痛手になる前に!新規事業の撤退基準の決め方・有名企業の事例をもとにご紹介!

痛手になる前に!新規事業の撤退基準の決め方・有名企業の事例をもとにご紹介!

新規事業のスタートにあたっては入念なリサーチとマーケティングを行い、成功する見込みがあってゴーサインを出すものです。しかし新規事業のすべてが成功するものではなく、見込み違いや市場の変化によって新規事業が失敗することもあります。

この記事では新規事業の開始と同じくらい重要と言える、新規事業の撤退基準の決め方について、他社での事例も参考に解説していきます。

 

早すぎない?!なぜ新事業を始める際に撤退基準を決める必要があるのか?

新規事業を手掛ける目的は、多くの場合会社の事業拡大を狙ってするものです。計画を立てて検討し十分なリサーチの結果、一定以上の成功確率があると判断するから新規事業をスタートするのですが、計画どおり進まずに、思わぬ損失をだしてしまうこともあります。

それを放置していると既存の事業にも影響を与え、会社の存続を脅かす可能性もあるのです。そんな事態を避けるために、新規事業を始める際にあらかじめ失敗の定義を考え、撤退するための基準を決めておくことが重要です。

 

おすすめ判断基準をご紹介!新規事業における撤退基準の決め方はコチラ

新規事業における撤退基準は大きく分けて2つのパターンがあります。

・新規事業の計画に対する達成率など数値で判断するもので、もっともオーソドックスな方法と言えます。
・新規事業が進んでいくなかで、その時点の各種状況や将来性などをもとに判断する方法で、ある意味判断者の力量が問われる撤退基準と言えます。

上記2つにはさらにいくつかのパターンがありますが、ここからより具体的に撤退基準の決め手を見ていくことにしましょう。

KPI(重要業績評価指数)・KGI(重要目標達成指標)で判断する

KPI・KGIとは新規事業の進捗状況や最終目標を定量的に評価する指標です。KGI(Key Goal Indicator/重要目標達成指標)は新規事業の最終目標を定めるもので、それに対する進捗状況を評価する指数がKPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)となります。

例えば6か月後までに顧客6千人獲得する最終目標をKGIとした場合、単純に言えば各月に1千人ずつ獲得数をクリアする中間目標がKPIとなります。KPIの数値設定はそこまで単純ではないにしろ、このままでは最終目標に到達できないという合理的な判断基準になるので、新規事業の撤退について私情を挟むことなくドライに判断できるメリットがあります。

一方で新規事業の一部分の数値にフォーカスする方法なので、KGIの設定が間違っていれば「事業は赤字だが目標は達成しているので継続」または「事業は黒字だが木業は達成していないので撤退」という事態を招きかねないというデメリットも存在します。

PL(投資回収計画)で判断する

新規事業について会計上の数値で判断する方法もあります。新規事業の目標は黒字化であるので、これも合理的な判断基準と言えます。例えば1年以内に黒字にならなければ撤退するなどの基準です。

しかし損益計算だけでは初期投資が反映されにくい点は考慮しなければなりません。また既存事業と新規事業の両方にかかるランニングコストの配布基準など正確に決定しておかないと、新規事業を正しく評価できない可能性もあります。

市場状況を鑑みて判断する

KPIやPLを用いた撤退基準は一見合理的な基準ですが、場合によっては将来性をつぶしてしまう可能性もあります。そうしないために市場状況をもとに判断することも有効な方法です。

判断するために2つの要素を検討し、一つは市場自体の将来性を考えます。今は小さな市場でもこの先大きく成長が見込める分野だと確信が持てるのであれば、撤退するのは早計なのかもしれません。もう一つの要素が市場におけるシェアです。

この2つが伸びる可能性があるのなら新規事業継続の判断も成り立ちますが、市場の将来性もシェアが伸びる可能性も低いようであれば、撤退をすべき状況だと言えます。

競合を見て判断する

計画の進捗度や損益などから判断することはあくまで社内的な基準ですが、それとは別に市場での自社と競合の相対的な力関係で撤退を判断する方法もあります。

ここで考えなければならないのは目標の設定で、競合に対して圧倒的な勝ちを求めるのか、ある程度優位であれば良いのか、その度合いによって判断は変わってきます。

マーケットシェア理論によればシェア率26.1%以上になれば「強者」になれるので、それ以上を目指すのであれば、感覚に頼らず数値を正確に把握したうえで判断しましょう。

