機械学習の開発に必要なライブラリ・プログラミング言語を紹介

機械学習の開発に必要なライブラリ・プログラミング言語を紹介

近年、AIの技術が注目されています。例えば、AIは画像認証やお掃除ロボットなんかにも使われています。使用される場面も増えていることから、AIは人々の生活にはなくてはならない存在です。

そんなAIですが、機械学習といったデータやパターンを与える工程が必要になります。この記事では、機械学習の際に必要となるライブラリ・プログラム言語について紹介していきます。

 

機械学習とは

機械学習とは、膨大なデータやパターンを機械に与えることによって「知能のある機械」に仕上げていきます。与えるデータやパターンが多いほど、より正確な結果を導きだすことが可能です。

ここでは、機械学習と間違いやすいデータマイニングとディープラーニングについて紹介していきます。

データマイニングとの違い

データマイニングとは膨大なデータの中から、統計学やパターン認識などを使って、有益な情報を取り出すことをいいます。つまりデータマイニングを使うことによって、従来では考えられなかった視点から、情報を取り出すことが可能となっています。

ディープラーニングとの違い

ディープラーニングとは、深層学習と言われておりニューラルネットワークよりもさらに、発展した技術です。機械学習は人がパターンやデータを与えるのに対して、ディープラーニングは機械自身が必要な知識を判断していくことが可能です。

つまりディープラーニングを使えば、人間と同じように、自分で、必要な情報を判断をすることが可能になっています。

 

人工知能(AI)開発に必要なライブラリとは

AI開発に便利なツールとしてライブラリがあります。ここではライブラリについてやフレームワークとの違いを紹介していきます。

ライブラリとは

ライブラリとはAI開発などで使用する汎用性の高いプログラムをファイルにまとめたものです。特に一からプログラムを組むわけではないので、初心者にもやさしいといったメリットもあります。

用途に応じたライブラリ選択

ライブラリには、数多くの種類が存在します。また、無料で使えるライブラリもあるのも嬉しいポイントになっています。特にAI開発には、複雑なプログラムが使われていることも多いので、目的や対象に応じたライブラリを選択することが重要です。

フレームワークとの違い

ライブラリに似た言葉としてフレームワークといったものが存在します。わかりやすく住宅で説明すると、木の枠組みをフレームワークと呼び、完成させるためのドアや窓などの部品をライブラリといいます。

つまり、ライブラリとフレームワークでは、役割自体も変わってくるのが特徴です。プログラマーの観点からみると、フレームワークがあると自由が効かず、枠に沿った開発が必要になります。

対してライブラリでは、ある程度の自由がとれるので、プログラマーが主導権を握ることが可能です。

 

機械学習・ディープラーニング向けライブラリ

次にこれからAI開発をしようと考えている方に対して、機械学習・ディープラーニング向けのライブラリをいくつか紹介していきます。

機械学習・ディープラーニング向けのライブラリは以下の通りです。

・scikit-learn
・TensorFlow
・Pytorch
・Keras

それぞれ順番に紹介していきます。

scikit-learn

scikit-learnは、誰でも無料で使用することができて、初心者にもやさしいPython用ライブラリになります。具体的には、サポートベクターマシンや回帰、クラスタリングなど様々な機械学習が可能です。

また教師あり学習や教師なし学習、モデル選択、データ変形なども可能なのでこれ1つで様々なことが可能です。

TensorFlow

TensorFlowはPythonやJava、C++などのプログラム言語に対応したライブラリになります。Googleが提供しており分散処理を行えるので、ビックデータも扱うことが可能です。具体的には、画像認証や音声認証、翻訳などの場面で使用されています。

また、芸術の分野や音楽の分野など様々な分野にも進出しているので、TensorFlowは将来性が期待されています。

Pytorch

PytorchはFacebookが中心となって開発されたPython向けライブラリになります。特に深層学習などに役に立ちます。また強力なGPUを兼ね備えているのでNumPyのようなテンソル暗算も可能となっているのが特徴です。

Keras

KerasはPythonで書かれているオープンソースネットワークライブラリになります。具体的には、画像認証や文章自動生成などの場面で使用されています。直感的に理解できて、プログラムの経験がなくてもコードを書くことが可能なので、初心者にやさしいのが特徴です。

 

人工知能(AI)向けプログラミング言語4選

AI開発にはプログラム言語の知識が必要不可欠になります。ここで、人工知能(AI)向けプログラミング言語を紹介していきます。

人工知能(AI)向け言語は以下の4つです。

Python
Julia
JavaScript
Java

順番に紹介していきます。

Python

Python(パイソン)とは、機械学習やディープラーニングなどのAI開発にはなくてはならない言語です。Pythonを覚えておくと使えるライブラリも多いことから、AI開発においてはNo1言語と言っても過言ではありません。また、Pythonは様々な分野にも応用可能であり、ゲーム開発やWebサイトにも使用できます。

その上、初心者にも理解できる文法になっているので、学習の面でもおすすめな言語だと言えます。

Julia

Julia(ジュリア)は数値を計算するのに特化しており、AI開発との相性が良いです。またjust-in-time(JIT)コンパイラといった技術が使われているので、C言語に劣らないくらい動作が早いのが特徴です。Juliaは比較的新しく、様々な言語の良いところを組み合わせているので、使いやすくなっています。

特に事前にPythonを学んでいる方は理解がしやすいでしょう。

JavaScript

JavaScriptは、Webでアニメーションなどの動きをもたらすことのできる言語です。主にHTMLやCSSなどのセットで使用されることも多いです。そんなJavaScriptですが、AIの分野でも使用されています。

特に先ほど紹介したTensorFlowやKerasなどを応用すれば、ブラウザからGPUを使うことが可能です。

Java

Java(ジャバ)は最新の言語ではありませんが、AI開発には適しています。しかし、Pythonなどと比べると速度やライブラリの豊富さからみると物足りないのが特徴です。それでも、JavaはJVMといった仮想マシンを使って開発している事例も多く実務でも使われるので、JavaでもAI開発が可能になっています。

 

まとめ

機械学習の開発に必要なライブラリ・プログラミング言語を理解していただけたでしょうか。機械学習と一言でいっても、目的や対象によってライブラリや使用するプログラミング言語が変わってきます。AI開発を成功させるためにも、今回紹介したことをしっかりと抑えておきましょう。

 

この記事の執筆・監修者
Aidiot編集部
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。

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