IoTとは?
皆さんはIoTという単語を知っているでしょうか?
IoTという言葉は近年ではよく見かけられるようになり、私たちの生活をより豊かにするために必須の考え方になっています。実はこれは「Internet of Things」の略で、簡単に言うと、さまざまなものをインターネットに接続させるとった技術のことを指します。
例えば、私たちの身の回りにある家電が良い例です。最近では、センサーを用いて自動で掃除をしてくれる掃除機や、外出中でも操作可能なエアコン、中に入っているものの量に応じて温度を変える冷蔵庫など、インターネットとつなげることにより、利便性が向上しているようなものが多くあります。
そんなIoTですが、以下ではIoTで使われているデータの種類や収集方法・プラットフォームについてご紹介したいと思います。
IoTで活躍するデータの種類
まず初めに、IoTで活用されるデータの種類について、代表的なものをいくつか見ていきましょう。
行動履歴
行動履歴とは、利用者の行動をITデバイスが管理するといったもので、商品の購入履歴や、閲覧履歴、公共交通機関の乗車履歴などがあります。これらを用いることで、利用者のよくする行動を検出することが出来るため、利用者に合ったおすすめのサービスを提供することが可能です。
画像・映像データ
ITデバイスのカメラ機能が記録した画像や映像データを、遠隔で確認したり、その画像について分析したりすることが出来ます。よくAIの画像認識技術とともに用いられて、防犯カメラに映った人物の特定や万引きの防止などのセキュリティ面に多く使われたりしています。
在庫情報
最近では、店舗に在庫情報を管理するようなITデバイスを導入しているといった事例も少なくありません。これを導入することで、在庫数が自動で算出されるため、人間の手を加えることなく入荷量を判断することが出来たり、売り上げを確認することが出来たりします。
位置情報
GPS機能を使うことで、ITデバイスの位置情報を確認することが出来ます。最近の運送会社はこれを導入しているところが多く、利用者がオンライン上で購入した商品の現在の状況を利用者自らインターネットで確認できるといったものです。
また、このような機能は運送会社のみでなく、一般の方が利用するケースもあり、貴重品に位置情報がわかるITデバイスを導入しておくと、それが紛失した時にスマートフォンを使って場所の特定が可能になります。
生体情報
人間の体にIoTデバイスを取り付けることで、その人の生体情報を得ることも可能です。具体的な例としては、腕時計をデジタル化したものなんかがあげられます。常につけておけば、その人の心拍数、睡眠の状態、運動量などを記録することが出来るため、ヘルスケアの観点から見て非常に有用なものとなっています。
環境情報
温度、湿度、光や音といった環境情報をITデバイスを使って取得し、それを利用する動きも進んでいます。家やビル、工場なんかで、こうした情報を取得するためのセンサーが導入されています。
IoTデータ収集方法
ここまで、どのような種類のデータがIoTに活用されているのかを紹介してきましたが、ここからはどのようにそのデータを収集すればよいのかを考えていきましょう。
IoT化を進めるために必須となるこのデータ収集ですが、実際に収集するためには、まずどんなIoTデータを収集すべきかを考える必要があります。現状抱えている課題は何なのかを考え、IoTをどこに導入するのかを明確に判断することが出来れば、計画的なデータの収集が可能です。当たり前のことかもしれませんが、これがIoTデータの収集方法におけるポイントです。
では、データ収集のポイントを説明したところで、IoTデータの取得のためのステップをご紹介いたします。
【ステップ1】データのインプット
収集したいデータが得られる設備に、データ収集が出来るセンサー等のIoTデバイスを導入します。これは、これまで人間が手作業で行ってきた処理を、IoTへと移行するためのステップということになります。
【ステップ2】インターネットとの接続
IoTとは、冒頭でも述べた通り様々なものをインターネットにつなげる技術のことなので、モノとインターネットとの接続を行う必要があります。これを行うことにより、モノの遠隔からの操作や情報管理を行うことが出来ます。
【ステップ3】データ収集をして「見える化」を行う
インターネットを使って集めたデータを「見える化」するために、パソコン等のデバイス上でデータを管理・保管できるサーバを用意します。また、さまざまな状況に対応できるように、他のシステムや環境にも連携できるシステム基盤が必要となります。
IoTデータ活用に使用する産業用IoTプラットフォーム
ここまでIoTデータに関するさまざまな情報を紹介してきましたが、最後に産業用IoTプラットフォームをいくつかご紹介します。
ここで、産業用IoTとは、その名の通りIoTの中でも特に産業用途で使われるものです。例えば、製造業におけるファクトリーオートメーション等があり、工場にある機械にセンサーを導入して、遠隔で稼働状況を認知するといったものになっています。
では、そんな産業用IoTのプラットフォームを実際に見ていきましょう。
ThingWork
まず一つ目が、PTCが提供するThingWorkといったものです。こちらは、IoTアプリケーション開発を行う際にコードが不要といった特徴があるほか、IoT機器から得たデータをARコンテンツとして表示することも可能になっています。
Microsoft Azure IoT
こちらは、マイクロソフト社のサービスであるMicrosoft Azure上で提供されているプラットフォームです。このプラットフォームには、同社が開発している機械学習やAIが組み込まれており、取得・蓄積したデータを迅速・正確に分析し、利用することが可能です。
Industrial IoT Platform
Industrial IoT Platformとは、NECが提供するプラットフォームです。こちらのプラットフォームでは、IoTで収集・蓄積を行ったデータを測定して記録したり、さらにその記録したデータを使ったりすることで、起きている出来事の把握や改善に用いられます。
COLMINA
COLMINAは、富士通が提供するプラットフォームです。こちらは製造業に特化したもので、製造ラインの停止予測や作業の分析など、収集したデータを用いて分析し、それを業務の効率化に活用するための機構を保持しています。
Lumada
Lumadaは、日立製作所が提供するプラットフォームです。同社は、もともと工場機器の制御や運用に関する技術の蓄積と、製造業特有の課題に対する解決策を持っているといったことが強みになっています。また、代表的なソリューションをポータルサイト上で公開しており、前もって情報収集することが可能です。
MindSphere
MindSphereとは、シーメンスが提供するプラットフォームです。こちらはAmazon AWS上で稼働できる等のオープンなPaaS機能を持つといったことが特徴で、データの分析に必要なアプリが多数用意されています。これにより、多種多様なアプリを開発し、配布することが容易になります。
まとめ
以上、IoTにおけるデータの種類や収集方法、プラットフォームについて見ていきましたが、IoTに関する知識は少しでも深まったでしょうか。
IoTとは、モノとインターネットをつなげるといったもので、昨今の日本では様々なものをインターネットと関連付けることでその利便性を増しています。状況を把握したり、その把握内容から何かを調整したり活用方法は様々ですが、今後はより多くのものにこのIoTの技術が適用されるようになるでしょう。
そんな世の中を迎えるためにも、IoTについての知識を皆様に少しでも蓄えていただければ幸いです。
この記事の執筆・監修者
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。