データビジュアライゼーションとは?メリット・活用事例をご紹介!

データビジュアライゼーションとは?メリット・活用事例をご紹介!

私達の生活にデジタルが浸透する一方で、取得できるデータも増加傾向にあります。ビジネスでは、こうしたビッグデータの中にチャンスが転がっています。新しいビジネスを立ち上げる場合、ビッグデータの積極的な活用が明暗を分けると言えるでしょう。ところが、ビッグデータの活用で大きな壁となるのが分析です。

たとえ膨大なデータを得たとしても、分析できなければ宝の持ち腐れとなります。スピーディに分析し、活用できる仕組みの構築は必要不可欠でしょう。

データビジュアライゼーションはビッグデータを可視化し、スピーディな活用を可能とする手段です。ビジネスはもちろん、自社のデジタル化やDXを推進するにあたって、導入を検討してはいかがでしょうか。

そこで、データビジュアライゼーションの特徴や活用するメリットについて解説します。併せてデータビジュアライゼーションの活用事例も紹介します。

データビジュアライゼーションとは?

データビジュアライゼーションは、様々なデータを可視化する手段を言います。各種データは、グラフやフローチャートなどを用いて表現するのが一般的で、閲覧者が視覚的に分かりやすいよう配慮されます。

ビッグデータは潜在的な可能性を秘めている反面、そのままでは解析したり、データを理解したりするのは難しいのが実情です。何故なら、データを数値やテキストで表現するケースが多く、視覚的に理解しにくいことが影響しています。

データビジュアライゼーションはグラフィカルに表現するため、データの理解力向上に寄与します。データの可視化によって分析しやすくなることから、データをより有用に活用する一助になるでしょう。

少量のデータを抽出・分析するのであれば、従来の手法でも十分対応できます。しかし、数万件・数十万件のデータを取り扱う場合、グラフィカルな方が理解も進むでしょう。データビジュアライゼーションと類似したものとして、インフォグラフィックが挙げられます。両者は比較されることも多いですが、似て非なるものと考えておきましょう。

インフォグラフィックは手元のデータを元に、ビジュアル性・デザイン性を重視して作成されます。対するデータビジュアライゼーションは膨大なデータを使い、アルゴリズムによって可視化します。あくまで視認性や可読性を重視する一方、ビジュアル性やデザイン性はあまり重視されません。

同じデータの可視化でも、データビジュアライゼーションは理解力・解析力の向上を目的としています。根本的な考え方が異なるため、混同しないように注意が必要です。

 

データビジュアライゼーションを活用するメリット

データの取り扱いを容易にするデータビジュアライゼーションですが、導入で迷っている方も多いと思います。どのようなメリットがあるのか、導入する必要性は高いのかなど、疑問を感じているのではないでしょうか。

データビジュアライゼーションは利活用の方法が重要ですが、メリットも決して少なくありません。新たなビジネス・サービスの立ち上げはもちろん、自社が抱える課題の分析・解決に貢献する可能性も秘めています。

多くのメリットがあるため、導入を検討してみましょう。

静的なデータの可視化できる

データビジュアライゼーションのメリットのひとつが、静的データを可視化できる点です。可視化することで視認性が高まり、データに対する理解力も向上することが期待されます。

一般的な静的データはテキストで表現されていますが、可読性の低さが大きな問題となっています。表やデータベースの活用で可読性は向上するものの、重要なデータを見落とすリスクが潜んでいます。

データビジュアライゼーションの場合、多彩なグラフやチャートを使用してデータを表現します。各データを色分け表示することで、視認性を高められるのも魅力です。

例えば、複数の要素のデータを比較する場合、色分けすることでデータに対する理解力も向上します。反対に多数のデータを取り扱う時は、表示が乱雑にならないよう注意を要します。

インタラクティブなデータの可視化ができる

データビジュアライゼーションは、インタラクティブなデータの可視化も得意としています。従来はグラフやチャート、インフォグラフィックなど静的な方法による可視化が一般的でした。ところがこれらの方法はリアルタイム性に欠け、スピーディな比較が難しいというデメリットがあります。

データビジュアライゼーションでは、特定データの抽出やグラフの表示変更など、双方向のやり取りも可能です。このような動きを加えることで、さらにデータの視認性や理解力がアップするでしょう。

重要なデータのみ抽出したり、比較したりできるため、膨大なデータも取り扱いやすくなります。ビッグデータを活かしたい場合、データビジュアライゼーションは不可欠と言えるでしょう。

時系列によるデータの可視化ができる

データビジュアライゼーションは、時系列による可視化も可能にします。マーケティングなどで集めたデータを集計する際、時系列にまとめる必要があるケースも少なくありません。

データビジュアライゼーションは様々な可視化の方法があり、時系列でデータを並べることを容易にします。例えば、日毎のサービス利用者数や時間帯別の客数・売上など、刻一刻と変化するデータの可視化が可能です。

インタラクティブに可視化できる仕組みを組み込めば、時系列にデータを比較できます。前年度の同時間帯の客数や売上と比較するなど、柔軟なデータの活用が可能になるでしょう。

データビジュアライゼーションの活用事例を紹介!

