営業力に差をつけて売り上げをアップさせるには、顧客管理ツールの活用が有効です。
顧客管理ツールは営業活動を効率化し、売上向上につながります。今回は、営業力に差をつける顧客管理ツールの基礎知識や種類、顧客管理ツールを選ぶときのポイントについて紹介します。
顧客管理とは
顧客管理とは、顧客の情報を記録して管理することです。顧客情報を適切に管理することで、顧客との関係をより良く保ち、売上向上を目指す戦略を立てられます。
目的
顧客管理の目的は、顧客との信頼関係の構築と売上の最大化です。顧客情報を記録・管理して顧客のニーズを把握します。顧客に合わせた対応へ活用すると、信頼関係の構築が可能です。また、顧客のニーズを的確に把握して、最適な商品やサービスを提案することで売上の向上を目指します。
顧客管理が今注目されている理由
顧客管理が注目されているのは、コストや人員を削減して売上を伸ばせる手段だからです。
電話営業や飛び込み営業、セミナーやイベントの開催には、コストと人員がかかります。しかも従来の営業手法で接点を作っても、商品購入や契約の際にはさらにコストや人員が必要となります。現代は少子高齢化によって労働人口が少ない時代です。少ない人数で効率的に売上を向上できす顧客管理に注目が集まっているのです。
また顧客管理を適切に運用すると、新たな顧客やニーズが見つかる可能性もあります。既存顧客の受注数増加や、離れてしまった顧客の掘り起こしなども可能な手法として期待されています。
顧客管理の重要性とは?
顧客管理は、既存顧客の信頼性を維持するツールとして重要視されています。近年、既存顧客を逃さないことが必要です。新規顧客を獲得するのが以前に比べて難しくなっているからです。
国内の市場が飽和してきたことや、顧客の母数が頭打ちに乗ってきたことが原因です。また、近年は新規顧客を獲得する難易度が上がりました。インターネットやSNSが発達し、商品の比較検討が簡単になったからです。顧客管理を適切に行うと、既存顧客の信頼性が高まり売上が向上します。また、集めたデータを分析して顧客のニーズに合ったサービスが提供できるようになると、新規顧客の獲得にもつながります。
顧客管理ツールの種類とメリット・デメリット
ここからは、顧客管理ツールの種類とそれぞれのメリット・デメリットについて解説していきます。
Excel・Googleスプレッドシート
Excel・Googleスプレッドシートなどの表計算ソフトで顧客管理を行っている企業もあるでしょう。データが多くない中小企業であれば、表計算ソフトでも顧客管理が可能です。
《メリット》導入・運用のハードルが低いこと、教育の必要がないことです。企業のほとんどがExcelやGoogleスプレッドシートを導入しています。そのためコストがほとんどかかりません。社員も業務上で利用しているので、使い方を教える必要がありません。
《デメリット》過去のデータとの比較が困難であること、機能が少ないことです。表計算ソフトは、数値や情報を更新すると過去の履歴を確認するのが困難です。また、顧客管理を行う専用のツールではないので、十分な機能を備えていません。
初めて顧客管理を活用する企業が、最低限の機能だけでいいと考えている場合は導入しやすいツールといえます。
CRM
CRMは顧客関係管理と呼ばれています。顧客情報を入力して管理・分析するツールです。CRMは顧客管理の専用ツールなので、顧客情報を詳しく分析することができます。
《メリット》顧客情報をまとめて管理できること、情報共有がしやすいことです。それぞれの部署で入力された顧客情報を集約して、社内全体で共有できます。複数人での作業にも対応しており、リアルタイムで更新可能なので、営業活動やニーズの把握を素早く行えます。
《デメリット》導入と運用にコストがかかること、効果が現れるまでに時間がかかることです。CRエムを専用ツールなので、導入や運用の際にコストがかかります。また、導入してもすぐに効果が現れるわけではありません。データ収集・分析を繰り返して長期的に運用することが必要です。
SFA
SFAは、営業活動に特化した顧客管理ツールです。CRMとの違いは、案件ごとに情報を記録できることです。
《メリット》外出先でデータを活用できること、報告書や業務レポートを簡単に作成できることです。SFAは営業活動に特化したツールなので、データ分析・グラフ作成が簡単に行えます。営業が外出先でデータを入力し、そのまま報告書を提出することも可能です。営業活動の効率化が期待できます。
《デメリット》CRMと同様に導入・運用にコストがかかること、従業員が使い方を覚える必要があることです。 SFAを有効活用するためには、関連する社員全員にツールの使い方を教える必要があります。
MA
MAは、マーケティング活動に特化した顧客管理ツールです。主に見込み客を管理するときに使います。見込み顧客の基本情報とマーケティング活動の状況を記録・管理します。ツールによっては、メールマガジンを自動送信するなどのマーケティング業務が自動化できます。
《メリット》見込み顧客をまとめて管理できること、マーケティング業務の自動化ができることです。MAを導入して見込み顧客の情報を蓄積・管理しておくと、顧客になったときに基本情報を入力する必要がありません。CRMやSFAと合わせて使うことで、より効率的な業務が可能となります。
《デメリット》コストがかかること、マーケティングスキルを持った人材が必要なことです。MAの運用には専門的な知識が必要なので、一定のマーケティングスキルを持った人材が不可欠です。
顧客管理ツールを選ぶ際のポイン
ここまで顧客管理ツールの重要性や、種類について説明してきました。しかし実際に企業に導入する際、どのツールを選べば良いのか迷うことも多いでしょう。ここからは、顧客管理ツールを選ぶ際のポイントについて解説します。
目的や課題の明確化
顧客管理ツール導入の検討時には、目的や課題を明確化することが必要です。必要のないツールや機能が多すぎるプランを契約すると、無駄なコストがかかるからです。
また、顧客管理の目的は何か、自社の課題は何かを様々な部署からヒアリングし、問題を洗い出しておきましょう。例えば、「営業が外出先でデータを入力したい」場合は、スマートフォンで使えるSFAを選びましょう。また、「見込み客を逃さないように、マーケティング管理をしたい」であれば、MAと連携できるCRMを選ぶ必要があります。
従業員のツールに対するスキルや理解
従業員のツールに対するスキルや理解を把握することも重要です。顧客管理ツールを導入した際、実際に入力・管理するのは従業員です。使いやすく、継続的に顧客管理ができるツールを選びましょう。目的や課題を明確化して、従業員に伝えることも必要です。また、限られた部署で試しに導入してみるのも方法の1つです。顧客管理ツールには、無料トライアル期間もあるので、使いやすさやサポートを見極めることができます。
導入・運用コスト
顧客管理ツールは、売上向上や業務の効率化ができるツールです。しかし多くの場合、導入と運用にはコストがかかります。得られる売上と、支払うコストのバランスを精査しましょう。顧客管理ツールを導入する際、従業員への教育や、専門知識を持つスタッフの確保が必要な場合もあります。顧客管理ツール本体のコストだけでなく、全て含めた費用がどの程度必要なのかシミュレーションすることも必要です。
まとめ
今回は、営業力に差をつける顧客管理ツールの基礎知識と種類、顧客管理ツールを選ぶ際のポイントについて紹介しました。既存の顧客情報を管理し有効活用することで、売上の向上が見込めます。また顧客管理ツールで顧客のニーズを把握することで、新規顧客の獲得も目指せます。顧客管理ツールを選ぶ際は目的や課題を明確にし、従業員が使いやすくコストのバランスが取れたツールを選ぶことが必要です。今回の記事を参考にして、ぜひ自社に合った顧客管理ツールを選んでください。
この記事の執筆・監修者
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。