新規事業とは、企業が新たにスタートさせる事業のことです。既存事業では手がけていなかった分野への参入を試みたりなど、新規事業は企業にとってチャレンジする側面があります。
新たな事業を立ち上げることで企業を継続的に成長させることが狙いですが、これまでにない事業なので簡単には進みません。アイディア出し・企画・仮説の立案と検証・開発・ビジネスモデルの仕組化など、既存事業よりも工程数が多いです。
また、失敗して撤退するリスクもあるので、新規事業には慎重に向き合う必要があります。
新規事業の進め方
新規事業は工程数が多いので、正しい手順で進めないと同業他社から遅れを取ることになりかねません。また、まず何から着手すべきなのかわからず、なかなかスタートできないケースもあります。そこで、新規事業の進め方やポイント、実際に活用しやすい枠組みについて紹介します。
企画編
新規事業の進め方は、一般的な企画とWebサービス開発で大きく異なります。まずは企画編と題し、ターゲット顧客の確定や市場状況の確認などを説明します。
ターゲット顧客の確定
まずBtoBかBtoCか、ターゲット顧客を確定させることが重要です。商品・サービスの提供先が法人か個人かで、新規事業のプランニングに大きな違いが出ます。
実際にサービスを使うのはどこの誰でどんな人なのか、ターゲット顧客をはっきりさせなければなりません。ターゲット顧客のペルソナを設定し、チーム内の共通認識にしましょう。
顧客・自社の課題を発見・仮説立案
ターゲット顧客が確定したら、その顧客が抱える課題や欲求を明らかにします。明らかにしたらどうして満足できないのか、代わりにどんな商品やサービスが利用されているのかを入念に調べます。
検討した顧客のインサイトをベースに、自社が抱える課題の発見を経て仮説を立案しましょう。
サービスについてのアイディア整理
仮説を立案した後は、商品やサービスのビジネスモデルについて検討しなければいけません。どのようなロジックで顧客の課題を解決できるのか、あるいは満足してもらえるのかの答えを出しましょう。
顧客のインサイトをロジカルかつ客観的にとらえることがポイントです。
MVPの必要機能を確認
MVPとは、顧客に対して価値を与えられる必要最低限の機能だけを有した商品やサービスのことです。立案した仮説をベースにMVPを作りますので、まずは必要な機能を確認しましょう。
MVPを作れば、市場に出して顧客の反応を伺えます。その反応を元に無駄なコストはカットし、フィードバックを有効的に取り入れながら商品やサービスを改善します。それがMVPを作る目的です。
ビジネスモデル・キャッシュフローを確認
ビジネスモデルとキャッシュフローについて、客観的に向き合う必要があります。いくら顧客にとって価値のある商品やサービスでも、収支のバランスが取れていなければ新規事業は継続できません。
いったいどの部分でマネタイズを実現するのか、どこを評価されてお金を支払ってもらうのかを明確にしましょう。
市場状況を確認
中長期的な視点でビジネスをとらえる場合、新規事業で参入しようとしている市場の状況をよく確認することが大切です。業界・場所・規模・将来性などの観点を元に、市場状況の確認と分析をおこないましょう。
市場状況をしっかりと確認すれば、市場に上手くアジャストしたビジネスの進め方ができます。
Webサービス開発編
今の時代の新規事業は、Webサービスの占める割合が小さくありません。Webサービスは現代の日常生活に欠かせないサービスなので、十分なビジネスチャンスがあります。そこで、Webサービスを新しく開発する場合の進め方について簡単に紹介します。
要件定義
Webサービスを開発における要件定義とは、コンセプト・機能・デザインなどをはっきりと定義することです。
企業で複数人がWebサービスを開発する場合、要件定義は非常に重要です。もし要件定義をしなかったら、それぞれの開発者が別々の方向性を目指してしまいかねません。開発者同士で考え方を統一するために、まずは要件定義をおこないます。
基本設計
Webサービスの土台となるのが基本設計です。画面遷移の様子を知るためのサイトマップ作成、ディスプレイデザインの決定、さらには試作となるモックアップの作成も基本設計に含まれます。
まだ不完全ではあるものの、基本設計でWebサービスの大枠ができます。UIのチェック、目的までストレスなくアクセスできるか、印象の良いデザインかどうかなどをそれぞれ確認します。
コーディング
試作がおおむねOKだったら、コーディングの工程に進みます。実際にプログラムを組み立てる作業ですが、要件定義で定めた通りに実行するのが基本です。
ただ、プログラムが必ずしも想定通りに作動するとは限りません。バグやエラーはつきものですので、修正が難しい場合は要件定義を見直します。変更がある度にチーム内で共有しないといけないので、あらかじめ瞬時に意思疎通が可能なコミュニケーションツールを導入しておきましょう。
テスト検証
テストはWebサービスの開発において繰り返し実施されるのが一般的です。設計していく中でそれぞれの機能に問題がないか、その都度テストによって検証します。
テストの効率を上げるため、事前にテストの仕様書を作成しておくとスムーズです。テストの種類・環境・手順などを仕様書に盛り込みましょう。また、セキュリティやサーバーに対するテストも実施すると全体的な品質が向上します。
リリース・拡大編
企画や開発が完了したら、次は新規事業のリリースと拡大に目を向ける必要があります。マーケティングやビジネスモデルの仕組み化など、それぞれの進め方について考えていきましょう。
マーケティング
マーケティングは、まず商品やサービスを求めるユーザーの集客から始まります。集客したらニーズにマッチしたプロダクトをリリースし、顧客を逃さないためのフォローアップまでおこなって完結します。ローンチが最終地点ではないと肝に銘じておきましょう。
プロジェクトマネジメント
プロジェクトマネジメントは、ローンチまでを内部視点で管理します。まず企画の立案に始まり、その後にスケジュールなどの計画を立てます。準備が終わったら実行し、実行する過程でその都度管理と修正をおこないます。管理と修正を繰り返すことで無駄が省かれ、効率的なプロジェクトへと成長します。
ユーザー把握
最初は見込み客ですが、いくつかの段階を経て最終的に大ファンになってもらうのが新規事業の理想形です。見込み客や1度だけの購入で終わってしまったら、新規事業の成長は見込めません。各段階ごとにユーザーの状態を把握し、しっかりとフォローアップして大ファンになってもらいましょう。その段階まで多くのユーザーを導ければ、新規事業は大成功です。
ビジネスモデルの仕組化
新規事業で十分な利益を確保するためには、ビジネスモデルの仕組化が重要です。どのようなビジネスモデルなら利益が出るのかを、しっかり検討しないといけません。初回ローンチの購入率や未購入者へのアプローチなどを個別に検討し、ビジネスモデルの仕組化を目指します。
ユーザーからのリアクションが良好なローンチは、自動的にリピートして構いません。なぜなら商品やサービスを安定的に売ることが、ビジネスモデルを仕組化する目的だからです。ビジネスモデルの仕組化が新規事業の行く末を左右します。
まとめ
企画・開発・リリース・拡大と順を追って、新規事業の進め方についてそれぞれ紹介しました。新規事業は工程数が多いため簡単にはやり遂げられないですが、だからこそ正しい手順で進めないといけません。それはWebサービスの開発も同様です。
ターゲット顧客にスポットを当てニーズにマッチしたプロダクトをリリースし、大ファンとなってもらうように導くことが最終目標です。進め方をしっかりと理解して新規事業を成功へと導きましょう。
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【支援企業】
・トヨタ自動車株式会社
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・株式会社エイチ・アイ・エス
この記事の執筆・監修者
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。