IT基盤とは?IT基盤構築の種類や手順・注意点、外部委託する場合のメリットまで紹介

IT基盤とは?IT基盤構築の種類や手順・注意点、外部委託する場合のメリットまで紹介

IT基盤とは?IT基盤構築の種類や手順・注意点、外部委託する場合のメリットまで紹介

近年、企業のデジタル化が加速し、安定したIT基盤の構築が不可欠になっています。しかし、IT基盤とは何か、どのような種類があるのか、また、構築する際のポイントについて詳しく理解している方は意外と少ないかもしれません。本記事では、IT基盤の基本から構築手順、外部委託のメリットまで、初心者でも分かりやすく解説します。

IT基盤とは?その役割と重要性

そもそも基盤という言葉の意味ですが、これは「物事を成り立たせるうえで必要となる土台」という意味です。
「生活基盤」なら電気やガス、水道といったライフラインから家具や家電など生活に必要なもの、または住宅地自体も基盤となります。

IT基盤は、企業がITシステムを円滑に運用するための土台となるものです。具体的には、ネットワーク・サーバー・データベース・ストレージ・セキュリティシステムなどが含まれます。
IT基盤の主な役割は以下の通りです。

システムの安定運用:業務に支障が出ないように、安定したIT環境を提供

データの管理・保護:重要な企業データを適切に保存し、セキュリティを確保

業務効率化:ITツールやソフトウェアを活用し、業務の自動化や迅速化を実現

IT基盤の主な種類

①オンプレミス型

オンプレミス型は社内でサーバーやネットワーク機器を構築し、運用する形態のことです。カスタマイズ性が高く、社内で情報管理を行うため、情報漏えいを防ぎやすいというメリットがあります。

一方で、初期費用が高額で、社内ネットワークにつながっていない端末を管理できない、遠隔で利用しにくいといったデメリットを抱えています。

②クラウド型

クラウド型は、AWS・Azure・Google Cloudなどのクラウドサービスを利用してIT基盤を構築する形態です。既存の設備を利用するため、すぐにシステムを導入できます。

また、必要に応じてサーバーの使用範囲を決められるので、拡張性が高いこともメリットです。オンプレミスでは自社の設備以上の機能は利用できません。そのため、拡張しようとすれば新規に設備を導入する必要があります。

クラウド型のデメリットとして、ベンダーが提供するサービスしか使えないためにセキュリティの管理がサービス提供者に依存するという点があります。

特に、機密情報を扱っている場合はセキュリティに注意を払わなくてはいけません。

③ハイブリッド型

①オンプレミスと②クラウドを組み合わせた形態です。柔軟な運用が可能、機密データをオンプレミスで管理できる点がメリットですが、運用の難易度が高く、管理コストがかかる点がデメリットとされています。

IT基盤構築の手順

IT基盤構築の手順について理解することが企業内などで、高いレベルでのIT基盤を構築するためには不可欠です。

構築手順は自社内でIT基盤構築をする場合には特に把握しておくことが求められますが、IT基盤構築を外注する場合でも手順について把握しておけばスムーズに構築することができます。

IT基盤構築の手順について紹介していきます。

①目的と要件の整理

企業の業務課題や目標に基づいて、「データの一元管理をしたい」「セキュリティを強化したい」など、IT基盤の目的や必要な機能を明確化する必要がります。

②設計(インフラアーキテクチャの選定)

オンプレミス・クラウド・ハイブリッドのどの形態が適しているかを選定し、ネットワーク、サーバー、ストレージ、セキュリティの設計を行います。

③構築・導入

サーバーやネットワーク機器のセットアップ、クラウド環境の構築をし、OS・ミドルウェア・アプリケーションのインストールします。

④テスト

テストは設計・構築したIT基盤が設計通りに稼働するかについてテストして、どこかで問題が発生した場合には適宜原因を検討して解消することが必要です。テストの際には各フェーズに分割しながらテストすることで、どこで問題が発生しているかについての判断が簡単になります。

⑤運用

テストが完了すれば運用段階になりますが、運用後に想定していなかったトラブルが発生することが珍しくありません。そのため、運用後には不具合が発生していないかについて監視しながら稼働させることが重要です。

常時安定した稼動が保たれるように、監視体制を緩めないことが重要です。主な監視対象としては、サーバーやネットワークがあります。障害への対応も場合によっては必要になるかもしれません。そのため運用開始後も高いスキルが必要です。

IT基盤を構築する際の注意点

IT基盤を構築する際の注意点について先に理解しておけば、IT基盤構築後に発生する問題を抑えることに繋がります。

構築時にIT基盤事態に問題があると稼働後に修正を多くすることになるため、最初に注意点について把握することが大切です。IT基盤を構築する際の注意点について紹介していきます。

