クラウドサービスの普及に伴い、年々増加しているのがマッチングサイトです。例えばメルカリやUberEatsが有名ですが、これらのサービスの利用経験がある方も少なくないでしょう。
一方、自分でマッチングサイトを構築したいと考えている方もいると思います。
新たな需要を掘り起こしたり、ビジネスチャンスが広がったりする可能性もあるため、興味がある方は挑戦してみるのも良いでしょう。
そこで、マッチングサイトの開発方法や必要な機能、確認すべき点などについて紹介します。
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マッチングサイトとは?どのような機能・種類があるの?
マッチングサイトとは?
マッチングサイトは、個人と個人、企業と企業など、利用者同士をマッチングさせるサイトのことを言います。あるニーズを持つユーザーに対して、供給側はモノやサービス、人を提案して結びつけることを目的としています。
例えば売りたい・買いたい人同士を結びつけるフリマサイトや、求職者と企業を結ぶ求人・転職サイトなどが該当します。出会い系サイトもそのひとつであり、マッチングサイト自体は比較的古くからあるサイトの種類と言えます。
基本的にニーズがあれば成り立つため、提供する人やモノ、サービスなどの種類を問いません。大きな可能性を秘めており、アイデア次第では新しいビジネスを開拓できるでしょう。
マッチングサイトの機能は
マッチングサイトには、様々な機能が求められます。必須機能とおすすめ機能を紹介しますが、サービスに合わせた取捨選択も必要になります。
必須機能
マッチングサイトに盛り込むべき必須機能は以下になります。
既存のシステムを使わず、オリジナルのシステムで構築する場合、可能な限り組み込んでいきましょう。
・ユーザー登録機能
・退会機能
・マイページ機能
・ログインとログアウト機能
・管理(運営)画面機能
・ユーザー管理機能
・管理者や運営者の権限設定機能
・モノやサービスなどの検索機能
・モノやサービスなどの申込機能
・メッセージ機能
・メール機能や通知機能
・問い合わせ機能(フォームなど)
・利用規約やプライバシーポリシー
マッチングサイトの構築には、ユーザー登録やマイページ機能はもちろん、相手とやり取りをするための機能も不可欠です。
管理機能など、バックエンドの機能も実装する必要があります。
おすすめ機能
必須ではないもののあると便利だったり、サービス向上につながったりするため、導入を検討するべきおすすめ機能は以下になります。
・ポイントサービス
・決済機能
・ランキング機能
・レコメンド機能(おすすめ商品の紹介など)
・ソーシャルログインなどSNS連携
・レビュー・口コミ機能
・写真やメッセージ管理機能
ポイントサービスや決済機能は、金銭の授受を伴うサイトに適しています。ランキングやレコメンドはユーザーの回遊性を高め、利便性のアップに繋がります。
その他、SNS連携やレビュー・口コミ機能は、マッチングサイトのサービス向上に寄与します。
マッチングサイトの種類
マッチングサイトは多種多様ですが、大きく下記の4種類に分けられます。誰と誰を結びつけるかが変わるため、マッチングサイトの種類は構想段階で明確にしておきましょう。
CtoC(個人間取引)
主に個人同士で取引を行うタイプのマッチングサイトがCtoCです。代表的なのがフリマアプリやネットオークションになり、個人間のニーズを満たすサービスが含まれます。
個人が仕事の受発注を行うクラウドソーシングも、CtoCに近いサービスを提供しています。
BtoB(企業間取引)
企業同士の取引を主体としたマッチングサイトがBtoBです。BtoBは古くからある概念ですが、企業をターゲットにするため、一般消費者とは異なるマーケティングやアプローチが求められます。
一方で収益化しやすく、マッチングサイトの内容次第では安定した収益が期待できます。
BtoC(企業対個人取引)
企業と個人の取引を行うタイプのマッチングサイトがBtoCです。BtoCの主な例はECサイトになり、企業の製品を消費者が購入するスタイルがBtoCに該当します。
この他にも、比較サイトや求人サイト、旅行予約サイトなど多種多様なマッチングサイトがあります。
CtoB(個人対企業取引)
CtoBというタイプのマッチングサイトもあります。こちらは個人が主体になっており、企業のニーズを個人が満たすのが特徴です。
例えば、個人のカメラマンが集う有料の写真素材サイトが挙げられます。スキルマーケットもCtoBに近く、場合によってはクラウドソーシングも該当します。
代表的なマッチングサイトの開発方法をご紹介!
