自動車業界が持ち得る課題に、DXは解決策をもたらしてくれます。Digital Transformation（デジタルトランスフォーメーション）の略である「DX」。しかし、あまり聞き慣れない言葉かもしれません。
そこで今回は、改めて「DX」の意味を説明しながら、DXで自動車業界の課題を解決する方法を解説していきます。また、DXを推進するメリットやキーポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
今さら聞けないDXとは？改めておさらい
まず「DX」とは何なのかを、その必要性も含めておさらいしてみましょう。
DXの概要
DXはただ単にアナログな作業をデジタル化して便利にすることではありません。デジタル技術によって、社会や組織、ビジネスなどの仕組みそのものを変革し、既存の価値を根底からくつがえすような社会的影響を生み出すことなのです。
例えば、写真などをデジタルデータ化して管理しやすくするのは、単なるデジタル化です。しかし、デジタル化したデータをSNSで共有し、社会的な変革をもたらすようなサービスを生み出すと、DXとなるのです。
平成30年の経済産業省のレポート冒頭にDXの定義が掲載されていますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
参照：DX レポート 平成 30 年９月７日 デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会
補足ですが、英語圏では「Trans」を「X」と略すのが普通です。Digital Transformationの略が「DT」ではなく「DX」と表記されるのはそのためです。
DXの必要性
現在、デジタル技術の進化にともない、さまざまな業界で新規参入企業による新しい製品やサービスが展開されています。既存の企業が権益を保っていくには競争力の強化が必要であり、強化する手段のひとつがDXなのです。
しかし規模の大きな企業ほど組織改革などがネックとなり、まだDXを本格的に推進しているとはいえません。
自動車業界におけるDX
自動車業界におけるDXとはどのようなものなのでしょう。ここでは自動車業界におけるDXの現状と方向性を見ていきます。
DX推進の現状
今、自動車業界ではEV（電気自動車）化が世界的な広がりを見せています。このEVの広がりが、自動車業界における大きなDXです。日本や米国、欧州各国などの既存自動車メーカーがEVへシフトし、それに続くようにして中国で新興EVメーカーが台頭しました。そして今やソニーやダイソン、グーグルやアップルなどの異業種も、EVへ参戦しています。
DX推進の方向性
現在、自動車業界全体に大きな影響を与えるであろうDXが進行しています。「移動」それ自体を、利用者が新しい価値を見いだせるサービスに変えていこうとしているのです。その手段として、「MaaS（Mobility as a Service）」による移動手段のプラットフォーム化が提唱されています。
「MaaS」とは、公共交通機関と通信を組み合わせた移動サービスのことです。このDXの実現は、公共交通機関の利用者に大きなメリットをもたらします。目的地までの最適な移動手段と料金の提示や、プラットフォーム上ですべての交通手段の予約や支払いが可能となるからです。
利便性が改善された公共交通機関が多くの人に利用されるようになると、自動車の売上は低迷するでしょう。そのため今、自動車業界では新たなDXが求められています。
たとえばトヨタ自動車では、モビリティーサービスプラットフォームの構築が発表されました。ソフトバンクと共同で「モネテクノロジーズ株式会社」を立ち上げ、「トヨタは自動車を作る会社からモビリティ・カンパニーにモデルチェンジする」と発言しているのです。
このように自動車業界でのDXは、MaaSを意識したものに舵を切りつつあります。
自動車業界でDXを推進するメリット
自動車業界でDXを推進するメリットを、「業務効率化」「顧客対応の改善」「コスト削減」の3点から見ていきましょう。
業務効率化
業務効率化はEVの普及によって実現されていきます。なぜなら、EVに搭載されているシステムのメンテナンスやソフトウエアのアップグレードなどは、すべてオンライン上で完結できるからです。
今まで移動のために必要だった時間は、他の業務へと回すことができます。
顧客対応の改善
顧客対応の改善は、CRM（顧客管理システム）やチャットボット（会話型の自動応答システム）の導入によって実現されていきます。
CRMは顧客の案件や商談情報を一括で管理・共有できるシステムです。CRSを利用することで顧客の価値観に沿った車のラインアップを提示できるなど、きめ細かい対応が可能になり、顧客満足度の向上につながります。
またチャットボットは365日24時間対応など、顧客の要望に迅速に対応できる体制作りに有効です。
コスト削減
DXの推進は業務工程を分析して可視化することを可能にし、工程の無駄や経費の見直しなどができます。また、オンラインによる顧客への対応は、移動にかかる時間と経費の削減に有効です。