運用範囲の拡大

運用範囲の拡大はこれからの企業経営においては重要になることが予測されていて、テレワークやリモートワークでも使用できるようにIT基盤構築することがおすすめです。

他にもパソコンからだけのアクセスだけでなく、スマホやタブレットからアクセスできるようにしておけば、従業員なども営業先などからシステムにアクセスができます。

セキュリティ対策

セキュリティ対策をしっかりとおこなわなければ、情報漏洩などの原因になるためIT基盤構築の段階でセキュリティには特に注力してください。不正アクセスや情報漏洩を防ぐため、ファイアウォールや暗号化の導入が必須となり、クラウド利用の場合、ID管理やアクセス制御の設定を徹底します。

セキュリティ対策としては会社側から承認されたパソコン・タブレット・スマホなどからしかアクセスできないように制限することも視野に入れましょう。

IT基盤を運営する際の注意点

IT基盤を運営する際の注意点は正確に把握してトラブルや不具合が発生した場合にスムーズに対応することが求められます。IT基盤を運営する際の注意点について紹介していきます。

障害時の対応をマニュアル化

障害時の対応をマニュアル化することでトラブルや不具合が発生した際に担当者以外でもスムーズな対応ができるようになり、担当者が不在の場合でも問題を解決できるようになるでしょう。

障害時の対応に関しては一般的に考えられる不具合以外にも、起こる可能性があるものに関してはマニュアル化しておくことが大切です。障害時の対応をマニュアル化するにあたってハードウェアとソフトウェア両方の対応を記載しておくことが必要です。

サーバーの負荷分散

サーバーの負荷分散をすることでサーバーダウンなどの事態を未然に防ぐことに繋がり、サーバーダウンしてしまえば業務全体の効率が大幅に落ちてしまうことになるため、あらかじめ複数のサーバーを設置して受け入れることができる最大負荷を高めておくようにしましょう。

サーバーの負荷分散のためには複数のサーバーに加えて負荷分散装置を導入しておけば、自動的に負荷分散装置が判断して各サーバーに負荷を分散してくれます。

ネットワークの管理・監視

ネットワークの管理・監視を日頃からおこなっていなければ、少しずつネットワークやコンピューターの調子が落ちていっても気づくことが難しいです。最高のパフォーマンス時と現在のパフォーマンスを比較してどの程度の差があるかについて把握することで、発生している異変などにも気づくことができます。

IT基盤を外部委託するメリット

IT基盤の構築を専門のベンダーに外部委託することで、以下のようなメリットがあります。

高度な技術と知見を活用できる

最新のクラウド技術やセキュリティ対策を熟知した専門家が対応するため、自社にITエンジニアがいない場合でも、安心して導入可能です。

コスト削減

自社でIT部門を持つよりも、人件費や運用コストを抑えられるため、必要な分だけ外部のリソースを活用できます。

トラブル対応や運用保守が楽になる

システムの障害発生時に迅速に対応してもらえるため、ダウンタイムを最小限に抑えられます。また、最新技術へのアップデートも自動的に対応してもらえるでしょう。

IT基盤構築の今後の展望

近年のDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速に伴い、IT基盤の重要性はますます高まっています。特にクラウドシフトゼロトラストセキュリティの考え方が注目され、より柔軟かつ安全なIT環境が求められています。

今後のIT基盤は、AI・IoT・5Gといった技術の活用が進み、さらなる自動化・効率化が期待されています。企業が競争力を維持するためには、常に最新技術を取り入れ、最適なIT基盤を構築することが重要です。

 

まとめ

IT基盤構築のためには注意点について先に把握することで、スムーズにIT基盤構築をおこなうことが可能です。

IT基盤は企業経営においてはすべての業務の基本になることから、高いレベルのIT基盤を構築することが求められ、情報資産の管理や効率的な業務遂行には定期的な見直し、整備が欠かせません。

ハードウェアもソフトウェアにもこだわって構築するようにしましょう。IT基盤があまりにもチープな作りだと業務に支障が出る以外にも、サーバー攻撃などに対応することができず情報漏洩などの原因になります。

今回は、IT基盤を自社で構築する際の手順や注意点、外部委託する際のメリットなどについて解説しました。

IT基盤の整備が企業のDX成功の鍵を握っているため、最新の技術動向を常にキャッチアップしながら、最適なIT環境を構築していきましょう。

 

この記事の執筆・監修者
Aidiot編集部
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。

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