新規事業は、企業が永続的に活動を続けるために必要不可欠です。今は市場の移り変わりが非常に早く、商品やサービスが目まぐるしく入れ替わる時代です。今ヒットしている商品やサービスが、1年後もヒットし続けているとは限りません。消費者から長年愛され続ける商品やサービスもありますが、その売上だけに依存するのはリスキーです。
企業の売上を支える事業は、いくつあっても構いません。一定のサイクルで新規事業を立ち上げて成功させることが、企業の永続的な発展につながります。
新規事業を考える上で真っ先にすること
新規事業を立ち上げる際、いったい何を真っ先すれば良いのでしょうか。真っ先にすべきなのは、然るべき相手への相談です。まずは新規事業の情報収集をしなければいけません。どんな新規事業を始めるのかを、自社だけで完結せずに外側にも目を向けるのがおすすめです。
たとえば敏腕と評判の経営者・他社で新規事業に携わっている担当者・プロのコンサルタントなどです。それぞれの相談相手について詳しく説明していきましょう。
経営者に相談
自ら起業して企業の舵を取る経営者は、新規事業のことを相談するのに適した相手です。経営者は常にビジネスのきっかけを探していて、全方向にアンテナを張っていることが珍しくありません。普通の人と比べて視野が広いため、新規事業に対する的確なアドバイスに期待できます。
また、経営者ならではの資源の確保や、顔の広さも魅力的です。餅は餅屋なので、新規事業のことは敏腕と評判の経営者に聞きましょう。
他の新規事業担当者に相談
自分にはない発想のきっかけを得るのにぴったりの相談相手が、他のフィールドで活躍している新規事業担当者です。自分と同じ方向を向いて仕事をしている人との率直な意見交換は、新規事業を考える際のヒントになります。
同業他社だと情報交換の質と量に限りがありますが、他のフィールドなら制限のない情報交換が可能です。今ホットな事業は何なのか、情報収集で有効的なのは間違いありません。
新規事業にポジティブな気持ちでチャレンジしている人との交流はモチベーションが向上しますし、新規事業担当者に相談するのはおすすめです。
プロのコンサルタントに相談
自分だけの力では手詰まりなって新規事業が前に進まない場合は、外側に助けを求めるのも1つの考え方です。客観性を取り入れる意味でも、プロのコンサルタントに相談しましょう。特に新規事業のサポートに特化しているコンサルティング会社は、非常に頼もしい存在です。
専門でコンサルティングをしているため、創業年数が長いほど多方面に通用するノウハウをたくさん蓄積しています。
ただ、コンサルティング会社にはそれぞれ業種やフェーズごとに得意分野があるので、それを事前に調べたうえで相談しましょう。たとえばコンサルティング会社が主催するセミナーへの参加などで、自社にマッチするかどうかを正しく判断できます。
新規事業を行う際の流れ
新規事業を行う際は、然るべき流れがあります。流れに沿わないと時間と手間ばかりかかってしまうので、ロスなく効率的に最後まで進める必要があります。新規事業の立ち上げが長期化してコストがかさむのは、マイナス以外の何でもありません。では、どのように新規事業を行うのが一般的な流れなのか、3つのステップに分けてそれぞれ解説します。
アイディア草案
アイディアなくして新規事業は始まらないので、まずは商品・サービスのアイディアから考えましょう。アイディアを数多く出すことが、新規事業の一歩目です。
アイディアを出すとはいえ、必ずしもゼロからイチを生み出す必要はありません。それがすんなりできれば理想的ですが、すでにある既存の発想を結合させることでも新しいアイディアは生まれます。ゼロからイチにこだわってアイディアが何も出ないなら、そのこだわりを捨てて既存の発想を結合させましょう。
そのためには他の成功事例など、なるべくたくさんの情報に触れることが成功のカギです。
ビジネスモデルの設計
新規事業でアイディアを出すのと同じぐらい重要なのが、ビジネスモデルの設計です。いくらアイディアが素晴らしくても設計が不十分では、新規事業が軌道に乗りません。