自動車業界におけるDXの4大要素「C.A.S.E」とは
「C.A.S.E」とは、「Connected（ネット接続）、Autonomous（自動運転）、Shared & Service（シェアリング）、Electric（化石燃料から電気へ）」を意味する言葉のことです。
では、1つずつ見ていきましょう。
Connected
Connectedとは、自動車に搭載するICT（情報通信技術）機能の開発のことです。必要な情報を運転者に提示し、移動をサポートします。例えばトヨタが開発したICT機能が「コネクティッドサービス」です。事故発生時の緊急通報やスマホを利用した駐車位置の確認、盗難された車の位置情報の確認機能などを提供しています。
Autonomous
Autonomousは、自動車業界がとても力を注いでいる分野です。高齢運転者などの人的ミスによる事故を減らすことや、慢性的な交通渋滞の解消などを目的としています。しかし完全な自動運転実現には道路交通法の改正が必要であり、今後の課題です。
Shared & Service
Shared & Serviceとは、スマホなどのアプリだけで車の手配を可能にする配車サービスのことです。Uberなどがこれにあたります。必要なときに待たされることなくすぐに手配できることや、支払いがオンラインで完結するため料金をごまかされないなどがメリットです。ただ、日本では一般人の配車サービスが法律で規制されているため、Uberのようなサービス提供はできません。
Electric
ElectricはEV開発に非常に重要な要素です。ガソリンやディーゼル燃料車からEVへの転換を意味します。EVへの転換は、CO2排出量削減による環境汚染の防止に役立ちます。
ただ、EVへの電力供給の方法が今後の大きな課題です。EVへ電力を供給するために火力発電や原子力発電の稼働が必要になると、環境汚染の防止とは逆行するためです。DXにおける開発・推進ならアイディオットにお任せを
自動車業界におけるDXの開発・推進を確実に進めるには、信頼できるサポート会社の存在が非常に重要です。ここでは、多くの実績とノウハウでDX開発を成功に導いてくれる株式会社Aidiot（アイディオット）を紹介します。
戦略立案から実行支援まで可能なAidiot
Aidiotは、研究・開発した最先端技術をビジネスとして昇華し、DXを加速させる未来志向型データプラットフォームを提供している会社です。大手企業からベンチャー企業まで、さまざまな業界で70件以上の実績を蓄積し、戦略立案から実行支援までを可能にします。
データ・AIなど様々なPJ実績があるからスムーズにシステム開発・DXを推進
Aidiotでは、スムーズにシステム開発・DXを推進するために、以下の4つのサービスを提供します。
SeeCR
MATCHMEN
IntaIn
AppointUp
では、詳しく見ていきましょう。
SeeCR（シーシーアール）
SeeCRは、顧客情報を収集・管理・活用するためのCRM（顧客情報管理システム）です。顧客が本当に望むアプローチを効果的に実行し、活用をサポートします。
MATCHMEN（マッチメン）
MATCHMENは、70以上の開発実績を元に、開発から収益化までをサポートする委託サービスです。企画したいサービス内容のマッチングプラットフォームを、AIを活用して迅速に開発し、実現します。
IntaIn（イントライン）
IntaInは、社内のさまざまな情報を一元管理して、いつでもアクセス可能にするWEBサイトを提供します。社員同士の連帯感の向上や確実な情報伝達、作業内容の明確化が期待でき、生産性やコミュニケーションの向上を可能にするサービスです。
AppointUp（アポイントアップ）
AppointUpは、キーボードを必要としない直感的な操作が可能な、クラウド型の予約システムです。WEB予約を365日24時間可能にするとともに、大量の顧客情報を一元管理します。
業務管理の大幅な削減と効率化を可能にし、売上げアップにつながります。
この4つのサービスを用い、Aidiotはシステム開発・DX推進を強力にサポートします。少しでも興味を持った方は、ぜひ詳細をチェックしてみてください。
まとめ
DXは自動車業界の課題を解決できるのかどうか、DXを推進するメリットやキーポイントとともに解説しました。
自動車業界のDX推進には、重要な4大要素があります。そして自動車業界には、業界で拡大しているEVによるDXの他に、MaaS（マーズ）へ対応するためのDXも必要なのです。DXの開発・推進が、自動車業界の将来に必要なものだと分かっていただけたと思います。
さまざまな業界で70件以上の実績を蓄積し、戦略立案から実行支援までを可能にしているAidiotは、DXの開発・推進を強力にサポートします。DXの立ち上げでお悩みの方は、ぜひご利用を検討してみてはいかがでしょうか。
この記事の執筆・監修者
Aidiot編集部「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。
