多次元分析とは?5つの分析方法と活用ポイントをご紹介!

多次元分析とは?5つの分析方法と活用ポイントをご紹介!

DXが企業活動において重要視されるようになってきたことによって、DXの一環でもあるデータ分析が盛んに行われるようになりました。データ分析を行うことによって企業の問題点や将来的な需要を視覚化・把握をしやすくなったので、企業活動においてリスクを抑えることができます。

データ分析を普段から行っておけば問題が発生した場合などにもすぐさま対応ができる以外にも、新事業を始める時にも需要などについて調査することが可能です。しかし、データ分析によって見つかったデータ傾向などについては本当に正しいのか判定することが大切です。

データ分析はそれだけでも十分な精度を持っていることが多いですが、他次元分析を行うことでさらにデータ分析の精度は高くなります。今回は見つかったデータ傾向などを本当に正しいのかについての判断方法、どうすればさらにデータ精度を高めることができるかについて紹介していきます。

 

多次元分析とは?

多次元分析とは見つかったデータ傾向について様々な方向から分析を行うことによって、情報の正確性について判定する方法です。データ分析を行っただけでは気づかないデータの偏りなどについても、多次元分析を行うことによってより明確に判定することができようになります。

他にもデータ分析によってたどり着いた結果がどのような要因で発生したかについても、視覚化などが可能になります。視覚化を行うことによって、専門的な知識がなくても理解がしやすくなるためこれまで不透明であった部分などについても理解がしやすくなることでしょう。

また、誰でも理解がしやすいということは社内などで情報が共有できることになるので、業務効率化に効果的です。多次元分析をしっかりと行っていないままで、データ分析をもとにして業務方針などを決定してしまうと、データの偏りや問題点に気づかないまま進めてしまうことになるので注意してください。

 

5つの多次元分析方法

多次元分析方法には大きくわけるとドリルダウン・ドリルアップ・スライス・ダイス・ドリルスルーの5つにわけることができます。それぞれの多次元分析方法ごとにデータ判定の基準が異なっているので、状況に合わせた多次元分析方法を選択してください。

分析方法によっては求めているデータ判定を十分に行うことができないことも珍しくないので、それぞれの分析方法についても覚えておくことをおすすめします。また、状況によってさらに精度を高めたい場合などには複数の多次元分析方法を組み合わせれば、高い精度になる可能性が高いです。

分析方法ごとに導き出すことができる分析結果が違うので、多次元分析方法それぞれの特徴についても理解する必要があります。

ドリルダウン

ドリルダウンは特定のデータを掘り下げていく方法です。例えばとある年度の商品Aの売上が多かったとして、年度から半年、四半世紀、月別など少しずつデータの範囲を狭めて内訳を確認していきます。期間以外にも年代や性別などの特定の条件を追加することもドリルダウンにあたります。

ドリルアップ

ドリルアップはドリルダウンと反対に小さい単位から大きい単位にみていく方法です。月別から四半世紀、半年、年度と分析していく範囲を広げていって最終的なデータ判定に繋げていきます。ドリルアップでは細かい情報から少しずつ条件を緩和していくことによってできます。

スライス

スライスとはデータを選んだ際に特定のデータの内から一定の切り口でデータを分析する方法です。例えば、全体の売上といった特定のデータから商品Aの売上について分析することなどをさします。スライスによって情報分析を行えば、特定の商品がどれくらい売れたかやどの季節にどのくらい売れたかを簡単にわかるようになります。

ダイス

ダイスは条件の組み合わせを変更することによって分析する方法です。条件の組み合わせとは地域・季節・年代・性別・商品などを組み合わせることによって、様々な状況下での傾向がわかるようになります。条件の組み合わせに関しては2つのみを組み合わせることもあれば、それ以上の条件を組み合わせることもあります。

ドリルスルー

ドリルスルーは特定のデータについての詳細データを一覧表示して確認する方法です。例えば商品Aの詳細データを見た場合に、誰が誰に対して何日に何個販売したのか等がわかるようになります。これによって、顧客の購入パターンや商品が売れやすいタイミングなどの確認が可能です。

多次元分析の活用ポイント

多次元分析の活用ポイントとしては、正確な多次元分析を行うためには正確なデータ分析が必要なことをしっかりと意識することです。多次元分析自体がデータ分析でわかったデータをもとにして、分析を行うのでデータ分析が間違っていては多次元分析もそれに付随するように間違ってしまいます。

データ分析が正しければそれだけ多次元分析の精度も高くなるので、多次元分析自体も現在調べたいことに合わせてどの方法が効果的かについて考えて選択してください。

分析した結果が正しいか判断する

多次元分析によって分析した結果が正しいかについても確認が大切です。多次元分析の設定を間違っていると最終的な結果が間違っていることになるので、分析した結果を数値だけ見て大丈夫だと判断するのではなく、本当に正しいのか間違っていないかについても最後には確認して判断してください。

分析した結果が間違っているとデータ分析、多次元分析をした意味がなくなるだけでなく、企業経営や企業方針について大きな影響が出る恐れがあります。

仮説を検証する

多次元分析によって判定された結果に関しては仮説の段階に過ぎないので、そこから仮説については検証することが大切です。例えば商品アをA・B・C・Dの4名が販売しているとして多次元分析の結果としてA・Bは販売できているがC・Dは販売できていないと判定された際にどこに要因があるかを検証する必要があります。

商品が売れない原因はもしかしたら販売している人間に問題があるかもしれませんし、販売している地域に問題があるかもしれませんこういった場合には人に問題があると仮説が出ているのであればC・Dを新しい人間に入れ替えれば解決する可能性もあります。

実際に人を入れ替えて販売ができれば人に問題があったといえますが、人を入れ替えても販売ができないのであれ他に要因があるといえます。多次元分析によって判定された結果をそのまま信じるのではなく、検証することは重要です。

 

まとめ

DXにおいてデータ分析は正しく活用することによって企業側には売上の増加以外にも経費削減などにも繋がるので、データ分析は大切といえます。しかし、データ分析を正しく扱うためには多次元分析を行って信用に値するデータであることを判定しなければ、大きな損失に繋がるリスクも持っています。

そういった事態を避けるためにもデータ分析と多次元分析をセットで考える必要があり、状況に合わせて多次元分析方法を変更するなどの工夫をしてください。多次元分析方法はそれぞれに強みと分析できる事柄が違うので、自分自身が分析したいことに関してしっかりと理解をして、多次元分析方法を選択することによってデータを有効的に使うことにも繋がります。

データは企業にとって財産であると言えるので、データ取り扱いに注意しながら有効活用をすることによって企業の拡大に貢献してくれます。

 

この記事の執筆・監修者
Aidiot編集部
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。

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