クラウドシステムは、企業にとって様々なメリットがあるため導入が徐々に勧められています。
ただし、社内にリソースや知見がない場合は、「クラウドコンサルティング」を受ける必要があります。
この記事では、クラウドコンサルティングの役割やメリット、事例などを説明します。
クラウドコンサルティングとは
クラウドサービスが、企業のシステムにおいても導入が進められています。
しかし、クラウドの運用や業務移行に関わるスキルを保有している者が社内にいないというケースは珍しくなく、それによって導入が遅くなってしまったり、最悪の場合は人的リソース不足によってクラウド導入が見送られることにつながってしまうこともあります。
クラウドコンサルティングとは、そのような悩みを抱える企業に対して、最適なクラウドシステムの導入を行うための各種対応をサポートするサービスです。
そのようなクラウドコンサルタントは、クラウド導入における計画策定やコンプライアンス対応、既存システムの移行作業や、環境整備および標準化まで行います。このような活動を通して、企業の業務効率化に貢献し、生産性の向上や企業の新たな体制構築を目指します。
クラウドコンサルタントが求められる理由
クラウドシステムを導入することで、導入する企業の社員はインターネット環境のある場所であればどこからでも会社のシステムにアクセスできるなど、企業にとっては様々なメリットが発生します。
しかし、従来のオンプレミスのシステムからクラウドへの移行のためには、初期費用や移行に関わるコストが発生し、クラウド導入当初にはシステムに不慣れな社員が多く発生することでトラブルが多々発生します。
そこでの対応は通常であれば、社内のIT管理者が行うのですが、クラウド特有の知識やスキルが求められた場合、従来のリソースでは対応できなくなることもあります。そうなった場合には、クラウドシステムにh3詳しいクラウドコンサルタントが必要とされます。クラウドコンサルタントを活用すれば、企業ごとの最適なクラウドシステムの選定や導入後の効果検証、セキュリティ対応など様々な場面でメリットになります。
クラウドコンサルティングの流れ
企業がクラウドコンサルティングを受ける場合、具体的にどのような流れで業務がすすめられるのでしょうか?
ここでは、クラウドコンサルティングにおける業務の流れについて説明します。
目標・スコープ設定
まずは、クライアントとゴールの認識を共有します。クラウドシステムによって何を実現したいのか、どんな結果を得られるといいのか、どこまでクラウド化するかなど、大まかな目標設定を行います。
現状調査 次に、現状のシステム構成、リソース状況、利用中のサービスや保有しているIT資産の現状を調査して菓子菓子、現状の課題を具体的に抽出し、クラウドシステムに対する要望をヒヤリングします。
アセスメント
現状の調査が完了したら、現在使用しているシステムの特性や、移行先の候補であるクラウドシステムごとの特有のポイントを考慮し、クラウドの適用度(どこまでクラウドが適用可能かという指標)を分析します。システム全体のあるべき姿を元にしてやるべきことを整理していきます。
計画策定
様々な視点からタスクの優先順位付けを行い、ロードマップの策定を行います。クラウドで利用する機能やセキュリティに関するマニュアルの作成や、コスト算出を行います。
クラウドコンサルタントになるメリット
クラウドシステムやクラウドコンサルタントは、近年の国内企業においては需要が高まっていますが、クラウドコンサルタントになるにあたって、本人にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、クラウドコンサルタントになることによって得られるメリットについて説明します。
需要が高く活躍の場が幅広く期待できる
近年、国内の企業ではクラウドシステムの導入が続々と進められているため、クラウドコンサルタントの需要はかなり高まっています。需要が高いことで、様々なプロジェクトに携わるきっかけになり、多岐にわたる業界の知見が得られるチャンスが広がっています。クラウド導入にかかわらず、広く「DX」という意味で業界の全体像を学ぶことから、幅広く・高い知識と経験につながり、長いキャリアの中ではプラスになる成長になります。
キャリアアップが可能
クラウドシステムの導入などを行うクラウドコンサルタントは、「インフラシステム」のエンジニアという区分けになるかと思います。
従来のインフラエンジニアであれば、幅広い知識に加えてクラウドシステムに関する知識が必要になりますが、そういったキャリアのあるエンジニアと比較しても、今後の
知識的な需要が高まることが予想されます。そうなると、クラウドコンサルタントがインフラシステムの知識をつけていくほうが、場数を踏みやすいという観点からも有利になることが多く、他のエンジニアと比べてすでに強い武器を持っている状態になります。
さらに、クラウド移行の上流工程からプロジェクトに携わることができるので、案件ごとに様々な知識を身に付けられ、様々なスキルの向上が望めます。そうなれば、その後のキャリアパスも選択肢が豊富で、中には大手企業のIT部門や、大手SIerに転職するような方もいます。
クラウドコンサルティングのプロジェクト事例
クラウドコンサルティングの業務の流れやメリットは説明しましたが、実際にどのようなプロジェクトにおいて、クラウドコンサルティングを行うのでしょうか。
ここでは、具体的なクラウドコンサルティングのプロジェクト事例を説明します。
加工食品市場
とある加工食品会社では、業界全体の縮小を受けて、あえてそれを利用して市場シェアの拡大を目指すため、ITインフラをクラウドシステムへと移行し、成長フェーズに備えるために変革プロセスを行いました。
具体的には、200台のサーバーを4ヶ月弱の期間に全てAWSに移行しました。
これによって、ITサポートサービスの継続的な標準化・自動化が実現し、インフラ設定時間が削減され、これまで多くの時間を擁していたIT関連の課題解決を大幅に短縮することに成功しました。
PBX(機内電話交換機)
世界的に大手のコンサルティング会社では、PBX(機内電話交換機)のクラウド化に向けたサポートサービスの提供を行なっており、オンプレミス型からの移行を検討する企業向けに、現状調査・コスト算出・実行計画の策定までのサポートを行なっています。
PBXの領域では、先行事例が少なかったり、ステークホルダーが多かったりすることがネックとなってしまい、クラウドシステムの活用が勧められていません。
そこで、クラウドコンサルティングサービスとして、導入の障壁となる改善効果の定量分析・車内での合意形成・ベンダー評価など、実現に向けた一貫したプロセスの支援を行っています。
まとめ
クラウドシステムの需要は徐々に高まっており、それに伴ってクラウドコンサルタントの需要も徐々に高まっています。
クラウドコンサルタントになることで得られるメリットなどを十分に理解し、将来のキャリア形成のためにご活用ください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
この記事の執筆・監修者
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。