現在、ハイパーオートメーションといった言葉が注目されています。
ハイパーオートメーションは、主にビジネスの分野で業務自動化のために使われる技術です。
また、RPAの次に来るものとして多くの期待がなされています。
この記事では、ハイパーオートメーションを導入して成功した事例をもとに、企業に求められる条件をいくつか紹介していきます。
ハイパーオートメーションとは
ハイパーオートメーションは、アメリカIT調査会社のガーナード社が「2020年の戦略的テクノロジーTOP10」の中で1位に選んでいます。
1位に輝いたことによって、瞬く間に知られていった技術です。
本題に入りますが、ハイパーオートメーションとは、機械学習やAI、RPA、ソフトウェアなどを組み合わせることによって、業務行為の自動化を目指すことをいいます。
従来の技術でもあるRPAでは、一部の業務の自動化のみしか、実現できませんでした。
しかし、ハイパーオートメーションが導入されたことによって、業務全体の自動化ができるようになったのです。
つまり、RPAよりも大幅な作業時間の削減が可能となっています。
企業でのハイパーオートメーション導入事例
次に、企業でハイパーオートメーションを導入した事例についてみていきます。
具体的に以下の企業では導入に成功しています。
・住友ゴム工業株式会社
・第一生命保険株式会社
・JTB株式会社
・株式会社日立ソリューションズ
・アステラス製薬株式会社
住友ゴム工業株式会社
住友ゴム工業株式会社では大幅な業務時間の削減と業務の生産性の向上に成功しました。
出社前提の定型業務の自動化をすることによって、在宅業務を実現したのです。
具体的には、20時間かかっていた作業が30分になり、年間で約35,000時間の削減に繋がりました。
今後も、業務改革に向け、紙の帳票類のデータを自動化する取り組みに励んでいます。
JTB株式会社
JTB株式会社では、連続する単純作業からの開放と登録ミスのリスク解決に成功しました。
具体的には、100台のロボットを5部門のうち3部門稼働させることによって、約40,000時間の削減に繋げました。
今後は、クラウドを使いロボットを管理を実現する予定です。
第一生命保険株式会社
第一生命保険株式会社では、業務の自動化による生産性の向上で、大幅な業務時間削減に成功しました。
39部署・460業務を自動化させることによって、約132,000時間の削減に繋げました。
株式会社日立ソリューションズ
株式会社日立ソリューションズでは業務の自動化により大幅な業務時間と工数の削減に成功しました。
つまり、自動化を導入して以降、ミスや不正への絶大な防止効果を発揮しました。
結果的に、業績管理の集計業務で、95%の工数削減に成功したようです。
アステラス製薬株式会社
アステラス製薬株式会社では、外注作業を内製化することによって、コスト削減効果を実現しました。
人がやらなくてよいことをロボットに任して、創造的業務に時間をかけられる環境の整備をしています。
その成果もあって、8つの業務プロセスを自動化しました。
ハイパーオートメーションを導入する市場の分類
次に、ハイパーオートメーションを導入する市場の分類についてみていきます。
具体的に、大きく以下の4つの分類に分けています。
・業界による分類
・コンポーネントによる分類
・テクノロジーによる分類
・地域による分類
業界による分類
・製造業
・小売業
・金融サービス業(銀行)
・保険業
・医療業界など
コンポーネントによる分類
・ハードウェア
・ソフトウェア
・ソリューション
テクノロジーによる分類
・人工知能(AI)
・機械学習(ML)
・バイオメトリクス
・チャットボット
・ロボットプロセスオートメーション(RPA)
・自然言語処理(NLG)
・その他
地域による分類
・北アメリカ(米国、カナダ、メキシコなど)
・欧州(ドイツ、イタリア、イギリス、フランス、スペイン、ロシアなど)
・アジア太平洋(日本、中国、インド、韓国、オーストラリアなど)
・中近東、アフリカ(南アフリカ、イスラエル、サウジアラビアなど)
・ラテンアメリカ(アルゼンチン、ブラジルなど)
ハイパーオートメーション導入に成功している企業の条件
ハイパーオートメーション導入に成功している企業の条件は以下の4つです。
・トップの強大な推進力
・導入メリットの理解
・部門、部署の垣根のない協力体制
・実績をもつAI開発会社との連携
トップの強大な推進力
トップの強大な推進力がないと、いつまで経っても自動化を実現することができません。
成功した事例を見ると、トップが中心となってハイパーオートメーションを推進しています。
そのためにも、導入すると全体でいくら削減できるのかと、事前に計画を立てることが大切です。
導入メリットの理解
あらかじめ、導入することによるメリットを理解することも大切です。
メリットとしては、業務効率の向上や自動化による時間の確保が挙げられます。
企業によっては、95%の工数削減や約132,000時間の削減に成功した事例もあります。
また、従来のRPAやAIよりも、自動化ができる範囲が広いので柔軟に設定できるなどのメリットも大きいです。
しっかりとメリットを抑えておけば、失敗のリスクを避けることが可能です。
部門・部署の垣根のない協力体制
部門・部署の垣根のない協力体制を整えることも大切です。
ハイパーオートメーションを導入するには、部門・部署ごとに、費用はいくらかかるかなどを考えることが必要があります。
なぜなら、配分を考えないで導入してしまうと失敗してしまう可能性があるからです。
そのためにも、一部の部門・部署だけで進めるのではなく、企業全体で協力し検討することが重要になります。
実績をもつAI開発会社との連携
実績をもつAI開発会社との連携も大切になります。
いざ導入しようと思っても、費用だけかかって失敗する可能性もあります。
そのためにも、ノウハウを持つ企業にサポートを依頼することがおすすめです。
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まとめ
以上、ハイパーオートメーションの導入事例を紹介させていただきました。
導入を成功させるには、あらかじめ「トップが推進力を持つ」ことや「導入メリットを理解」することが大切です。
また、「垣根のない協力体制を整える」ことや「実績を持つ企業に依頼する」ことも大切になります。
企業によっては様々な課題があると思いますが、この4つのポイントをしっかりと抑えていきましょう!
この記事の執筆・監修者
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。