メタバースのシステムを支える技術とは?構成要素も紹介!

メタバースのシステムを支える技術とは?構成要素も紹介!

「メタバースのシステムを支える技術は何だろう」そんな考えをお持ちではないですか?メタバースは近年、さまざまな業界から注目を浴びています。

そこで、この記事では、メタバースのシステムを支える技術と構成要素を紹介します。ぜひ最後までお読みください。

 

メタバースの概要

メタバースとは、「メタ(超越した)」と「ユニバース(宇宙・世界)」からの造語をいいます。

インターネット上で提供される仮想空間に、VR機器を使ってアクセスすることでアバターとしての人格をもち、メタバース内でほかのユーザーとコミュニケーションを図るといった社会活動が可能になります。

 

仮想空間の進歩

2000年代に登場した仮想空間サービス「セカンドライフ」は、メタバースの先駆けでしたが、現在は衰退しています。しかし、現在の「メタバース」は、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)の進捗やNFTの活用で、高度な社会活動と経済活動が可能になっています。

 

メタバースのシステムを支える技術

ここでは、メタバースのシステムを支える技術として

AI(人工知能)技術
3D環境を構築する技術
AR(拡張現実)やVR(仮想現実)の技術
ブロックチェーンによるNFT技術
IoT技術

の5つ紹介します。

AI(人工知能)技術

AI(人工知能)技術は近年、ビジネス、日常生活問わず様々な場面に活用されています。メタバース内では、NPC(ノンプレイヤーキャラクター)にAIの適用が可能です。NPCは、ゲーム環境の一部で、ユーザーの行動に反応するように設計されています。

NPCにAIを適用することにより、ユーザーとの交流や様々なタスクを行わせることもでき、NPCだけで何百万人の同時使用も可能です。メタバースコンテンツが大規模になるほど、AIによる支援や自動化などの維持管理が必要といえます。

3D環境を構築する技術

メタバースには、現実世界に限りなく近く見せるためのデジタル空間を作るという課題がありました。その課題も、3D環境を構築する技術を活用することで克服することができます。

特殊な3Dカメラを使用して、物体や建物などの正確なフォトリアル3Dモデルをレンダリングすることで、現実世界に限りなく近いデジタル空間を作ることができるのです。

AR(拡張現実)やVR(仮想現実)の技術

ARやVRは、ユーザーがメタバースに入り込むためのツールといえます。VRは、VRヘッドセットなどを使用して、ユーザーを仮想空間に連れていき体験させるものです。

ARは、ARグラスなどを通した現実空間の視覚に情報を付加して拡張するもので、仮想空間と現実空間を統合させるものです。

ブロックチェーンによるNFT技術

NFTは、「Non-Fungible Token」の略であり、「非代替性トークン」と訳します。ブロックチェーンによる暗号トークンの一種です。NFTによって、デジタルデータに価値が付き、メタバース内で土地やデジタルアートなどのデータ売買ができます。

IoT技術

IoTは、「Internet of Things」の略であり、「モノのインターネット」と訳します。現実空間のあらゆるものを、センサーなどを介してインターネットにつなげるものです。

メタバースにおいてIoTは、デジタル表現の精度を高めるため、現実空間のデータを収集し提供することが期待されます。

メタバースのシステムを構成する要素

ここでは、メタバースのシステムを構成する要素とクラウドコンピューティングによるインフラ基盤の2つを紹介します。

システムの構成要素

メタバースのシステムを構成する要素として、

クライアントアプリケーション
ユーザー管理サーバー
コンテンツ管理サーバー

の3つを紹介します。

クライアントアプリケーション

ユーザー毎の仮想空間を描画するためのパソコンやスマートフォン、ブラウザで使用するアプリケーションが該当し、それぞれの性能を加味してシステムが開発されます。
端末の性能が、3Dコンテンツの表示に依存するため注意が必要です。

ユーザー管理サーバー

ユーザー情報の管理や双方向のコミュニケーションを実行するため、双方向通信の技術を活用し構築されます。同期している人数や頻度がアプリケーションの性能に影響するので、どの要件を優先させるかの検討が必要です。

