ダッシュボードの本来の意味は自動車や飛行機の計器盤のことを意味していましたが、計器盤には速度計やエンジン回転数、ガソリン残量のデータが表示されていました。ここから転じてダッシュボードはさまざまなデータや情報を集めて簡単に見やすいように一覧表示をするツールのことを指すようになりました。
データ分析におけるダッシュボードの役割とは?
データ分析におけるダッシュボードの役割は誰でもわかりやすくデータを見やすくすることによって、データの共通認識を社内全体やチーム全体で持てるように表すことが役割といえます。
データ分析を単純に行って生まれたデータは専門家でないと読み取ることが難しいことも多く、そうやって専門家でしか読み取ることができないデータをわかりやすく表示してくれます。
データをわかりやすく可視化する
データ分析によって生まれたデータをダッシュボードで表示することにより、誰でもわかりやすく可視化して、誰もが一目で理解できるようにすることが可能です。これによって、データを理解するために必要であった時間や手間を省略することに繋がるので業務効率化にも貢献が期待できます。
また、データを可視化することによって問題点などもわかりやすくなるので、企業内などの大きな単位での問題点やチーム内での小さな単位での問題点も把握しやすくなるため、それらの対策を立てやすくなります。
方針決定の判断材料にできる
ダッシュボードでデータを表示すれば、プロジェクトなどの進捗具合に関してもどれくらいの進捗具合なのか、現在の進捗具合ではどのような問題点が発生しているかについても判断が可能です。
現状の進捗具合などにも把握ができれば、どのように次の行動をすれば問題を解決することに繋がるのかなどの判断材料にもなります。
チーム内で共通認識が持てる
ダッシュボードでは簡単にデータを把握することができるようになるので、チーム内で全員がダッシュボードを確認することによって、どのような問題点をチーム内で含んでいるのかなども確認ができます。
チームに合わせたダッシュボードを作成することができれば、チーム全体の毎日行われる業務の重要点や進捗具合などに関しても共有が可能です。それ以外にも進行中の企画に対しての監視や緊急事態の対応状況などに関してもダッシュボードを通じて一目でわかるようになります。
ダッシュボードの機能とは?
ダッシュボードは業務を行っていく中で非常に役立つツールであるといえますが、ダッシュボードにはどのような機能を持っているかを理解することは重要です。
ダッシュボードではデータ分析をもとにデータ表示を行い、誰でも簡単にデータを把握できるようにするなどの効果が期待できる他、チーム内以外にもデータ表示を適切に行うことができれば簡単にデータ共有を図れます。
レポートを生成する
ダッシュボードにはデータを表示する機能がありますが、ダッシュボードに表示されているデータと元にしてレポートを作成します。このレポートは手動によって作成する方法とダッシュボードが自動で定期的に作成するなどツールによってレポート作成方法は違うことを把握することは大切です。
定期的にレポートを作成することによって、どの時点でどのようなデータを表示していたかを後から簡単に振り返ることができるようになります。また、自動的にレポートを作成することによってこれまでは手打ちなどで対応していた部分も省略が可能です。
これによって、業務効率化だけでなく担当者の負担軽減にも繋がります。
詳細な分析ができる
ダッシュボードを用いることにより、データ分析などに関してもさらに詳細な分析を実現します。詳細な分析を行うことでどこに問題点があるのかについて、どのような対応をすれば問題点を解決できるかについても把握ができるでしょう。
本来であれば詳細な分析を行うためには時間と手間が必要になりますが、ダッシュボードを上手に活用すれば簡単に詳細な分析が可能です。
データのビジュアル化ができる
データ分析はダッシュボードなどを活用しなければ、分析されたデータに関して専門的な知識や技術を使って理解・把握していくことになります。この場合のデータは二次元的なデータになっているので読み解いていくことが難しいですが、ダッシュボードを使って三次元的なデータにすることにより、誰でも簡単にデータを理解できるように変換ができます。
これによって、本来であればデータを理解するのに求められる知識や技術が大幅に低くなるので誰でも理解できるようになるでしょう。
シミュレーションができる
シミュレーションを立てることができるようになるのもダッシュボードを使用するのにおすすめの理由です。ダッシュボードから得られたデータを元にして将来的な予測が立てられるようになるので、予算編成や業績などをシミュレーションができます。
シミュレーションをすることによって、様々な事態に対応をするための対策などをあらかじめ講じることが可能です。シミュレーションを行って予測を立てる場合とシミュレーションを行わずに予測を立てる場合では、その後の行動に大きく差が出ると言えるでしょう。
シミュレーションをしっかりと行うことができていれば、将来的なリスクなども予測ができるので便利です。
ダッシュボード活用のメリット
ダッシュボード活用のメリットとして真っ先に挙げられるのはデータ分析を行った後のデータを簡単に可視化できることです。本来であれば読み取るのに様々な能力が必要な部分に関してもダッシュボードでデータを可視化できるようにすれば、誰でも簡単にデータを読み取れるようになります。
他でもデータをチーム全体で把握することができるようになるので、情報の共有を行えるので目標などの設定を全体で意識が可能でデータを活用することによって、様々な局面での判断も素早く行えます。
ダッシュボード活用のデメリット
ダッシュボード活用のデメリットとしては、ダッシュボード導入の難易度が他のツールと比較しても高い点です。ダッシュボードでのデータ取り込みやデザインの作成をする際にはプログラミングが必要な他でも初期導入コストも必要です。
ダッシュボード自体は誰でも慣れることができれば簡単に取り扱えるツールですが、導入時や新入社員が入社してきた際にはダッシュボード使用方法を教えるためのコストもかかります。ダッシュボードは導入しても活用をせずに放置されてしまうことも多いので、しっかりと使用する意識を持たなければ十分な性能を引き出すことができません。
まとめ
ダッシュボードを活用することでデータ分析やデータ理解を従来よりもはるかに簡単にできるようになるので、社内での情報共有や問題点の共有が簡単になります。それ以外にもダッシュボードを使用することによって、手動で入力していたデータなどに関してもダッシュボードが自動的に入力してくれるようになるので業務効率化への貢献も期待できます。
レポート作成も自動で行ってくれるので煩雑な作業から解放されるだけでなく、担当者などの負担も大きく軽減することが可能です。ダッシュボードを導入することにより、様々なメリットが生まれるので導入するだけの価値はあるといえます。
将来的なシミュレーションも行えるので企業経営を行っていく上でのリスクを防ぐことにも繋がります。
この記事の執筆・監修者
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。