まず、消費者の需要を徹底リサーチしたり競合との差別化をはっきりさせて、ビジネスモデルの仮説を立てます。仮説はあくまで仮説なので実際にビジネスになるかどうか、実現性や収益性をそれぞれ検証する必要があります。検証を重ねて大丈夫だと判断できた場合のみ、次のフェーズへと移行しましょう。
ビジネスモデルの設計が完成すれば、新規事業が現実味を帯びてきます。
ヒト・モノ・カネの設計
ビジネスモデルの設計が完成した段階ではまだ机上の空論なので、最終的にはヒト・モノ・カネを具体的に設計する必要があります。ヒト・モノ・カネとは何かを簡単に説明します。
ヒト:人材・販路確保
新規事業はヒトが携わり完成へと導くので、人材の確保が最重要だと言っても過言ではありません。新規事業に特化した能力を持つ人材が最適ですし、熱意も同じぐらい大切です。熱意がないとさまざまな障害を乗り越えられません。
また、実際に商品やサービスを売るためには、販路の確保も必要不可欠です。
モノ:商品・サービス開発
自社のテクノロジーや強みを活かしてどんな商品・サービスが開発できるのか、詳細まで詰めて設計する必要があります。自社で足りない部分は、惜しみなく外部の力も有効活用しましょう。新規事業の根幹となる部分です。
カネ:資金の確保
順調に新規事業のプランが立てられたとしても、実現するだけの資金を確保できなければ単なる夢物語に過ぎません。資金の確保は、プランを立てるのと同時進行させるのがセオリーです。
近年はクラウドファンディングなど、昔と比べて資金調達の方法が増えました。魅力的な新規事業なら、全国各地から資金提供者を募れます。
新規事業が失敗するパターン
立ち上げた新規事業が、必ずしもすべて成功するとは限りません。むしろ失敗する可能性を十分考慮しておくべきでしょう。ではなぜ新規事業が失敗するのか、よくあるパターンを3つ取り上げて紹介します。
スピードが遅い
完璧さを求めるあまりリリースまでのスピードがやたら遅くなるのは、新規事業が失敗する典型的なパターンです。品質を保証することは大切ですが、その間に競合他社に先を越されてしまい遅きに失するケースがあります。
ようやくリリースした頃には二番手三番手の扱いになってしまうので、爆発的なヒットは見込めません。投入した資金を回収できず、赤字のまま終了する可能性があります。スピードが遅くなり過ぎないように注意しましょう。
ビジネスモデルが甘い
仮説のビジネスモデルを過信して検証が不十分のままリリースしてしまうのも、新規事業が失敗するパターンの1つです。実はニーズがそれほどなかったりマネタイズが確立されていなければ、いつまで経っても新規事業は軌道に乗らないでしょう。
「大丈夫だろう」「何とかなる」など、新規事業に対して楽観的な予測をするのは禁物です。ビジネスモデルが甘いと手痛いしっぺ返しを受けるので、スピードは意識しつつも十分な検証が必要不可欠です。
事業の進め方のノウハウ不足
たとえスピードやビジネスモデルに問題がなくても、事業の進め方のノウハウが不足していると失敗する可能性が高くなります。新規事業ゆえに事業の進め方は手探りになりやすいですが、それが原因で失敗するのは非常にもったいないです。
事業の進め方に不安がある場合は、他の成功企業の進め方を参考にして構いません。ノウハウが不足しているとわかっているなら、補えば良いのです。事業の進め方がちぐはぐだと新規事業は失敗するので、慎重になる必要があります。
まとめ
多くの企業が注目する新規事業について全般的に解説しました。企業が永続的に活動するためには、新規事業が絶対的に必要です。そこで、新規事業を考える上での相談先や新規事業を行う際の流れについて紹介しました。立ち上げの際は、経営者・新規事業・コンサルタントへの相談がおすすめです。
また、失敗するパターンについても解説しましたので、スピード・ビジネスモデル・事業の進め方に十分注意し、新規事業の失敗を回避しましょう。
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【支援企業】
・トヨタ自動車株式会社
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・株式会社エイチ・アイ・エス
この記事の執筆・監修者
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。