自社リソースを見て判断する

会社の外ばかりではなく、新規事業に対する自社のリソースを見て判断するケースもあります。一つは新規事業の規模が自社のキャパシティーを超えるような事態になっているのであれば、早急な判断が必要になるでしょう。

もう一つが新規事業そのものに対する熱量の判断です。新規事業には目的や目標があることが普通ですが、新規事業をやることが目的化しているのであれば、もはや継続する必要性はありません。

撤退は戦略?!他社事例から学ぶ新規事業の撤退基準の具体例

多くの有名企業も数々の新規事業を立ち上げては撤退するということを繰り返していますが、撤退基準を明確にしていることが多いのも特徴です。

ここからは他社の事例を参考に新規事業の撤退基準を学んでいきます。

サイバーエージェント

サーバーエージェント社はネット広告やゲームを事業主体とするIT企業です。藤田社長がかつて明言していた新規事業の撤退基準は

「リリース後4ヶ月の時点で、コミュニティなら月間300万PV、ゲームなら月間売上1000万円を超えない場合撤退する」

という、典型的なKPI基準での判断です。

この判断基準は新規事業の進捗状況を数値化しやすいIT企業でよく見られます。

メルカリ

フリマアプリ「メルカリ」を運営するメルカリ社は、PLを新規事業の撤退判断に用いています。そして基準が同社の貪欲さを現わしていて、新規事業をスタートさせた3か月くらいのPLをメルカリ事業の3か月と比較し、それに匹敵するようなPLでなければ撤退を決断するといいます。

裏を返せば、それくらいの覚悟を持って緊張感を持ちながら新規事業を始めているということです。

DeNA

プロ野球チームの親会社としても知られるDeNA社はモバイルゲーム開発・配信を主業とするIT企業です。同社の新規事業を担うサービスインキュベーション事業部では、初期費用他で1,000万円の予算で新規事業をスタートさせ、キャッシュアウトの段階で継続か否かの判断をします。

その基準はKPIの手法を用いた市場(顧客)判断で、ユーザーの熱量や満足度を数値化して検討しています。

dely

レシピ動画サイト「クラシル」を運営するdely社ですが、2014年の創業時はフードデリバリー事業でスタートしていました。しかし2015年1月にはあっさり事業撤退しています。
競合と自社との比較で、堀江社長の言葉では

「市場で圧倒的に1位を取る可能性がかなり低いと判断したため」

という理由での事業撤退です。

ユニクロ

ユニクロを運営するファーストリテイリング社は、自社のリソースと価値基準を新規事業撤退の判断にしており、

「差別化のできていないものなどはすぐに撤退」と明言しています。

柳井社長の言葉では「新規事業進出の前にそのサービスのご臨終(の基準)を明確化する」という方針なのです。

リクルート

リクルート社といえば日本のベンチャー企業の草分け的存在ですが、同社の新規事業における撤退判断はそんな企業イメージを彷彿とさせる独特の基準によります。同社では、

「数値データが不振であることを理由に突然撤退を判断することはなく、事業開発チームが問題のブレイクスルーを提案できるかどうかをもとに、撤退を決める」

としており、簡単に言えば、担当者の熱量をもって判断するということになります。新規事業担当者にとっては責任が重いのですが、やり甲斐も感じる企業方針と言えるでしょう。

ソフトバンク

数々の新規事業を手掛け、その多くを成功に導き巨大企業となったソフトバンク社と、同社を率いるカリスマ経営者の孫正義氏ですが、その経験から新規事業の撤退に関していくつかの言葉を残しています。有名なものでは

「(会社の)体力の3割を失いそうだと思ったら、退却する」

というものがあります。

額面通りにとらえると「そんなところまで辛抱するのか」とも思えますが、ある程度のリスクを厭わない孫社長の考え方がよく現れた言葉です。

新規事業の「立ち上げ・運用・撤退基準」しっかり計画を立てよう!

新規事業の立ち上げを任されたものの、立ち上げのイメージはあるものの運用や、撤退基準についてはピンとこないという方も少なくありません。しかし、しっかりと準備をしないと

 

まとめ

新規事業の撤退基準の重要性と、多くの新規事業を展開してきた他社の事例を解説してきました。新規事業の立上げが全て成功するわけではないからこそ、その引き際を予め考えておくことは、既存事業を含めた企業のリスクヘッジとして当たり前の考え方です。

ある経営者は「撤退をやれた奴だけがリーダーの資質がある」と言っているとおり、始める決断と同じくらい止める決断も重要です。そしてその判断基準を事前に考えておくことが、新規事業成功のための第一歩なのです。

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この記事の執筆・監修者
Aidiot編集部
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。

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