は、2030年には11億円を超えるまでに成長すると予測されているほどです。
参照:https://sharing-economy.jp/ja/news/0409/
スキルシェアでできること
ここでは、スキルシェアでできることを紹介していきます。
具体的にどのようなスキルがシェアされているのでしょうか?
育児・家事代行
育児・家事代行は、共働きの夫婦や独身男性が多く利用しているスキルシェアです。
おもに以下のようなスキルがシェアされています。
掃除
料理
買い物
育児
介護
育児・家事代行スキルシェアの特徴は、「他人が家に入る不安感」を下げるために独自の審査基準や研修制度を設けて、信頼性の高いスタッフを採用・育成しているサイトが多いことです。
また、大型マンションなどにスタッフを常駐させ、需要への素早い対応と交通費不要による利用料の引き下げを打ち出しているサイトもあります。
他の特徴として、フィリピン人などの外国人スタッフの採用が多いこともあげられます。
以下が主な育児・家事代行のスキルシェアサイトです。
CaSy(カジー)
ベアーズ
エニタイム
キズナシッター
CrowdCare(クラウドケア)
ダスキンメリーメイド
クラウドソーシング
クラウドソーシングは、発注者側が不特定多数の利用者に業務を委託する形式のスキルシェアで、アウトソーシングの一つです。
シェアされる業務には、タイプにより以下の3つがあります。
プロジェクト型
コンペ型
タスク型
ほとんどのクラウドソーシングサイトが上記3つのタイプの業務を幅広く扱っていますが、中には「ココナラ」のように、スキルを持つ側が必要とする側に売り込む形式のサイトもあります。
以下が主なクラウドソーシングのスキルシェアサイトです。
クラウドワークス
ランサーズ
Bizseek
クラウディア
ココナラ
特化型スキル販売
特化型スキル販売は、特定のスキルを持つ人と、それを必要とする側をつなぐスキルシェアです。
シェアする内容には、以下のようなものがあります。
ベビーシッタースキル
デザイン・イラストスキル
体験型スキル(さまざまな体験やワークショップから得たスキル)
特化型スキルシェアサイトには、特定のスキルをシェアしたい人が多く登録しており、特定のスキルを必要とする企業や個人が利用しています。
以下が主な特化型スキルシェアサイトです。
キッズライン
タスカジ
SKIMA
MENTA
写真・動画・3Dの素材提供
写真・動画・3Dの素材提供は、商用可能な素材を必要とする企業や人個人に、有料または無料で素材を提供しているスキルシェアサイトです。
シェアする素材には、以下のようなものがあります。
動画素材
静止画・イラスト素材
アニメーション・3D素材
音楽・BGM素材
効果音(サウンドエフェクト)素材
モーショングラフィックス素材
これらの素材は、おもにWebコンテンツや雑誌、広告などの作成や、映像クリエイターが作品をつくるために利用されます。また最近では、3Dプリンターの出力用データとしても用いられています。
主な写真・動画・3Dの素材提供スキルシェアサイトは以下の通りです。
Storyblocks(ストーリーブロックス)
Adobe Stock(アドビストック)
Shutterstock(シャッターストック)
動画AC
写真AC
PIXTA(ピクスタ)
3DMODELJAPAN(3Dモデルジャパン)
知識の売買
知識の売買は、個人の持つスキルや知識を活かした講座を開講し、生徒を募集して講義やレッスンをする形式のスキルシェアサイトです。
講座の例としては以下のようなものがあります。
学習講座
ハンドメイド制作講座
イラスト作成講座
フィットネス、ヨガ講座
エンジニア講座
このように、さまざまな講座やレッスンを通してスキルをシェアするのが特徴です。
知識を売買するおもなスキルシェアサイトには、以下が挙げられます。
ストアカ
Askbe(アスクビー)
シェアすることができるスキルというのは、非常に多岐にわたっており、大きな可能性を秘めているといえるでしょう。
スキルシェアに必須の機能
ここでは、スキルシェアサイトやアプリになくてはならない機能を解説していきます。これらの機能を持っていないスキルシェアサイト(アプリ)では、スキルを持つ側とそれを必要とする側をうまくつなげられないリスクが浮上します。
利用者の利便性を高め、リピーターを増やしていくためにも、以下に紹介する機能の設置は必須でしょう。
会員登録機能
会員登録機能は、利用時にログインを必要とすることで利用者の個人情報を保護します。また、利用者が本人であることを確認するのにも役立つ機能です。
検索機能
検索機能は、利用者が目的の情報をすばやく見つけるために必須の機能です。また、サイト経営者が利用者の興味を把握し、運営に反映するためにも役立ちます。
決済機能
決済機能は、クレジットカード決済や口座振替、キャリア決済など煩雑になりがちな決済作業をスムーズに行うために役立つ機能です。
口コミ機能
口コミ機能は、サイト利用者の口コミを広げることでサイトの認知度を上げ、他の利用者からの信頼を得やすくするのに役立つ機能です。
チャット機能
チャット機能は、スキルを持っている側と必要とする側との情報共有を円滑にし、コミュニケーションを効率化するのに役立つ機能です。
会員データベース
会員データベースは、データ化された会員情報のバックアップを可能にします。人的ミスやコンピュータウイルスなどによりデータが損失を受けた場合、会員情報を復元するのに役立つ機能です。
スキルシェアにあるとよい機能
次に、スキルシェアサイト(アプリ)にあるよい機能を紹介していきます。必須とまで言える機能ではありませんが、これらの機能があるとさらに利用者の利便性が高まり、他のスキルシェアサイト(アプリ)との差別化につながります。
