ディープラーニングによる画像認識の仕組みと事例紹介

ディープラーニングによる画像認識の仕組みと事例紹介

現在はスマホのセキュリティや自動運転などでディープラーニングによる画像認識が、注目されていますが、今後は更にさまざまな分野で活用されるようになり、今後も期待されています。

そんなディープラーニングですが、ここ最近から研究が進められたのではなく、それまでに長い年月をかけて研究され、現在の技術まで進化してきました。今では業種問わず多くの企業でも導入するところが増えてきています。

そんな注目されているディープラーニングによる画像認識が、何故注目されるようになったのか、その理由3つとその仕組みを解説し、最後には実際に我々の生活においてどのように活用されているのかを紹介していきます。

 

ディープラーニングによる画像認識が注目されている理由3つ

ディープラーニングの画像認識が注目されている理由は3つあります。それを1つずつ紹介していきますね。

GPU・クラウドの進化

まず1つ目は、GPUやクラウドが進化したことです。GPUやクラウドの進化は、ディープラーニングの必要性をさらに底上げすることに繋がりました。ディープラーニングを行うには、処理能力が高性能なGPUが必要であり、これが進化したことで処理能力が上がり、従来に比べスムーズにディープラーニングをこなせるようになったのです。

スマートフォン・エッジデバイスの増加

2つ目は、スマートフォン・エッジデバイスの増加です。今やスマホを含める様々なデバイスでも活用されています。特にセキュリティ面においては個人情報の漏洩を防止するためにもFace IDなどによる画像認識の機能は今後もさらに期待されているででしょう。

音声・動画にも対応

3つ目は、画像だけでなく、音声や動画でも対応できるようになったことです。映像や音声などで処理ができることで、リアルタイムでの分析が可能になり、より効率的にスピーディな処理が可能になりました。

これらの技術が進化してきたことにより、より高度な技術が必要な画像認識が可能になり、それに伴い需要が高まってきたのです。

 

ディープラーニングとは

ディープラーニングというのは深層学習と言われており、本来であれば人が行う作業をコンピュータに学習させる技術です。一度、画像の特徴やパターンを学習させることで「分類」することができ、そこから検出や解析をすることが可能になります。

機械学習との違い

機械学習とディープラーニングの違いは学習の際に人間の作業が加わっているかどうかです。機械学習の場合は人間の手で基準値や特微量などを調整します。ディープラーニングは、基本的には機械が独自で学習します。

 

画像認識技術とは

画像認識技術とは、画像に映るものを認識する技術です。それから得られるデータをもとに特徴やパターンを学習し、識別します。

カメラなどに内蔵されている「自動ピント調整機能」では人の顔は目が2つ、鼻が1つ、口が1つといった情報を機械に学習させることで、機械が独自に判断して識別できるようになるという仕組みになっています。

これらは安全面や労働の効率化においても我々の生活に大きく貢献してくれる技術として、今も精度向上のために、様々な分野の企業が研究している、注目の技術です。

ディープラーニングによる画像認識の仕組み

ディープラーニングは、ニューラルネットワークというシステムがベースとなっています。ニィーラルネットワークとは、名前の通り人間や動物の神経細胞である「ニューロン」のような仕組みになっています。

これらがベースになっていることから、人が知識をつけ、それを状況によって使い分けることができるようになるように機械自身も学習し、データの分析や抽出ができ、それにより精度が高い画像認識が可能になりました。

畳み込みニューラルネットワーク(CNN)

畳み込みニューラルネットワークとはCNN(Convolutional Neural Network)と略称し、現在最もよく使われる形式です。特徴とデータを畳みこんで蓄積して、出力します。ちなみにニューラルネットワークは入力層、中間層、出力層で構成されています。その中でCNNの場合は中間層を畳み込み層とプーリング層が交互に構成されています。

畳み込み層:データの特徴を抽出
プーリング層:抽出したものを圧縮

この作業を何度も繰り返し、データと特徴を一緒に情報化していきます。

敵対的生成ネットワーク(GAN)

敵対的生成ネットワークはGAN(Generative Adversarial Network)と略称し、AI同士を共に学習させ、競わせることでさらに画像認識の精度のアップを目的とします。GANは、わざと偽物の画像を作るニューラルネットワークと、それを見破るためのニューラルネットワークで構成されています。

偽物を作る方には大量の画像を合成して、データを作ります。(生成器と言います)
反対に、見破る働きを持つ学習した情報や特徴を基にして、偽物と判断します。(識別器と言います)

これを何度も繰り返していくことで、画像識別の精度を高めていけるというわけです。ライバル同士を常に戦わせて、お互いの経験値を高めさせるといったイメージでしょうか・・・

 

ディープラーニングの実用例

最後にどのようにディープラーニングが私たちの普段の生活で活用されているのかを紹介していきます。

顔認証

顔認証システムはカメラやスマートフォンなどに使われてます。顔や人を認識することで、登録されているデータと一致するかを判断します。ピントの自動調節やスマホのセキュリティをより可能にしてきました。

自動運転

運転する際には画像を認識する必要があります。ここでも画像認識は必要であり、人はもちろん標識や信号機、障害物などの認識や検出ができるようになります。人が運転する時には、長時間の運転や不慣れな道での運転などで事故につながりやすいケースでも、AIによって事故の防止といった安全面や労働の緩和などが期待されます。

不良品の検知

検品が必要な生産業において不良品の検知は重要です。ここでも、さまざまなパターンの画像を認識させることで、商品の欠陥や不純物などにいち早く気づけるようになります。従来では人の手で行われていたことをAIによって、精密さやスピードの面で大幅に向上し、生産性や作業の効率化が期待されます。

がん細胞検出

医療業界でも画像認識が活用されています。特にがん細胞の検出においては、高精度な顕微鏡とディープラーニングの組み合わせで、人の目では捉えることのできない些細な部分でも検出できるようになります。さらに医療現場で普及すれば、病気の早期発見、治療に繋がり多くの命を救うことが期待されます。

農業用ロボット

第一次産業においても、活用されています。農作物と雑草の識別や、農薬を散布するためのロボットは現場で実用化されています。しかし、農業の分野では人手不足が深刻な問題とされています。そこで人手が足りていなくても、画像認識を活用することで人手によるコストを抑えることが期待されています。

建設機械の安全機能

建設現場では重機や高所などでの作業があるため、安全面は常に課題とされていました。そこで画像認識を活用することで危険な場所に作業員やモノが搬入した際もいち早く確認できるようになることで、迅速に対応することが可能になります。作業員が安全に効率よく作業ができる環境を作り出すためにも画像認識は大きく貢献してくれます。

まとめ

今回はディープラーニングによる画像認識の仕組みと事例を紹介してきました。画像認識はさらに精度が上がると期待されています。アメリカでは自動運転が既に実用化されているケースもあります。

安全面や作業の効率化において大きな影響を与えてくれると期待されていることから、今後も注目されるであろうディープラーニング。今後もそれについてわかりやすく、発信していくのでチェックしてみてください。

 

この記事の執筆・監修者
Aidiot編集部
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。

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