経営上の課題を洗い出し解決する手段として、売上や顧客などのデータを活用する企業は少なくありません。こうしたデータは重要性が高いため、マーケティングや商品・サービスの改善に活かしている方も多いと思います。ビジネスにおけるデータの重要性はますます増している一方、新しいアプローチ手法として注目されているのがデータビジネスです。
データを活用して収益改善を目指すだけでなく、新たなビジネスモデルを作り、収益力向上に寄与する可能性を秘めています。マーケティングや分析など、様々な分野での活用が期待されています。
ビジネスに新たな付加価値を生み出し、収益向上に繋げたいと考えている方は多いと思います。そのような時こそ、大きな可能性を秘めているデータビジネスに取り組んでみてはいかがでしょうか。
データビジネスとは?
データビジネスとは、データを収集、分析、処理、販売、または共有することで利益を生むビジネスのことです。データビジネスは、データを活用することで新しいビジネスモデルを作り出し、競争力を高めることができます。
例えば、オンライン広告会社は、消費者のオンライン行動に関するデータを収集し、それを広告主に提供することで収益を得ています。また、健康保険会社は、顧客の健康データを収集し、より適切な保険料を設定することができます。
データビジネスは、データ分析、人工知能、機械学習などの最新技術を活用して、より効率的なビジネスモデルを作り出すことができます。しかし、データのプライバシーやセキュリティの問題もあり、適切な管理が必要です。
データビジネスでのデータの活用法とは?
データビジネスの活用方法が分からない、イメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。確かにデータビジネスと言っても活用方法は多種多様で、業態・業種によって大きく変わる場合があります。そのため自社には不要と考えてしまう方も少なくはないでしょう。
しかし、一般的なビジネスのプロセスにおいて、データビジネスを導入することができます。そこで、データビジネスにおけるデータの活用方法を4つ紹介します。
マーケティング活用
マーケティング活用とは、消費者の行動や好みに関するデータを収集し、それを活用して製品やサービスの販売促進に役立てることです。例えば、オンラインストアでは、消費者の閲覧履歴や購入履歴などを分析し、それに基づいて商品の推薦やキャンペーンを実施することができます。また、SNS広告でも、消費者の属性や行動に関するデータを活用して、より効果的な広告配信ができます。
分析活用
分析活用とは、企業や団体が持つ大量のデータを分析し、ビジネスに役立てることです。例えば、大手小売店では、POSデータを分析し、商品の需要予測や在庫管理を行っています。また、金融機関では、顧客の資産運用データを分析し、より適切な投資商品を提供することができます。分析活用では、データの精度や品質が重要であり、適切なデータ管理や分析手法が必要です。
データサービス活用
データサービス活用とは、データを提供するサービスを展開することです。例えば、気象データを提供するサービスや、地図情報を提供するサービスがあります。データサービスは、企業や団体の業務に必要なデータを提供することで、業務の効率化や新しいビジネスモデルの創出が可能です。
データ販売活用
データ販売活用とは、データを販売することで収益を得るビジネスモデルです。例えば、消費者の購買データを販売する企業があります。また、健康データを販売する企業もあり、研究機関や医療機関に販売することで、医療の進歩に貢献することができます。データ販売活用では、データのプライバシーやセキュリティに関する法的な規制や契約が必要です。
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データビジネスの事例
スシロー
スシローは、回転寿司チェーン店であり、データビジネスの一例としては、顧客の行動履歴を分析して、メニューや店内デザインなどの改善に役立てることが挙げられます。また、顧客からのアンケートや口コミデータを収集し、それを分析して、顧客ニーズや嗜好の把握、新商品の開発などに活用することも可能です。
Panasonic
Panasonicは、家電メーカーであり、データビジネスの一例としては、スマートホームやIoT関連の製品を展開しています。これらの製品は、センサーやカメラなどを利用して、ユーザーの生活パターンや行動履歴を収集し、それを分析して、より便利なサービスの提供や製品の改善に役立てることができます。
ワークマン
ワークマンは、ワークウェアやアウトドアウェアなどの製品を展開する企業であり、データビジネスの一例としては、店舗の来客数や売上データを収集し、分析して、需要の変化や消費者のニーズに対応する商品の開発や在庫管理の最適化に役立てることが挙げられます。
Facebookは、ソーシャルメディアプラットフォームであり、データビジネスの一例としては、ユーザーのプロフィール情報や投稿履歴、広告クリック履歴などのデータを収集し、それを分析して、広告配信やターゲティングの最適化に活用することができます。また、Facebookは、人工知能技術を活用して、ユーザーの興味や嗜好を自動的に把握し、それを元にした広告配信やコンテンツ提供を行うことも可能です。
データビジネスの障害となる課題
ビジネスを加速させるデータビジネスですが、取り組んでも活用できなかったり、かえって業務効率が下がったりするリスクもあります。これからデータビジネスに取り組むのであれば、いくつかの課題をクリアしなくてはいけません。障害となる課題を全て解決したうえで、スタートすることが求められます。
では、データビジネスにはどのような課題があるのでしょうか?
目的、戦略が明確にイメージできていない
データビジネスを展開するには、明確な目的や戦略が必要です。しかし、企業や団体によっては、データビジネスの目的や戦略が不明瞭な場合があります。その場合、データの収集や分析、活用などが不十分なまま進められることがあります。このような状況では、データビジネスを成功させるための具体的な取り組みが行われず、企業や団体の業績向上につながらない可能性があります。
準備や仕組み作りができていない
データビジネスを展開するためには、データの収集や管理、分析、活用などのための適切な仕組みが必要です。しかし、企業や団体によっては、そのような準備や仕組み作りが不十分な場合があります。例えば、データの収集方法が適切でなかったり、データの精度や品質が低い場合があります。その場合、データの活用に際して問題が生じる可能性があります。
データを適切に活用できる人材が少ない
データビジネスを展開するには、データを適切に活用できる人材が必要です。しかし、企業や団体によっては、そのような人材が不足している場合があります。例えば、データ分析やプログラミングのスキルが不足している場合があります。その場合、データの活用に際して問題が生じる可能性があります。また、適切な人材を確保するためには、採用や育成のためのコストや時間が必要です。
まとめ
マーケティングや分析など、データビジネスは幅広い分野での活用が期待できます。新規ビジネスの開拓はもちろん、既存事業のテコ入れにも活用できるでしょう。 一方、データビジネスは準備や仕組み作り、人材の確保・育成などが求められます。取り組む場合、こうした課題の解決手段も検討が必要です。
この記事の執筆・監修者
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。