社内ポータルサイトは、社員が欲しい情報を迅速に入手したい時に役立つサイトです。非常に便利なので、社内ポータルサイトに興味を持っている人は少なくないでしょう。そこで、社内ポータルサイトのメリット・機能・成功事例・構築方法・導入方法について紹介します。
社内ポータルサイトとは?
社内のさまざまな情報を入手したい時に最初にアクセスする、窓口の役割を持つサイトのことです。社内ポータルサイトは、情報やアプリを一箇所にまとめているのが特徴です。ポータルサイトの代表例と言えるYahoo!をイメージするとわかりやすいかもしれません。
社内ポータルサイトの役割は、社員が必要な情報を迅速に入手することです。業務で何か不明な点があった時、社内ポータルサイトにアクセスすれば欲しい情報をすぐに得られます。
ただ、Yahoo!のような一般的なポータルサイトとは違い、社内ポータルサイトは利用者を社員だけに限定しています。社員のために制作されたサイトなので、社員以外がアクセスすることは想定していません。そもそも社内のプライベートネットワークで構築されていて外部とはつながっていないので、セキュリティ面で安全なのが魅力です。
社内ポータルサイトを導入するメリット
社内ポータルサイトの導入には、主に4つのメリットがあります。それは社内ツールの一元化・生産性の向上・社内での情報共有の簡易さ・ペーパーレスの4つです。どれも魅力的なメリットばかりです。1つ1つ掘り下げていきましょう。
社内ツールの一元化
もしも社内ポータルサイトが未導入だったら、それぞれのツールをバラバラで管理しなければいけません。社内ツールとしてファイル管理ツールやコミュニケーションツールなどが一般的ですが、これらの管理がバラバラだとアクセスするのに手間がかかります。社内ポータルサイトを導入するとツールの一元化によって利便性が向上しますので、利用する社員は多くなるでしょう。
生産性の向上
業務に必要な情報のすべてを社内ポータルサイトにまとめることで、社内あるいはチーム内での情報共有スピードが早くなります。情報共有の際のあらゆる無駄が省かれるため、生産性の向上に期待できます。社内やチーム内でスムーズに連携を取れることが、生産性にも好影響を与えます。
社内での情報共有の簡易さ
社内間での情報共有が簡易になるため、質疑応答の手間がなくなります。たとえば入社したばかりの新入社員は、会社についてわからないことだらけです。もし疑問が浮かぶたびに担当部署に問い合わせていたら、業務の負担が増えてしまいます。社内ポータルサイトを導入してあらかじめQ&Aを作成しておけば、担当部署に問い合わせる回数を減らせます。社内での情報共有が簡易になります。
ペーパーレス
情報のやり取りに紙を頻繁に使っている会社は、社内ポータルサイトの導入でペーパーレス化ができます。社内ポータルサイトで簡単に情報を共有できるため、紙を使った情報のやり取りをする必要はありません。紙を使う頻度が減ると経費削減にもなるので一石二鳥です。
社内ポータルサイトでできること
社内ポータルサイトは、さまざまなことができるように設計するのが普通です。勤怠管理・ワークフローの最適化・チャット機能・スケジュール管理可能・プロジェクトの共有と、できることを挙げればきりがありません。それぞれについて簡単に紹介します。
勤怠管理
出退勤の登録がオンラインでおこなえるなど、勤怠管理ができるようになります。従来はタイムカードなどで勤怠管理をしていましたが、その方法だとどうしても手間がかかります。社内ポータルサイトの勤怠管理ならすべてを一元的に管理でき、計算の手間を最小限に抑えられます。
また、有給残日数や残業時間数なども正確に記録されるため、ヒューマンエラーのリスクもありません。勤怠管理業務がとてもシンプルになります。
ワークフローの最適化
手書きの申請書やメールの送受信だとミスしやすい、ワークフローの最適化が可能です。社内ポータルサイトで交通費や経費の精算、各書類の申請を可能にしておけば、面倒な処理を一切必要としません。各業務の負担が軽くなりますし、紙も使わないためペーパーレス化にもなります。
チャット機能
