近年、AI(人工知能)の技術が注目されています。AIは、身近なところだとエアコンやお掃除ロボットなどに使用されています。さらには、AIのビックデータを活用すれば、病気の予測や早期発見できることが期待されることから、医療機関の分野でも使用されており、近未来には欠かせない技術です。このAIを裏から支える職業のことをまとめて、AIエンジニアといいます。
しかし、高い需要に対して人材が不足気味なため、様々な分野において援助や育成の動きが始まっているようです。場合によっては、高待遇で働ける可能性も高いので、これから目指す人にとっては狙い目の職業とも言えます。
この記事では、AIエンジニアの「仕事内容」や「知識を学ぶ方法」、「必要な資格」などについて紹介していきます。
AIエンジニアとは
AIエンジニアは一言でいっても、役割によって仕事内容が変わってきます。
具体的には以下の3つのAIエンジニアに分けられています。
・機械学習エンジニア
・データアナリスト
・データサイエンティスト
機械学習エンジニア
機械学習エンジニアとは、プログラム分野のAIエンジニアであり、システム開発やプログラムの実装をおこなっていきます。わかりやすく説明すると、プログラムをつかい、パターンやデータを与えることによって「知能のある機械」に仕上げていくことを目指します。
また、機械学習を支える技術には、ニューラルネットワークやディープラーニングというものがあります。ニューラルネットワークは人の脳にある神経細胞(ニューラル)を参考にモデル化した技術です。
それに対して、ディープラーニングはニューラルネットワークよりもさらに深い、深層学習というものを機械に覚えさせます。深層学習をすることによって、より様々なパターンやデータを分析してくれるので、ディープラーニングは機械学習エンジニアにとって必要不可欠な技術になります。
データアナリスト
データの解析・分析に特化したAIエンジニアであり、データの相関関係を導き出す仕事をおこないます。わかりやすく言うと、データアナリストはAIに関する問題点を見つけ、改善策を提案していきます。
改善策を見つけるためにも、消費者の動向やニーズを分析し、何が最適かを見極めることが大切な仕事です。
データサイエンティスト
データの解析・分析や結果を踏まえて改善案を考える仕事です。
つまり、機械学習エンジニアとデータアナリストの両方の役割を担うジェネラリストのような役割になっています。例えば、プログラムやデータベースの知識、統計学、さらには改善案を伝えるために必要なビジネススキルなどが求められます。
求められる知識が多い分、企業からはとても重宝されるエンジニアです。場合によっては年収1000万円以上も提示されることもおかしくないようです。
AIエンジニアに向いている人の特徴
AIエンジニアに向いている人の特徴は以下の通りです。
・論理的に物事を考えることができる人
・新しいことに対する好奇心と学習意欲が旺盛な人
・単独で問題解決に取り組める人など
どれもAIエンジニアとして活躍していくには必要な素質になっています。
AIエンジニアに必要な知識を学ぶ方法
AIエンジニアになるには、プログラム技術やデータベースの知識、統計学などを学ぶ必要があります。AIエンジニアに必要な知識を学ぶ方法は以下の3通りです。
・高等教育機関で学習する
・AIエンジニアの専門学校で学習する
・AIの知識を扱う職業訓練校で学ぶ
順番に詳しく紹介していきます。
高等教育機関で学習する
例えば、大学や大学院などでAIエンジニアの技術を学び就職に役立てるという方法があります。主に、理工学部や情報工学などの学科や学部に入学してAIについての知識を学びます。
最大手企業に入りたいと考えている方は、大学院に進学することをおすすめしますが、難易度が高く狭き門です。また、最低でも修士課程で2年、博士課程で3年の計5年ほど通う必要があります。
通った分だけ学費も発生するので、最低でも200万円以上は考慮しておく必要があります。
AIエンジニアの専門学校で学習する
学費を抑えながら学びたいといった方に向けて、専門学校でAIエンジニアの技術を学ぶこともできます。主にAIエンジニアに必要なC言語を学べたり、Pythonなどの今後需要の増える言語まで学べる学校もあります。また、プログラム言語以外の機械学習やディープラーニング、データ分析のやり方まで、総合的に学ぶことができるのが特徴です。
しっかりと基礎知識を身につけて就職活動をするのもよいでしょう。