マッチングサイトの開発方法
マッチングサイトを開発する方法は、大きく分けて3つあります。それぞれ強みや費用が異なるため、予算やサイトの規模に応じて選びましょう。
スクラッチ
既存のシステム・パッケージを使用せず、一からマッチングサイトを開発するのがスクラッチです。完全にオリジナルのシステムを作り上げるため、自社に合わせて構築できます。
パッケージ
既存のシステムを使い、マッチングサイトを開発する手法がパッケージです。すでにシステムが完成しているため、開発期間を短くできるメリットがあります。
パッケージ+スクラッチ
上記2つの良いところを組み合わせた手法が、パッケージ+スクラッチです。既存のパッケージを使用し、独自機能が必要な時はスクラッチで対応してマッチングサイトを構築します。
パッケージ+スクラッチの利点は、パッケージ単体に比べてオリジナリティを出せる点にあります。費用もパッケージの場合とほぼ同じで、100~400万円くらいで開発可能です。
しかし、スクラッチほどの自由度やオリジナリティがなく、中途半端な作りになってしまう可能性もあります。独自機能の分だけ開発費用もかさむため、事前にしっかり見積もりを取りましょう。
マッチングサイト開発の流れ
新しいビジネスを開拓できる可能性を秘めたマッチングサイトですが、どのように開発すべきか、分からない方も多いと思います。そこで、マッチングサイトを開発する大まかな流れを解説しますので参考にしてください。
・提供するサービスやターゲット、予算などを決める
・開発方法を決める
・必要な機能や仕様を設計
・デザインやシステムの実装・開発
・テストやデバッグを実施
・最終チェックとデータの移行
・サービス開始
初めにマッチングサイトの内容や予算を決め、次に開発方法を決定する必要があります。その後は機能や使用を設計し、デザイン・システムの開発と実装、そしてテストとデバッグを繰り返します。
問題がなければ最終チェックを行い、データを移行して完了です。
マッチングサービスを立ち上げる際のポイント
当然ですが、マッチングサイトを開発することが目的ではないと思います。開発後にそのサービスを多くの人に利用してもらい、売上をあげることが重要になります。
売上を分解すると下記となります。「平均購入単価」はほとんどの場合商材に依存してしまうので、「ユーザー数」から「購入頻度」を上げる形になります。
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売上 = ユーザー数 × 平均購入単価(課金単価) × 購入頻度
上記を考えると、マッチングサイト構築の際にWebマーケティングの観点から、下記の3点が重要になります。
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集客に優れたマッチングサイトを構築できるか
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いかにユーザーの離脱を防ぐか(=使いやすいか)
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法律と規制を遵守できるか
マッチングサイト開発時に確認すべきこと
マッチングサイト開発の流れはシンプルですが、開発にあたっては注意点や確認すべき点も多数あります。少なくとも以下のポイントは押さえておきましょう。
・入念にマーケティングして需要や競合を調査する
・要件や仕様、必要機能を洗い出して明確にする
・納期やスケジュールに余裕をもたせる
・スマホアプリの有無など、サービスの提供範囲を確定させる
・サービス開始後の維持や保守点検も視野に入れて開発する
・マッチングサイトの集客や広告宣伝も考慮する
どの開発方法が最適?メリット・デメリットを解説!