コンテンツ管理サーバー

メタバース内に表示するコンテンツ(3Dモデル、画像、動画)をデータベースなどで管理します。管理を効率化するため、コンテンツマネジメントサービスの構築が推奨されます。

クラウドコンピューティングによるインフラ基盤

クラウドコンピューティングは、インターネット経由でデータベースなどのITサービスを利用することを指します。
ここでは、クラウドコンピューティングによるインフラ基盤として、

Amazon「AWS」
Microsoft「Azure」
Google Cloud

の3つを紹介します。

Amazon「AWS」

AWSは、「Amazon Web Services」の略であり、Amazonが提供するクラウドサービスです。
代表的なもので、

仮想サーバーを作成できる「Amazon EC2」
データ保存やコンテンツ配信ができる「Amazon S3」
データベースを利用できる「Amazon RDS」
プログラムの実行環境を提供する「AWS Lambda」

があります。

Microsoft「Azure」

Azureは、Microsoftが提供するクラウドサービスです。
代表的なもので、

仮想マシンが利用できる「Azure Virtual Machines」
開発環境を提供する「Azure DevOps」
ストレージサービスの「Azure Storage」
サーバーの構築無しでプログラムを実行できる「Azure Function」

があります。

Google Cloud

Google Cloudは、Googleが提供するクラウドサービスです。
代表的なもので、

仮想マシンが利用できる「GoogleComputeEngine」
ストレージサービスの「GoogleCloudStorage」
ビッグデータ解析サービスの「GoogleBigQuery」
画像解析サービスの「CloudVisionAPI」

があります。

メタバースのシステム開発の方向性

ここでは、メタバースのシステム開発の方向性として、

ユーザーデバイスへの負荷軽減・分散
大容量データの高速通信
ユーザー資産・コンテンツの保証・保護

の3つを紹介します。

ユーザーデバイスへの負荷軽減・分散

ユーザーデバイスへの負荷軽減・分散として、

分散型サーバーの活用
クラウドレンダリングシステムの活用

の2つを紹介します。

分散型サーバーの活用

分散型サーバーは、データがリンクで構成されており,分散したサーバー間で情報が有機的に結びつけられたシステムです。
集中型サーバーの場合、人気のあるデータを持つサーバーにアクセスが集中し、相当な負荷がかかる可能性がありますが、分散型サーバーを活用することでアクセス集中による負荷を軽減させることが可能になります。

クラウドレンダリングシステムの活用

クラウドレンダリングシステムは、3DCG制作や映像編集などのレンダリングを、ユーザーデバイスで行うのではなく、インターネットの向こう側のサーバーで行うシステムです。
ユーザーデバイスで行うレンダリングの場合、デバイスのCPUを使用するので負担がかかり他の作業もできませんが、クラウドレンダリングを利用することで負担が軽減され、並行して別作業も可能になります。

大容量データの高速通信

大容量データの高速通信として、5G(第5世代移動通信システム)が挙げられます。
5Gには、

高速大容量
低遅延
多数同時接続

といった特徴があり、現状の4G/LTEに替わる最新の通信技術です。
5Gへの進化によって、円滑なメタバースが構築できる通信環境が整うことが期待されています。

ユーザー資産・コンテンツの保証・保護

ユーザー資産やコンテンツの保証、保護には、改ざんが困難、システムダウンの可能性が低いといった特徴を持つブロックチェーン技術を利用したNFTが挙げられます。
ブロックチェーンは、取引履歴を1本の鎖にみたてて正確な履歴を維持するものです。

ブロックチェーンの特徴を利用してユーザー資産・コンテンツの保証・保護を行うのが、デジタルデータに唯一無二の価値を持たせた非代替性トークンであるNFTです。

 

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まとめ

ここまでメタバースのシステムを支える技術と構成要素を紹介してきました。

メタバースは、インターネット上で提供される仮想空間を指し、そのシステムを支える技術も構成要素も多数ありました。メタバースの成長規模は極めて大きく、今後もさらなる進化を遂げるだろうと予想されます。

今回の内容を参考に、メタバースに注目してみてはいかがでしょうか。

 

この記事の執筆・監修者
Aidiot編集部
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。

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