ランキング機能
ランキング機能は、人気のあるスキルを優先して表示し、サイト利用者が選択する行動をサポートする機能です。
コンテンツ機能
コンテンツ機能は、サイトに出展されたスキルをコンテンツとして管理し、サイトの運営を効率化する機能です。
年齢認証機能
年齢認証機能は、年齢制限が必要になるスキルを管理しやすくします。スキルには年齢認証が必要になるものもありますので、注意が必要です。
スキルシェアの開発方法
スキルシェアのシステム開発には3つの方法があり、どの開発方法を選ぶかによって開発費用や開発期間が変わってきます。それぞれの開発方法のメリットとデメリットを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
スクラッチ開発
スクラッチ開発とは、既存のシステムをまったく利用せずにイチから開発していくことをいいます。他社との差別化を図りたい場合に有効な開発手段です。
メリット
・細部にまでこだわったシステム構築が可能
・他社のシステムに依存していないため、長期に使うことが可能
デメリット
・システムの構築費が高額になる
・システムの構築期間が長くなる
パッケージ開発
パッケージ開発とは、既存のシステムを利用して開発していく方法です。
メリット
・システムの構築費用を低く抑えられるため、余った予算を他の業務に回すことができる
・システムの構築期間を短縮できる
デメリット
・細部にこだわったシステム構築はできない
・パッケージを提供している会社がサポートを終了すると、構築し直しが必要になることがある。
スクラッチ+パッケージ開発
スクラッチ+パッケージ開発とは、既存のパッケージに自分の運営サイトに必要な機能を追加していく方法で、現在主流になりつつある開発方法です。スクラッチとパッケージ両方の利点を取り入れた方法といえるでしょう。
メリット
・開発費をスクラッチ開発よりも抑えられる
・開発期間をスクラッチ開発よりも短縮できる
・パッケージ開発よりもオリジナリティを打ち出せる
デメリット
・機能の追加にも限界があり、無理に追加するとシステムの生産性や保守性に悪影響を及ぼす危険がある
・運営サイトと利用しているパッケージの更新頻度がかみ合わない可能性がある
以上からもわかるように、スキルシェアサイト(アプリ)の構築・開発は、ある程度まとまった時間と費用が必要になります。特に、イチからの構築・開発を考えているなら、先の見通しに不安を抱く方もいるでしょう。
そのような不安を解消するには、次章で紹介するようなスキルシェアサイト(アプリ)の構築・開発をサポートしてくれるサービスの利用がとても便利です。
スキルシェアサイト・アプリの構築・開発ならアイディオット
株式会社アイディオットは、スキルシェアサイト(アプリ)の構築・開発に非常に有効なサービス「MATCHMEN」を展開しています。
「MATCHMEN」には、日本を代表する大企業からグローバルで活躍するベンチャー企業まで、多種多様な業界における70以上の実績とノウハウが内包されています。「MATCHMEN」を利用することで、AI(人工知能)を活用した的確なマッチングや、システム構築・開発後のコンサルティング支援が可能です。
「MATCHMEN」には3つのプランがあります。
開発プラン:新規アイディアを形にしたい方や、最速で仮説検証したい方におすすめのプラン
このプランには以下の機能が含まれます。
・登録機能
・検索機能
・お気に入り機能
・予約(マッチング)機能
・メッセージ機能
・プロフィール機能
・決済機能
収益化プラン:新技術やノウハウを活用して、既存のサービスを底上げするためのプラン
このプランには以下のサービスと機能が含まれます。
・既存システム調査
・データ可視化ダッシュボード作成
・クーポン機能
・お友達招待機能
・SNS連携
AI(人工知能)プラン:企画段階の企業におすすめの、開発から収益化までを目指したプラン
このプランには以下のサービスが含まれます。
・AIによる自動マッチング
「MATCHMEN」を利用すると、スキルシェアサイト(アプリ)構築・開発のデメリットを低減し、メリットを最大限に生かすことが可能です。少しでも興味を持った方は、以下のサイトURLからぜひ詳細をチェックしてみてください。
MATCHMEN-マッチメン- マッチングサイト開発パッケージ
まとめ
近年、さまざまな分野で急激に拡大しているスキルシェアサイト(アプリ)。今回は、そのシステムの構築・開発方法と、必要となる機能を紹介しました。システムの構築・開発にはいくつかの方法がありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
株式会社アイディオットが提供している「MATCHMEN」は、スキルシェアサイト(アプリ)のシステム構築・開発をサポートするサービスです。スキルシェアサイトやアプリの立ち上げでお悩みの方は、「MATCHMEN」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
スキルシェアサービスが多岐にわたる分野で広まっていますが、市場があるのに開発されていない分野もまだ数多くあります。
あなたのアイデアがスキルシェア市場において宝石かもしれません。新規事業を立ち上げることはスピード勝負になりますので是非立ち上げにチャレンジしてみましょう。

・トヨタ自動車株式会社
・阪急阪神ホールディングス
・株式会社エイチ・アイ・エス
「トヨタ自動車」の新規事業立ち上げにアイディオットのMATCHMENを活用
この記事の執筆・監修者

「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。