機械学習と深層学習(DeepLearning)の違い・深層学習の活用事例を紹介

機械学習と深層学習(DeepLearning)の違い・深層学習の活用事例を紹介

深層学習とは?

AI進化を語るうえで欠かせない深層学習

昨今でのコンピュータ進化は著しく、私たちの生活に欠かせないものになりつつあります。AIvs人間の構図が様々な書籍・ニュース等で見られるようになってきてAIもいよいよ私たちの身近なものになってきています。そんなAIに関連する言葉として深層学習といった言葉をどこかで目にしたことはないでしょうか。おそらく、AIに関する書籍を見るとほぼ100%この言葉を目にすることになると思います。

深層学習はまたの名をディープラーニングとも言ったりするのですが、これはAI進化の火付け役になったものであり、AIを大きく進化させた要因になったといえます。では、そもそも深層学習とは何かについて考えていきましょう。

機械学習と深層学習

深層学習とよくセットで使われる言葉として機械学習といった言葉があります。この二つ、使われる場所も言葉自体も非常に似ているのですが、意味合いとしては全く異なります。この二つの言葉の意味とその違いについて確認していきましょう。

まず、機械学習です。機械学習とは、その名の通り人間が機械にデータを与え、機械がそのデータをもとに学習するといったものです。これだけ聞くとあまりイメージがつかめないと思うので具体例を考えていきましょう。

では、機械に果物の識別を学習させるといった例を考えます。果物といっても種類が数多くあるので、今回はリンゴとバナナの識別について考えることとします。初め、機械はもちろんリンゴとバナナの情報を全く知らない状態なので、人間がある基準を設けて、「リンゴは○○である」「バナナは○○である」といった情報を与える必要があります。ここでいう基準とは、色や形などのそれぞれの特徴のことを指します。

人間はいくつかのリンゴ、バナナの画像をコンピュータに見せて、色や形といった特徴量を与えます。それに基づいてコンピュータはリンゴとバナナがどういったものなのかを理解します。これが機械学習です。

次に深層学習について考えていきます。深層学習は2000年代以降に登場した、機械学習をより進化させたもので機械学習における特徴量を指定せずに、コンピュータが自ら特徴量を探して学習していくような手法のことです。これも具体的な例を用いて考えていきましょう。

今度は、犬と猫の識別を例として考えます。先ほどの機械学習のやり方に沿って考えると、人間がコンピュータに何かしらの特徴量を与えて、それに合わせてコンピュータが学習を行う必要があります。ただし、犬と猫といった識別問題では、色や形といった大まかな基準で判断することが出来ません。なぜなら、同じ犬でも犬種が違えば色や形も違ってくるでしょうし、猫に関しても同じです。

リンゴとバナナならば、もちろんリンゴがすべて同じ色で同じ形をしているとは言いませんが、「赤色で丸い」といった条件は基本的に満たします。青色や黄色のリンゴなんて見たことありません。また、リンゴとバナナで色や形に明確な差がありました。「赤くて丸いのがリンゴ、黄色くて棒状のものがバナナだよ」といわれれば、リンゴとバナナを全く知らない人でも、画像を見せられてそれがどっちなのかは容易に判断できるはずです。

では、犬と猫ではどうでしょう。犬と猫を全く知らない人物に、その違いを説明するにはどういった特徴量を用いればよいのでしょうか。先ほども述べたように、犬や猫は一概にどのような色・形をしているか言葉にできず、果物の例と比べると両者似通っているため、簡単に判別できません。

こういった事例でも対応できるのが深層学習です。先ほど少し述べた通り、深層学習とはコンピュータが自ら特徴量を探して学習していくような手法のことで、人間が特徴量を設定する必要がありません。こちらのほうがよっぽど汎用性が高いことがわかるかと思います。

今はコンピュータに学習させることを考えていますが、犬と猫を知らない人間に対しても深層学習のようなやり方のほうが効率が良いことは直感的にわかるかと思います。犬と猫の違いを言葉で説明されるよりも、何枚もの犬・猫の写真を見せられて、自分で勝手に特徴量探してね、といわれたほうがわかりやすいものです。

このように、深層学習は機械学習と比べて、人間の作業量を減らしてくれるのと同時に、言語化しにくい識別でも機械が自ら学習してくれることで識別可能になります。これが機械学習にはない深層学習の大きな利点です。

深層学習の活用事例

ここまで深層学習とは何かを主に述べてきたのですが、AI進化に大きく貢献してきたといわれている深層学習が具体的にどのように日常で活用されるのかを見ていきましょう。

自動運転

深層学習の登場によって、自動車の自動運転が可能になるといわれています。自動運転の仕組みとしては、自動車の中に搭載されているセンサーが自動車周辺にいる歩行者・ほかの自動車や自動車前方にある標識・信号などを識別して、その対象物がどのような意味を持っているのかを深層学習を用いて学習します。その後、学習結果に基づいて適切な制御を行います。

しかし、自動運転を実際に実装するうえで、もし大きな事故が起きてしまった時、責任がどこにあるのかがわからなくなってしまうといった課題点もあります。

医療

日本人は軽い風邪やけがなどで心配になり、すぐに病院に駆けつけることから、医療現場の過労が問題視されている現状ですが、実はAIはそういった問題に役立てることも出来ます。

例えば、患者の過去の来院歴、年齢、性別、そして現在の症状をAIに渡すことで、深層学習を用いて適切な治療薬を選択することが出来ます。もちろん、これは人間にもできることではあるのですが、例えば病歴が長い患者ですと、過去の診察数が膨大な数になり、いくら医者でも全部を把握することは難しいです。また、一日に何人もの患者の症状を診るため、非常に体力を使います。

これらをふまえるとAIを用いた診察を行うことがメリットだらけであることがわかるかと思います。

さらに、これだけではなくAIはレントゲンや心電図の解析に将来使われることが予期されており、医療現場での活躍も大いに見込めます。

しかし、医療現場での判断は時には患者の命につながりかねないので、先ほどの自動運転同様、もしAIが出した結果に誤りがあった場合、責任の行き先がなくなってしまうので、うまく医者と連携しながら実装されることが予想されます。

IoT家電

最近ではあらゆるものがインターネットとつながっており、自動で何かをしてくれる家電が多くなりました。例えば、その日の湿度や室温によって、必要な温度を勝手に設定してくれるエアコンや、洋服の量や状態によって、使用時間や水の量を制御してくれる洗濯機などがあります。

翻訳機能

今やスマートフォンなどで使用でき、当たり前となっている翻訳機能ですが、これにも深層学習が使われています。従来の翻訳機能では、ある程度の意味がつかめるが文脈がめちゃくちゃな文章が生成されていました。時には異なる意味の文と解釈してしまうような場合も見受けられました。

しかし、深層学習を用いることで、構文解析や意味解析を行い、かなり自然な文章が翻訳機能で生成されるようになりました。今では、LINE翻訳や、Google翻訳などを用いて英語に翻訳するのみでなく、中国語やドイツ語など多言語に対応しています。

 

まとめ

深層学習を用いることで、従来のAIではできなかった様々なものが可能になりました。また、その活用分野も広く多岐にわたります。しかし、いまだにAIには実装するうえでの問題点が数多く存在します。そのような問題点を人間がうまくカバーして、お互いの強みを生かすことが今後の便利な世の中のためにも必要になってくるでしょう

 

この記事の執筆・監修者
Aidiot編集部
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。

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