ERP(企業資源活動)とは?
ERP(企業資源活動)は企業のデータを一元管理することで、従来であればそれぞれの部署で管理していたデータの管理を簡単にして、業務効率化や従業員負担の軽減などに効果的です。
将来的には企業でも積極的に導入されるようになると予測されており、IT化を目指している企業などでは特に重要になるでしょう。
ERPでできること
ERPでできることはさまざまであり、採用するERPシステムによっても得意としている分野が異なることや搭載している機能が異なることから一概に言うのは難しいです。
しかし、どのERPシステムを採用しても基本的には5つの効果があり、それぞれの効果について理解しておくことは大切です。
ERPでできることについて紹介してくので、参考にしてください。
業務効率の向上
業務効率の向上とはこれまでは手作業でおこなっていた業務を自動化することで、作業工程を減らすだけでなく素早い判断を可能にします。
例えば在庫管理などでもERP採用前は人の手で出荷・入荷を確認して記録していましたが、自動化することで出荷・入荷をどの商品がどれくらい出たかなどを簡単に正確に把握することができるでしょう。
属人化を防ぐ
業務効率の向上のためにERPを採用すれば属人化を防ぐことに繋がりますが、自動化をすることによって属人化を防いで従業員負担の軽減などにも効果的です。
また、属人化が起こる原因でもあるヒューマンエラーなどを事前に防ぐ効果もあることから、業務全体のミスなどを軽減することにも好影響です。
リアルタイムで状況を把握
在庫管理などをリアルタイムで状況を把握できることから、現在どの商品がどれくらいの在庫を抱えているのか、どのタイミングでどれくらい出荷したかなどがわかりやすくなります。
また、リアルタイムで状況を把握できることから複数の倉庫などで在庫管理をしている場合でもERPによる一元管理を採用すれば判断に役立つでしょう。
コスト削減
在庫管理などを徹底すれば商品の出荷・入荷状況を把握できるため無駄な在庫を抱えることを無くすことができ、在庫管理だけでも相当のコストが必要になることから商品の必要量を見極めることは重要です。
それだけでなく属人化を防ぐことにも効果があるため、従来であれば人の手でおこなっていた工程をERPで代替することで人件費削減などにも繋がります。
内部統制
複数の倉庫で在庫管理をしている場合でもERPでデータを一元管理すれば、どの倉庫にどれくらいの在庫を抱えているかがわかるようになるでしょう。
それだけでなく出荷・入荷を自動化で管理することで不正を働きづらくなることもERPのメリットです。
卸売業が抱える課題
卸売業が抱える課題はさまざまですが、卸売業特有の課題などもありますがそれらを解決することが業務効率の向上及び業績向上にも繋がるでしょう。
卸売業が抱える課題について把握しないままERPを採用しても効果が薄くなってしまうことが考えられるため、課題については把握することが大切です。
卸売業が抱える課題について紹介してくので参考にしてください。
手作業中心の業務
手作業中心の業務が多いことからIT化が遅れている原因といわれており、現在では一般的にはIT化が進行しているにも関わらずに手作業で注文作業をおこなう卸売業者が多く、手書きのFAXなどで注文した後にデータ化することに手間を感じるからです。
受託販売・レンタルなどの販売形態が多いことも手作業でおこなう理由の1つとして挙げられます。
改善が難しい
卸売業は仕入れ元から週品を仕入れた後に小売業に卸すことを業務としていることから、業務の改善が難しくだけでなく情報共有も曖昧であることが多いです。
そのため販売予測を立てづらく在庫管理なども複雑になって目の前の業務に対応することで目いっぱいになってしまうことから改善が難しいと言われています。
卸売業のERPが必要な機能
卸売業のERPが必要な機能については販売形態が複雑なこともあるため、一定の形態に合わせて機能を選択することは困難です。
しかし、どの業務であっても共通するシステムや機能は存在しているので、共通するシステムや機能について紹介していくので参考にしてください。
受注・出荷に関する機能
受注・出荷に関する機能は卸売業においては重要であり、顧客から受注した瞬間に出荷指示を出して同時に在庫管理もおこなうシステムは必要です。
受注しても出荷を忘れてはトラブルの原因にもなるだけでなく、データとして記録しておくことも求められます。
在庫管理機能
在庫管理機能を搭載することで無駄な在庫を持つことなく企業活動をおこなうことが可能です。
同じ商品であっても入荷するロット数や入荷時期によって値段が変動することは一般的なので、在庫管理機能を活用すれば値段が安い時期に入荷する判断などができます。
卸売業にとって在庫管理は必須であることから機能は必要です。
貿易に関する機能
卸売業では海外との取引をすることも多いことから、輸出入に関しての諸費用なども入力できるシステムや港などの情報を管理することも求められます。
そのため卸売業では貿易に関する機能も搭載していることが必要です。
流通加工に関する機能
仕入れた商品などをそのまま出荷販売をするのではなく、特定の商品同士を組み合わせてセット販売するなど工夫をすることを流通加工と呼びます。
流通加工をしてく中で加工指示や加工完了を記録して次の流通加工に活かすことで業務効率の向上などにも期待できるでしょう。
卸売業におすすめのERP4選
卸売業で実際にERPを採用することを検討していても、どのERPを採用すれば良いかについての判断は難しいです。
卸売業におすすめのERP4選について紹介していくので参考にしてください。
GRANDIT
GRANDITでは商社や卸売業をなどいろいろな業界でのグローバル企業をサポートするために契約管理や船積管理などの定型業務を軽減することで業務効率化や従業員負担の軽減などを実現しました。
テンプレートも搭載していることからIT化に慣れていない企業でも簡単に対応できるようになることから、手作業による業務上のミスなども減らすことができます。
HUE
卸売業特有の複雑な流通形態に漏れなく対応できるように運用フローを開発したことによって、経理の属人化を排除してヒューマンエラーの軽減にも貢献します。
従来であれば経理社員の経験や実力によって管理されていたフローでもERPを採用すれば誰でもおこなえるようになります。
スマイルワークス
スマイルワークスでは法改正にも対応しているだけでなく無料でのアップデートをしているため、常に最新の状態の方に対応していることが魅力です。
スマートフォンからのアクセスも可能なので、場所を選ばずに利用ができることからスピードが重要視されている企業などでは特に高い評価を得ています。
クラウドERPNetSuite
クラウドERPNetSuiteではマーケティング分析をおこなうことで市場開拓などにも効果を発揮して、商品の価格設定なども可能なため企業の売上向上に貢献するでしょう。
クラウド型のため管理もしやすいことが特徴に挙げられます。
まとめ
卸売業界では特有の流通形態のため、まだまだIT導入率は低いですが将来的にはITを積極的に採用することで業務効率の向上や従業員の負担を実現していくことが目標です。
そのためにもERPを採用することでデータなどを一元管理して、在庫や入出荷に関しても把握することが求められます。
この記事の執筆・監修者
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。