顧客データを活用する目的とは?活用ポイントや注意点を解説!

顧客データを活用する目的とは?活用ポイントや注意点を解説!

昨今のビジネス展開・企業経営においては、データ分析やデータ活用は重要度が高まっています。しかし、いざデータを活用したいと思っても、データ分析の具体的な方法や必要なスキルなどは、それほど詳しく知らない、という企業がほとんどではないでしょうか?この記事では、マーケティングで成果を上げるために必要な、データ分析の具体的な進め方・課題・必要なスキルについて詳しく解説します。

 

データ分析とは?

データ分析とは、「集められた無秩序なデータに対して、意味や役割、目的をもたせるための方法」と言えます。データを活用したマーケティングを行う際には、

・データ分析
・データ活用

といった手順で進められますが、この手順を踏まなければ、データはバラバラになってしまい、活用方法がわからず、結果を出すことはできません。

例えば、新商品の開発にあたって100人にアンケートをとり、アンケート用紙を投票箱に入れて無作為に選んだものを参考にする、ということを想像してみてください。これでは、せっかく収集したデータが効果的に活用できませんよね。ところが、「男性が○○%」「東京都在住が○○%」という情報があれば、「東京都在住の男性向け」の商品を開発すれば、アンケート回答のうちの「○○%」が見込み顧客の上限だ、ということが言えます。このように、データ分析を正しく行うことで、データに意味を持たせることができ、結果に結びつけやすくなります。

 

データ分析を進める基本ステップ

データ分析の重要性については理解いただけたかと思いますが、正しいやり方がわかっていないと、正しい結果も得られません。ここからは、具体的にデータ分析を進めるための基本ステップを解説します。

目的を明確にしておく

データ分析を行うはじめのステップは、「目的を明確にしておく」ことです。目的が不明確だと、結果が出るまでに遠回りして無駄な作業が発生してしまったり、最悪の場合は結論に至らずに失敗してしまいます。したがって、目的の明確化が重要になります。

ここでいう「目的」とは、現状の問題を裏返したものが有効です。例えば、「売上目標の未達」が問題であれば「売上増加」が目的になります。「人的リソースの不足」であれば、「業務効率化による工数削減」です。難しいことを考える必要はなく、漠然とした問題を、具体的に噛み砕いて裏返すことで、明確化できます。

仮説を立てる

2番目のステップは「仮説を立てる」ことです。仮説には、実際の答えほどの精度はないにしろ、具体的な方向性を決めるという重要な役割があります。また、仮説はひとつではなく、複数出しましょう。

最終的には、分析したデータの答えとしてどの仮説がふさわしいか取捨選択し、最後に残った仮説が答えにもっとも近いということになります。ただし、仮説が大量にあると分析にもリソースが大量にかかります。最終的には2,3案にフォーカスして仮説立証をしていくのが一般的です。

分析方法の整理と選択

3番目のステップは「分析方法の整理と選択」です。このステップでは、ここまでのステップで目的と仮説が明らかになっているので、それらの分析を行うために必要なツールを選択します。また、手持ちのデータの中や収集できそうなデータの中で、分析に活用できるものを使えるツールを選択することも重要な観点になります。

また、この時点でプロジェクト全体のスコープが設定できるので、計画を見える化しておきましょう。見える化の方法としては、「企画書」や「予算案」があります。すなわち、この時点ではかかる日数や費用、人数などが必要になります。これらが明確になっているプロジェクトほど、関係者からの理解を得られやすく、その後のプロジェクト推進に影響します。

データを集める

4番目のステップは「データを集める」ことです。このステップでは、前のステップで決めた分析方法に沿うように、必要なデータを収集します。効果的かつ効率的なデータ収集を行うには、どのように収集するかが重要です。対象となるデータには、会社のデータベースにあるような「構造化データ」と、アンケートや図面などに含まれる「非構造化データ」があります。

これらのデータをやみくもに集めるのではなく、プロジェクトの目的やビジネス的な問題にフォーカスし、必要なデータをある程度絞ることが重要です。なお、個人情報に関しては「個人情報保護法」を十分に理解した上で、慎重に取り扱うよう注意しましょう。

集めたデータを元に分析する

最後のステップは「集めたデータを元にした分析」です。ここでは、集められたデータを統計・機械学習モデルを使ってデータ解析を行います。訓練用データのモデリングやテストのチューニングによって精度が左右されますが、これは作業者のスキルやかけられる時間に依存してしまうところが大きく、実際には一時的な結果をフィードバックして施工した後に微調整することがほとんどです。

 

データ分析において起こりやすい問題

データ分析は、しばしば魔法のように扱われることが多く、「情報を入力すれば自動的に答えが得られる」と考えられていることもあります。そこで問題になるのは、会社全体からみた場合のプロジェクトに位置付けやリソースに対する考え方の違いによるトラブルです。すなわち、プロジェクト以外の関係者には「いつまでやっているんだろう」「全然答えになってないじゃん!」と誤解を招きかねないことになります。

こういったトラブルを発生させないためには、プロジェクトマネージャーの知識・経験・コミニュケーション能力・人柄といったものが重要になります。すなわち、プロジェクトメンバーにはモチベーションを維持できるようなプログラミングやデータベースの知識を持ちつつも、中間的な成果物やプロジェクトの費用対効果を示せるような経営層へのデータの提示、協力部門へのケアなどが必須になります。

データ分析に必要なスキル

データ分析に必要なスキルは、SQLやPythonなどのプログラミング言語などのハードスキルだけではありません。実際には、それらに関わらないソフトスキルも必要になってきます。そのひとつは、目的やビジネス全体を見据えて浮き彫りになっていない課題を見出す「ビジネスドライブ」や「コミニュケーション」のスキルです。データの分析を進める上で、分析を担当するものが気付きやすいビジネス的な課題が出てくることがあります。それらを、当事者意識を持って関係者へ共有し、プロジェクト全体の課題にまで押し上げることは、重要なスキルです。

また、「客観的で冷静な判断力」も必要です。例えば、原価と売上で表される「利益」を意識し、深い議論に固執せず、ビジネス的な利益を優先させるといった考え方です。いくら結論までの道のりが遠くても、利益を最大化できるなら取り組み、利益に無関係なことは早々に見切りをつけるといった判断は、プロジェクト全体の推進力に直結します。この考え方は、データ分析に限らず、ほぼ全ての業務に関わるものです。

 

まとめ

データ分析は、通常の業務と同じように基本の型があったり、コツがあったりします。これまでデータサイエンスには関わらなかった初心者の方も、正しい手法を身につけて実践を繰り返すことで、利益を最大化できるデータサイエンティストを目指しましょう。

この記事の執筆・監修者
Aidiot編集部
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。

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