新規事業のコストの考え方とは?イニシャルコストとランニングコストを把握しよう!

新規事業のコストの考え方とは?イニシャルコストとランニングコストを把握しよう!

新規事業を始めるとき必要なコストを見積もり、それを事業計画と資金計画に落とし込むことは必須の作業です。これを考えないことには新規事業の黒字化に必要な売上額も、初期投資の回収期間も予測がつかなくなります。
この記事では新規事業にかかるコストについて、事業計画に齟齬をきたさないための考え方について解説します。

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最初に確認しよう!新規事業でかかるコストとは?

新規事業といってもその内容や規模によって必要なコストは大きく違ってきます。しかし金額は違っても新規事業で見積もるべきコストは2種類です。それは「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」で、この2つが事業計画や資金計画の基礎になります。

イニシャルコスト

イニシャルコストとは日本語で「初期費用」と訳される、新規事業を始めるため最初に掛かるコスト(費用・経費)です。例えば新規にカフェを開業するために必要になる店舗物件の敷金や礼金に内装の工事費用、厨房機器・レジや食器類の購入費用、店員募集やオープン広告などがイニシャルコストになります。
基本的には新規事業がスタートするまでに必要とされるコストで、事業計画上で事業によって生み出される(予定の)利益でイニシャルコストを回収していくことになります。

ランニングコスト

新規事業の準備期間が終わり、開始された事業を継続するためにかかるコストがランニングコストです。先ほどのカフェを例にとれば、商品・材料の仕入れ、家賃、水道光熱費、人件費、消耗品などその他経費などがランニングコストです。
単純化して考えるとランニングコストを上回る売上があれば黒字となり、この黒字で最初に掛かったイニシャルコストを回収するという考え方になるので、事業継続のためには最低限ランニングコストの管理は極めて重要な要素となります。

ITサービスにおけるイニシャルコストの種類とは?どんなコストが必要?

新規事業といっても範囲は広すぎるので、ITサービス事業について考えていきます。それというのも新規事業のなかで比較的参入のハードルが低く、スモールビジネスでの開業が可能で大規模な設備投資をしなくて済むからです。もちろん「データセンターを開業する」といった例外もあるのですが、ここではITサービスの中でも比較的小規模なECサイトを始めるケースをモデルにします。

社員(メンバーの費用)

新規事業を考えるとき必要な人員を考えることは、事業計画を考えるうえで重要なことです。ECサイトを構築・運営する場合、事業規模によって必要人員はある程度見積もりが可能です。
業務を大別すると、商品企画・仕入れ・サイト構築運用・営業・プロモーションというフロント業務と、受注・発送・在庫管理・アフターフォロー・経理などのバックエンド業務に分かれ、それぞれがECサイトを継続するために重要なポジションです。
新規事業のスタートにあたりこれらの人員の必要数を見積もり、募集に掛かるコストはイニシャルコストですが、後々ランニングコストにもなるので中長期の事業予測に基づいて人員計画を考えましょう。

システム開発費

ECサイトのポイントは可能なかぎり業務をシステム化し、人手(ランニングコスト)を減らすことです。新規事業ではスタートにあたって必要最低限投資しなければならないイニシャルコストのほかに、将来のランニングコストを減らすための投資も考えなければなりません。
ITビジネスではシステム開発自体を事業とするケースもありますが、その場合のシステム開発は「商品開発」に当たるので、イニシャルコストとしては違った見方をする必要があります。

サイト制作費(UI・UX)

ECサイトであれば重要になるのが自社サイトの制作と、それに要するコストの見積です。ECサイトの構築を目指す新規事業の場合、ここにかかるコストが一番大きくなる可能性が高いでしょう。
考えるべきポイントはイニシャルコストを抑えることに重きを置くのか、ECサイトの将来性を考えて拡張性に重きを置くのか、そのバランスをどこでとるかです。
個人で運営するECサイトならともかく、新規事業と考えると最低限「有料ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)の利用は必要で、イニシャルコストは数千円~30万円ほどです。想定している年商が数千万円であれば有料ASPで十分だと言えます。
それを超える将来目標を考えるなら「クラウドEC」や「パッケージ」でのサイト制作になりますが、この場合500万円以上のイニシャルコストが必要になります。
サイト制作に関してはUI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザーエクスペリエンス)が重要なのはご存じの通りで、UIはUXの一部分を担うということは理解されても、UXに関しては誤解が多くみられます。

というのもサイトだけでUXを高めようとするケースが見られることで、そうした考え方はECサイトを通してユーザーに提供するサービス全体を見失いがちです。販売後のフォローを含めた事業全体で高めるのがUXだと理解しましょう。

サプライヤー獲得コスト

ECサイトの成功は取扱商品で決まると言っても過言ではありません。これが自社製品を売るためだったり、売りたいものがあらかじめ決まっていたりであっても、よほどの商品力がない限りそれだけでは事業継続が難しくなっていきます。
そうなると商品やサービスを探し、それを提供してくれるサプライヤーを獲得するためのコストも必要になるでしょう。多くの場合じかに出向いて交渉する必要があり、場合によっては日本国外にまでその範囲は広がります。ただサプライヤー獲得コストは計画性がないと無駄なコストになりがちなので、その管理は大事です。

リリース前のマーケティングコスト

ECサイトの立上げ時に何もしなければユーザーの目に触れないまま時間ばかり経過します。リリース前には想定されるユーザー像の特定と、その指向性について十分リサーチを行います。そのためのマーケティングコストは、事業スタート後のマーケティングの土台になるので、スタート後の広告活動も考えながら進めなければなりません。

 

ITだとこんな費用が!?ITサービスにおけるランニングコストの種類とは?

いざITサービスの新規事業がスタートしたら、事業から生み出される収益と、運営にかかるランニングコストの管理が事業成功のポイントになります。
ここからはITサービスにおけるランニングコストについて考えていきましょう。

マーケティングコスト

ECサイトに限らないのですが、事業スタート時から同じ商品やサービスがユーザーから同じ評価を受け続けることはありません。必ずニーズは変化していくもので、事業継続のためには常にニーズをつかみ続けるマーケティングコストは不可欠です。
またサイトオープン時には認知度も低いため、最低でも3か月程度は広告活動にかかるランニングコストは多めに見積もっておく必要があります。
新規事業の最低限の成功条件は継続する事なので、マーケティングコストとそれで掴んだニーズを事業へ落とし込む取り組みは永遠に続きます。

アジャイル開発費

現在、多くのシステム開発はかつての巨大システム開発で見られたような「ウォーターフォール開発」ではなく、リリースしてからもアップデートし続ける「アジャイル開発」がメインになっています。
ECサイトでもスタートしてから小さな(時には大きな)修正点があることは当然のことで、それを改良してより良いサイト・システムに進化させるためのコストも、重要なランニングコストです。ライバルが多いITサービスなので、常に進化し続けなければすぐに時代遅れとなってしまうことを理解しましょう。

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まとめ

ITサービスの新規事業においては、他の産業のような有形固定資産への支出が少ない代わりに、人的リソースやシステムなど特徴的なイニシャルコストとランニングコストが必要になります。
つまり従来型の管理で見られた「設備稼働率」などの指標はそのまま当てはまりません。とはいえ投入した資金の回収と、継続していく中での黒字化という課題は同じなので、ITサービスに即したコストの見積と管理について、検討を重ねることが最低限の必要条件なのです。

 

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この記事の執筆・監修者
Aidiot編集部
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