AIの知識を扱う職業訓練校で学ぶ
無料でAIの知識を付けたいといった方に向けて、職業訓練校で学ぶ方法があります。近年のAI人材不足の背景から、職業訓練校が増えてきているようです。職業訓練校では、条件を満たせば、スキルアップしながら受講手当がもらえます。
しかし、AIの知識を深く学べなかったり、就職が必ずしもできるわけではないということを、念頭におく必要があります。
AIエンジニアに必要なスキルや知識とは
AIエンジニアに必要なスキルや知識は以下の6つです。
AIの知識
AIエンジニアになるには当然、AIの知識が必要になります。具体的には、機械学習はもちろんのこと、ディープラーニングのアルゴリズムなどの深層学習の知識まで必要です。
ライブラリの知識
ライブラリ機能を知っていると自分で一からプログラムを組むことなく、開発に取り組めます。特にAIエンジニアを目指すに当たって、TensorFlowやscikit-learn、PyTorch、Kerasといったライブラリを身につけておくとよいでしょう。
プログラム言語の知識
AIエンジニアで必ずといっていいほど必要な言語はPython(パイソン)です。PythonはAI開発と相性がとてもよく、ディープラーニングのプログラムにも使われているほどです。また、C、C++などの知識もあるとよいでしょう。
C、C++は敷居が高く取得が難しいとされていますが、身につけておくと一からプログラムを組めるようになるので、おすすめの言語とも言えます。
微積分学や数学などの知識
AIで結果が導きだされたあと、結果をどのように活用するかを考えるために、微積分学や数学などの知識が必要になります。特に、線形代数学、確率・統計学などのデータを分析する際に必要な知識が役に立ちます。
SQL(データベース言語)の知識
SQL(エスキューエル)はデータベース運用のために必要な知識です。AI開発では、ビッグデータを活用するためにデータベース操作・制御することもあるので、なくてはならない知識だと言えます。
また、SQLは国際標準規格であるため海外でも応用が効くので、覚えておいて損はない知識です。
クラウドサービスの知識
AWSやMicrosoft AzureなどといったツールをAI開発するために導入している企業も増えています。クラウドといった分野は、データ共有や容量の拡張が簡単にできることから、AI開発に向いているとも言えます。
AIエンジニアに役立つ資格
AIエンジニアに役に立つ知識は以下の通りです。
・基本情報技術者試験
・G(ジェネラリスト)検定
・E(エンジニア)資格
・Python3エンジニア認定試験
・統計認定
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験とは、ITの基礎を取得していることを証明する国家試験になります。経営やマネジメントの知識も求められることから、IT関係の仕事に就くには必要な知識が学べます。
G(ジェネラリスト)検定
G(ジェネラリスト)検定は、ディープラーニングを事業に活用する能力や知識を保有している事を証明する資格です。
E(エンジニア)資格
ディープラーニングを実装する能力や知識を保有している事を証明する資格になります。
Python3エンジニア認定試験
Pythonの基礎文法の取得を証明する民間資格になります。Pythonなどの知識は、AI開発に必須レベルとも言えるので、目指してみるのもおすすめです。
統計認定
統計に関する知識の保有を証明する資格になります。
AIエンジニアの将来性
AIエンジニアは、高い需要に対して人材が不足気味なため、高待遇で働けることも多いです。必要な知識は他のエンジニアよりも多く、難易度が高いですが年収が高めに設定されていることも多いので、おすすめのエンジニア職とも言えます。
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まとめ
AIエンジニアといった仕事を理解いただけたでしょうか。AIエンジニアになるには、様々なITの知識のみならず、ディープラーニング、数学などの理解が必須になります。難易度は高いですが、需要もありどこでも活躍できるといったメリットもありますので、計画して目指してみるのもよいでしょう。
この記事の執筆・監修者
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。