業務の上で誰かとちょっとした意思疎通を図りたい時は、社内ポータルサイトの各種コミュニケーションツールが便利です。短文のやり取りに向いている、チャット機能などが代表的です。リモートワークにも対応できるので、近年特に重宝されている機能です。
スケジュールを管理可能
チームメンバーのスケジュールを一目で確認できるなど、スケジュール管理も社内ポータルサイトでできます。ミーティングの日時を決めたり、メンバーが不在のタイミングを知りたい時に役立つ機能です。
プロジェクトの共有
プロジェクトはメンバーが一丸となって取り組む必要があるため、メンバー同士で情報を共有することの意味は大きいです。進捗状況の正確な把握、作業担当者の確認、スケジュール調整などに便利です。他のツールと連携すれば、より親密に意思疎通を図ることも可能です。
社内ポータルサイトの構築方法
社内ポータルサイトを構築するには、いくつかの手順を踏む必要があります。社員が便利に使える社内ポータルサイトの構築をしなければいけません。そのためには必要機能の洗い出しや、誰でも使えるUI・UX設計などがポイントです。構築方法について解説します。
必要な機能の洗い出し
まずは必要な機能の洗い出しをしましょう。この時注目したいのは、自社が直面している課題についてです。自社の課題について考えることで、何が必要な機能なのかわかります。プロジェクト管理に課題があるなら議事録やスケジュール管理機能が必要ですし、コミュニケーションが不足しているならチャット機能が必要です。ポータルサイトを構築することで、自社の課題が解決しやすくなります。
機能ごとの目的を明確にする
社内ポータルサイトは、とにかくたくさん機能を詰め込めば良いというわけではありません。機能ごとの目的を明確にすることが大切です。目的が明確なら社員も使いやすいですし、全員で共有できます。
誰でも使えるUI・UX設計
せっかく社内ポータルサイトを構築しても、UI・UX設計が悪いと不便でストレスを感じます。構成・メニューの位置・文字サイズ・フォント・デザインなどを、できる限り見やすいように設計しないといけません。また、使用者が操作した時の動線にも気を配る必要があります。目的の情報にスムーズにたどり着けないと社内ポータルサイトを導入する意味がないので、利用者の目線を忘れずに設計しましょう。
使用者ごとにセキュリティの注意喚起
社内ポータルサイトには、重要な機密情報が含まれています。機密情報を漏洩しないためには、使用者ごとのセキュリティへの注意喚起が欠かせません。社内なら安全だと考えがちですが、今はリモートワークで社外からアクセスする機会も多いです。リモートワークで使用している端末は他人に使わせない、画面を開いたまま席を外さないなど、社員にセキュリティに関する注意喚起を必ずおこなって下さい。
社内ポータルサイトの導入方法
社内ポータルサイトを導入する方法は、主にパッケージ開発とスクラッチ開発の二種類です。どちらも一長一短ありますが、おすすめなのはパッケージ開発です。どのような開発方法なのかをそれぞれ確認していきましょう。
パッケージ開発
社内ポータルサイトのおすすめの導入方法です。すでに基本的な機能が一部実装されているため、後は他に必要な機能を追加すれば良いだけです。何もないところから構築するわけではないためスピーディーに導入できますし、制作コストも安いのが魅力です。
スクラッチ開発
自社内に構築力に長けたエキスパートの社員がいる場合は、スクラッチ開発で導入するのもありだと言えるでしょう。ただ、スピーディーな導入には臨めないですし、テストも十分におこなわないといけません。難易度の高い方法です。
まとめ
社内で様々な情報にアクセスするのに役立つ、社内ポータルサイトの機能や構築方法について紹介しました。記事で紹介した通り社内ツールの一元化や生産性向上など、社内ポータルサイトの導入には多くのメリットがあります。また、社内ポータルサイトの構築方法についても解説しましたので、まだ未導入の場合は導入を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
この記事の執筆・監修者
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。