様々なアプリ開発が進んでいく現代で、シェアリングエコノミーという言葉が浸透し始めています。シェアリングエコノミーがどのようなものなのか想像できない方や、実際にシェアリングエコノミーアプリの構築を検討している方も多いと思います。そこで今回は、シェリングエコノミーの概要やアプリ開発の注意点を、例を交えながら解説していきます。アプリ開発に必須な情報が詰まっているので、ぜひ最後までご覧ください。
シェアリングエコノミーとは？
シェアリングエコノミーとは自分の持っている資産を他人に貸したり、他人の持っている資産を借りたりする仕組みです。また、ここで言う資産にはスキルや時間なども含まれています。つまり、インターネットを通じて人と様々なものを共有（シェアリング）するサービスのことです。
そこで、アプリがシェアリングを行うためのプラットフォームとして機能します。資産をシェアリングする方向性はC to C（ユーザー→ユーザー）、B to B（企業→企業）、B to C（企業→ユーザー）という3つのタイプが存在します。
シェアリングエコノミーの収益モデル
シェアリングエコノミーというビジネスモデルは、人と人をマッチングする役割をします。その収益はどのように発生するのでしょうか？大きく分けると「売買手数料収入」と「月額固定費」があります。それぞれどのような特徴があるのかを見ていきましょう。
売買手数料収入
売買手数料収入とは、サービスを利用されるごとに収益が出るモデルです。サービスを通じて資産を借りた人は、資産の貸主に料金を払います。そして、その料金の一部が売買手数料として得られるというものです。
月額固定費
月額固定費では、決まった金額でサービスを利用し放題というモデルです。主にB to C（企業がユーザーに一方的に資産を貸す）のサービスで月額固定費というモデルが採用されています。また、複数のプランが存在していて、月額が高いプランを選択すればよりグレードアップしたサービスを受けられるという手法をとることも多いです。
シェアリングエコノミーアプリを構築するメリット
シェアリングエコノミーアプリを構築することでどのようなメリットが見込めるのかを紹介します。
・低価格で事業を立ち上げられる
・開発費のみなので仕入れが不要
・運用コストがそこまでかからない
・マーケティングに専念できる
というメリットがあるので、それぞれの具体的な特徴を見ていきましょう。
低価格で事業を立ち上げられる
シェアリングするための資産は企業の「遊休資産」（持ってはいるけど、使わないもの）で始められます。そのため、新たに資産を準備する必要がないので、事業の立ち上げは低価格でできます。例えば、営業時間外の店内はこの遊休資産に含まれます。店内のスペースを貸し出すだけなので、価格が抑えられるといった具合です。
開発費のみなので仕入れが不要
他のビジネスモデルでは、アプリの開発費に加えて販売するための商品の仕入れが必要になります。しかし、シェアリングエコノミーアプリの場合は資産を貸し出すだけなので新たなものの仕入れが不要ということになります。アプリが開発費のみで完結するのは他にはないメリットと言えます。
運用コストがそこまでかからない
上で紹介している2つのメリットと似ていますが、アプリ運用のコストは小さく済みます。スペースを提供するシェアリングエコノミーの例で言うと、運用に必要なのはスペースの保有だけです。そのため、運用コストに関する心配は不要です。
マーケティングに専念できる
1度システムが出来上がってしまえば、やるべきことは運用のみです。シェアリングエコノミーアプリは運用にかかる負担が少ないので意識をマーケティングに集中することができます。マーケティングに専念し、効率的な集客を行いましょう。
シェアリングエコノミー事業の一例
では、具体的にどのようなシェアリングエコノミー事業があるのかを見ていきましょう。既に利用しているサービスもあるかもしれません。今回はスキルマッチング、企業マッチング、人材マッチング、モノのマッチング、スペースマッチングというカテゴリーに分けて事業を紹介します。各カテゴリーにどのような特徴があるのかについても併せて紹介します。
スキルマッチング
特定のスキルを持っている人と、そのスキルを求めている人をつなぐのがスキルマッチングの役目です。スキルとは言っても、比較的簡単なものから難しいものまで様々あります。
例：「クラウドワークス」インターネット上で、仕事を依頼したい人（クライアント）と仕事を受けたい人（ワーカー）が集まります。お互いの条件が合っていたら仕事の契約が成立。という流れです。
企業マッチング
企業同士のマッチング（B to B）を行うのが企業マッチングです。現在ではB to CやC to Cのシェアリングエコノミーアプリが多いですが、今後はこのようなB to Bのタイプも増えてくることでしょう。
例：「ラクスル」印刷会社が持っている印刷機と、印刷をしたい企業をマッチングします。印刷機は本来であれば非稼働時間であったタイミングで使用するので、低価格での印刷を実現しています。
人材マッチング
働きたい人と、人手不足の店舗をつなぐのが人材マッチングです。マッチングに先立ち、具体的な作業内容や報酬についてよく話し合いましょう。
例：「Timee」働き手と人材不足の店舗をマッチングさせる典型的な人材マッチングです。具体的な店舗としては、コンビニなどが多いです。
モノのマッチング
遊ばなくなったゲームや使用していないPCなど、実体のある物をシェアするのがモノのマッチングです。フリマアプリなどもモノのマッチングに含まれます。
例：「メルカリ」不要になったものを売る人と、それを求めている人がマッチングします。メッセージを通じて気になった点や物の詳細情報を聞き、納得がいったら売買が成立します。
スペースマッチング
スペースマッチングは場所（スペース）の貸し借りを行うためのプラットフォームです。スペースを借りる目的は会議や作業用、習い事のためなど人それぞれです。
例：「SPACEE」借り手は会議室や営業時間外の店内など様々あるスペースの中から、最も目的に合ったスペースを選び、レンタルします。リモートワークが主流になりつつある現在、作業をするための場を借りる人が増加しています。
シェアリングエコノミーで構築・開発する際に気を付けること
続いて、シェアリングエコノミーアプリを構築する際の注意点を見ていきましょう。アプリ構築を検討している方は必見です。今回紹介する3つのポイントを押さえれば、陥りがちなミスを回避できます。
事前に必要機能を洗い出す
アプリ構築の前に必要な機能を洗い出しましょう。「機能はできるだけ多いほうが良い」と思うかもしれませんが、機能が増えるほど費用もかかります。予算も参考にしながら必要機能を決定しましょう。
決済システムを入れられる事業かどうかを確認
マッチング完了後の決済がシステム化できるかどうかを確認しましょう。インターネット上で行うシェアリングエコノミーの場合は特に、決済の不備はトラブルの原因になります。決済システムを取り入れられる事業を行うように心がけましょう。
マーケットがあるか確認
1番重要と言っても過言ではないのがマーケットの有無です。マーケットがなければアプリのユーザーは現れません。実際にマーケットがあるのかについては、ライバルの企業などを参考にして確認しましょう。
まとめ
今回はシェアリングエコノミーの概要、アプリ開発に先立って気を付けることなどを紹介しました。シェアリングエコノミーに関する役立ち情報・ヒントは見つかりましたでしょうか？現時点で様々なものがシェアリングされていますが、シェアリングされるもののジャンルは今後も広がっていくことでしょう。上でも解説していますが、アプリを構築することで得られるメリットは多数存在するので、ぜひ構築を検討してみてください。
この記事の執筆・監修者
Aidiot編集部「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。
