音声認識と自然言語処理(NLP)の違い、それらを組み合わせた技術について紹介

音声認識と自然言語処理(NLP)の違い、それらを組み合わせた技術について紹介

自然言語処理(NLP)とは

自然言語処理(NLP)とは日常で使用している自然言語の曖昧さをコンピューターなどに認識させる処理のことです。自然言語は日常で使用している日本語や英語などのことを指し、会話で使用される言葉などが曖昧さに繋がっていきます。

 

自然言語処理(NLP)の仕組み

自然言語処理(NLP)の仕組みに関してはさまざまな段階を踏んでいくことで、最終的には文章を意味のあるものとして認識・処理をおこなうことが目的です。自然言語処理(NLP)の仕組みについて紹介していきます。

形態素分析

形態素分析では文章を単語ごとに分解して品詞の判断をおこなうことによって、文章中にある単語ごとの意味などの分析をします。各形態素の意味をデータとして抽出することが目的です。

構文解析

構文解析では形態素分析で分析した単語を集めてから、単語ごとに構文を組み立ててどのような構文になるかについて解析をおこないます。構文解析では複数のパターンの構文が作成されますが、この段階では複数のパターンはどれも正解として扱われます。

意味分析

意味分析では構文解析で作成された複数のパターンからどれが正確な意味を持っている構文化についての判断をおこない、会話などを成り立たせることが目的です。日本語などでは同じ文章であっても区切る部分に次第で意味が大きく変わることが多いので、意味分析で正確な意味を把握することが重要です。

文脈解析

文脈解析ではそれまでの会話などを参考にしながら文章同士の繋がりについての判断をしますが、文章同士の繋がりを判断するためには会話の背景なども理解することが求められます。非常に高度な技術になることから実用分野への応用は現時点では不可能です。

 

音声認識とは

音声認識はAIやコンピューターなどが人間は発生した言葉を聞き取ったか、どのように発音したかについての判断をおこないます。音声認識では人が発している音声を機械的に取り組むことになるため、意味の理解などはおこないません。

 

音声認識の仕組み

音声認識では人間が発生した言葉に関してAIやコンピューターなどで読み込んで、音声データをテキストデータなどに変換します。音声認識には音声辞書データを登録しているため、その中から聞き取った音声と近いものを抽出する仕組みです。

 

音声認識と自然言語処理の違い

音声認識と自然言語処理は密接な関係にあり、基本的には音声認識によって音声データを取り組んで自然言語処理によって取り組まれて音声データの意味を考えます。そのため実践段階で導入するためには音声認識と自然言語処理の能力どちらも重要です。

自然言語処理(NLP)の活用事例

現在では自然言語処理(NLP)はビジネスの場面でも日常の場面でも活用されていて、自分たちでは気づかないうちに活用していることも多いです。自然言語処理(NLP)の活用事例について紹介してきます。

自動翻訳

自動翻訳はさまざまな場面で活用されており、自動翻訳の精度がさらに高まっていけば海外などに出かける際も言葉の問題を気にせずに行けるようになるでしょう。音声アシスタントに対応しているスマホやタブレットなどで活用できればどこでも手軽に使用が可能です。

チャットボット・自動音声対話システム

チャットボット・自動音声対話システムはビジネスの場面で導入されることが増えており、これまでは人の手によって対応していた電話などをAIなどが代わりにおこなうことで企業全体の業務効率化や人件費削減などに貢献するでしょう。

テキストマイニング

テキストマイニングでは文章などから顧客などの意見を発見することで業務に活用できる情報を提供することが可能です。自然言語処理(NLP)とテキストマイニングを組み合わせることで翻訳サービスなどにも活用できると予測されています。

検索エンジン

検索エンジンに自然言語処理(NLP)を組み合わせることで、検索エンジン使用者がどのようなことを調べているかについて理解することが出来るようになります。理解することができれば検索結果などもこれまでよりも検索内容に適している検索結果を導き出すことが可能です。

かな文字変換予測

自然言語処理(NLP)を活用することによって、長い文章を入力した場合でも前後の文脈などから誤字・脱字などを判断して高精度な変換をおこないます。

感情認識

人間であれば相手の声色や表情などから相手の状況を想像しますが、自然言語処理(NLP)で人の声色や発言内容などを学習させることで、将来的には話している人間の気分などについても判断することができるといわれています。

 

音声認識技術が採用されている事例

音声認識技術はさまざまな場面で採用されていますが、普段から何気なく使用していることでも音声認識技術が活用されていることもあるでしょう。

音声認識技術が採用されている事例について紹介していきます。

音声アシスタント

音声アシスタントは身近に使用されている例としてはスマートフォンやスマートスピーカーなどが挙げられます。言葉で支持するだけで他のアプリやデバイスなどの操作が可能なこともあり、近年ではビジネスの場面や日常的な場面でも活用されています。

感情分析

感情分析では発言内容などを精査して対話型ロボットや音声アシスタントなどに活用することが可能です。感情分析次第で提案する内容などに違いを出すことで、活動面をサポートすることが期待されています。

翻訳サービス

音声認識で外国語を翻訳することができればビジネスの場面や日常的な場面でもさまざまな言語とのコミュニケーションが簡単になります。翻訳サービスは将来的に需要がさらに高まっていくことが予測されていて、積極的に開発などがおこなわれている分野です。

書き起こしサービス

最近ではパソコンやスマホなどでも音声入力の機能が搭載されているため、議事録などが音声認識を活用して記録することができるようになるでしょう。会話を簡単にテキストデータが可能なため、会話を記録する必要がある場面では重宝されるようになると予測されています。

 

音声認識と自然言語処理(NLP)を組み合わせた技術

音声認識と自然言語処理(NLP)を組み合わせた技術も続々と開発がされているため、これからは音声認識と自然言語処理の重要性や価値が高まっていくでしょう。音声認識と自然言語処理(NLP)を組み合わせた技術についても紹介していきます。

LINE:MiLAI(MixedLINEAI)

開発途中の技術ではありますが会議の会話すべて書き起こしをおこなうアプリをLINEでは開発をおこなっています。リアルタイムでの認識をすることで自然な会話の書き起こしが可能であり、読み上げる際のトーンなども自由に設定が可能です。

 

まとめ

音声認識と自然言語処理(NLP)は上手に活用することができれば、業務効率化や人件費削減以外にも従業員の負担軽減によりワークライフバランス実現などのさまざまな効果が期待されています。

音声認識の技術は成長しているためこれまでは明確な発生でなければ認識できなかった部分でも認識ができるようになるでしょう。自然言語処理は文章全体の意味を理解することが目的なため、自然言語処理の性能が高くなれば高くなるほど安定した分析に繋がります。

音声認識と自然言語処理(NLP)は密接な関係にあることから、どちらかの技術や精度だけを高めるのではなく両方の技術や精度を高めていくことが重要です。

この記事の執筆・監修者
Aidiot編集部
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。

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