3種類の開発方法についてご紹介しましたが、新規事業の開発で気にするべき点は少なくありません。基本のスクラッチ開発とパッケージ開発のメリット・デメリットをしっかり見極めて新規事業のマッチングサービスの開発・依頼を行いましょう。
スクラッチ開発のメリット・デメリット
メリット
・カスタマイズ性が高い
希望に合わせて自由に設計できることがスクラッチ開発の1番のメリットになります。ユーザーの特性や自社の業務に寄り添った開発になるため繊細な機能を付与する要求が可能になります。柔軟な運用も可能で後から追加機能を追加することも難しくありません。
・ライセンス料の負担がない
パッケージソフトとことなり1からの開発になるためライセンス料を開発元に支払う必要がありません。その分お得とも言えます。
自由度の高さ、カスタマイズ性の良さがスクラッチ開発を選択するメリットでしょう。
デメリット
・初期費用が高値
自由度が高い分、開発に必要な費用が高く最低でも300万円前後の資金が求められます。マッチングサイトやシステムの規模次第では、1,000万円を超える可能性もあります。
・開発に時間がかかる
繊細な要求や柔軟な運用の代わりに0から構築するため、完成までに相応の時間を要します。長いものでは数年かかることを見越しておかなければなりません。
よって導入へのスピード感や低コストを求める場合には不向きの開発方法です。
パッケージ開発のメリット・デメリット
メリット
・開発スパンが短い
パッケージ開発では既存で使用されているソースコードを流用して開発するため、0から作成するスクラッチ開発と比べリリースまでの時間を大幅に短縮することが可能です。
・初期費用が安い
既存で作成したソースコードを基にして開発するので初期費用を抑えることが可能です。安ければ300万円以下、高くとも500万円ほどでマッチングサイトの構築ができます。
とにかくスピード感を求める開発が必要な際にとても有効な選択肢だと言えます。
デメリット
・オリジナリティを出しにくい
既存のソースコードの流用であるため、オリジナリティを出しづらいです。おおよその場合幅広い顧客のニーズに合わせたベースの形をとっているためこまやかなニーズに対応することができません。他社でも同様のパッケージを使用しているため、ページ構成が似通ったものになります。細部まで独自性を出すことは難しいでしょう。
・機能に合わせる必要がある。
やはり、パッケージと名がついているだけあり自由度の低さから、システムに自社が合わせる必要がでてきます。機能がある程度固定になっているものも少なくないため、自社が業務フローをシステムに合わせて改善する必要があります。
自社に完全にフィットするような形をとるためには追加費用をかけてカスタマイズする必要があり、カスタマイズをしないのであれば新しい業務フローにこちらが慣れるまでの従業員の負担などのデメリットがあります。
代表的な成功したマッチングサイト3選!
マッチングサイトは数え切れないほどありますが、代表的なサイト・サービスを3つ紹介します。利用したことがあるかもしれませんが、参考にすべき点もあります。
メルカリ
CtoCの代表とも言えるマッチングサイトがメルカリです。メルカリはフリマサービスのひとつですが、日本最大級のユーザー数・取扱高を誇ります。
スマホアプリを中心にサービスを展開しており、10〜30代のユーザーのニーズをしっかり掴んでいます。
doda
dodaは、人材を採用したい企業と求職者をつなぐマッチングサイトです。中途採用向けの求人をメインに、非公開求人を含めて約27万9,000件の求人情報を掲載しています。
求人の質・サービス・提案力などバランスに優れており、求人を探せる転職サイト、サポートをしてもらえる転職エージェント、求人を紹介してもらえるスカウトの3つのサービスを同時に利用することができます。
比較ビズ
BtoBのマッチングサイトを作るなら、比較ビズが参考になります。比較ビズはBtoBの大手マッチングサイトで、長い歴史を持つ老舗のサービスです。
多カテゴリ・業務の一括見積もりに対応しており、検索機能も充実しています。様々な業務を発注できることから、網羅性の高さにも注目すべき点でしょう。
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まとめ
マッチングサイトは競合も多く、サイトの閉鎖やサービス終了の憂き目にあうケースも少なくありません。しかし、ユーザーの隠れたニーズを掘り起こせば、大きなビジネスチャンスに繋がるでしょう。
開発におけるメリット・デメリットをよく確認し、コストやスピードなど多角的な視点で求めているマッチングサービスに最も近づく開発方法を採択しましょう。
多彩なアイデアを基に、唯一無二のマッチングサイトを構築してみるのはいかがでしょうか。
【支援企業】
・トヨタ自動車株式会社
「トヨタ自動車」の新規事業立ち上げにアイディオットのMATCHMENを活用
・阪急阪神ホールディングス
・株式会社エイチ・アイ・エス
この記事の執筆・監修者
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。