様々なメリットを持つデータビジュアライゼーションですが、活用方法が分からない方も多いでしょう。業種や業界、データの利用目的によって取るべき手法は異なりますが、様々な分野で活用できます。

例えば方法があります。

  • 折れ線グラフ
  • 棒グラフ
  • 散布図
  • 面グラフ
  • マップ
  • インジケーター

そこで、データビジュアライゼーションの活用事例を紹介します。

データビジュアライゼーションの成功事例

データビジュアライゼーションの成功事例として、メディアの政治的立場を可視化したケースが挙げられます。Pew Reserch Centertというシンクタンクが調査データを可視化したもので、主要メディアの立場がグラフ上に表示されています。

出典:Pew Research Center

グラフの両端を保守とリベラルとし、CNNやBBCなど、各メディアの政治スタンスが一目で分かるように可視化しているのが特徴です。ビジネス面においては、生産や在庫管理にデータビジュアライゼーションを取り入れたケースもあります。生産管理部門では各工場の稼働状況や目標達成率、生産状況などを可視化しています。

一方の在庫管理では品目別の滞留状態の他、入出庫の状況などをグラフ化し、視認性を高めています。データビジュアライゼーションとデジタルツイン・各種DXを連携すれば、さらに活用方法は広がるでしょう。

データビジュアライゼーションの失敗事例

一方、データビジュアライゼーションで失敗するケースは、視認性が低く、情報量が多いという点が共通しています、例えば、メジャーリーグの選手の年俸を可視化したものがありますが、視認性の低さがネックと言えます。

出典:MLS Salaries

主に棒グラフを用いていますが、データ量が多すぎた結果、どの選手がどの程度の年俸を得ているのか、一目で判断できません。

縦長・横長のブラフが混在しており、視認性の低さに拍車をかけています。他にもデータの視認性が低く、理解が難しい事例は少なくありません。いずれにせよ、データの分類や使用するグラフの種類などに注意が必要です。

特にデータビジュアライゼーションが効果を発揮する企業の特徴

データビジュアライゼーションとは「データを見て理解する技術」です。すなわち、「データを見て理解できる状態にはなっていて、していないだけ」という企業であれば、本質的な課題設定と技術さえあれば今すぐにデータを見て理解することができ、真に「データを活用」する世界が作れるはずです。

金融業界

証券・銀行・保険・カードなどの金融業界は、データを多く持っているものの活用できていないでいる業界の一つです。

金融業界はデータがたまっている年数としても、そして膨大な顧客のデータが蓄積されている点でも、データビジュアライゼーションの力で多くの示唆が出せる業界の一つでしょう。

デジタルマーケティング

デジタルマーケティング領域は、その名の通りデジタル前提のマーケティングなので分析対象がデジタル化されており、行動や結果がデジタルデータとして構造化されていることが多い状態です。しかし、そのデータの分析手法や表現方法、解釈方法が一辺倒になってしまっていたり、他の異種データと合わせて立体的・複合的に見ていくことは可能ではあるものの、社内の技術的に難しい、ということもよく認識される課題です。

製造業

即座に反応しなければならないオペーレションに直結する業務領域は、データビジュアライゼーションととても相性が良いです。

デジタルサービス

BtoCの例ですとメルカリ、その他EC、アプリ、WEBサービスなどのデジタルサービスはそもそものビジネスモデル自体がデジタルを前提としており、多くの情報が最初からデジタル化されているためスタートしやすく効果も短期間で発揮しやすいです。

まとめ

データビジュアライゼーションはデータの視認性を高め、理解力を深める助けになります。静的データはもちろん、インタラクティブなデータの可視化も不可能ではありません。
しかし、データの可視化方法を間違えると余計な混乱を招き、重要なデータを見落とすことに繋がります。

データビジュアライゼーションに取り組む際は、データを可視化する手段も検討しましょう。

この記事の執筆・監修者
Aidiot編集部
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。

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