カーボンクレジットって?カーボンクレジットを活用して脱炭素社会を実現

カーボンクレジットって?カーボンクレジットを活用して脱炭素社会を実現

カーボンクレジットとは、

CO2など温室効果ガスの排出削減量を、主に企業間で売買可能にする仕組みです。

地球温暖化をはじめ、環境問題の解決を目指して、多くの企業がカーボンニュートラルの実現へ向けて対策に取り組んでいます。カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量から吸収量・除去量を差し引き、全体で実質ゼロにすることです。

その際、この「カーボンクレジット」を用いることで、取り組みを実施しやすくなります。

一定量のCO2を削減することで得られるこの「クレジット」は、市場で取引することができます。つまり、自らの排出量を抑えた企業は、余剰分のクレジットを必要とする他の企業に売ることが可能です。

このシステムを利用することで、全体のCO2排出量削減を促進しつつ、経済的なインセンティブを企業に提供し、持続可能な環境保全に貢献しています。

 

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国内外のカーボンクレジットの現状

カーボンクレジット市場は、国内外で異なる展開を見せています。

日本では、企業間の自発的な取引が主流で、政府も炭素排出量削減に向けたインセンティブの提供を強化しています。

一方、国際的には、パリ協定に基づく国家間の取引が活発化しており、発展途上国での排出削減プロジェクトが注目されています。

これらの動向は、国ごとの環境政策や経済状況に大きく依存し、各国の取り組みによってカーボン市場の未来が形作られています。

 

カーボンクレジットの仕組み

出典:カーボン・クレジット・レポートの概要 p.14|経済産業省

カーボンクレジットの取引制度には、大きく「ベースライン&クレジット」と「キャップ&トレード」の2種類があります。

ベースライン&クレジット

ボイラーの更新や太陽光発電設備の導入、森林管理等のプロジェクトを対象に、そのプロジェクトが実施されなかった場合の排出量及び炭素吸収・炭素除去量の見通し(ベースライン)と実際の排出量等の差分をクレジットとして認証するものです。

カーボン・クレジット購入者は、カーボン・オフセットに代表される自主的な活用や、種類によっては公的制度への活用も可能であり、また、カーボン・クレ ジット創出者は、カーボン・クレジット販売収益を得ることができます。

キャップ&トレード

特定の組織や施設からの排出量に対し、一定量の排出枠を設定し、実排出量が排出枠を超過した場合、排出枠以下に抑えた企業から超過分の排出権を購入する仕組みです。欧州や米国カリフォルニア州、中国、東京都・埼玉県などで公的機関によって導入されています。

カーボンクレジットの種類

カーボンクレジットには、国連主導の国際的なカーボンクレジット、政府が運営するカーボンクレジット、民間主導のカーボンクレジットの3種類が挙げられます。

国際的なカーボンクレジット

・CDM(Clean Development Mechanism)クリーン開発メカニズム

国連が主導するカーボンクレジットで、京都議定書で規定された制度。先進国と途上国が共同で温室効果ガス排出量削減プロジェクトを途上国で実施する場合、先進国側が資金や技術を投資し、削減された排出量を先進国側に移転できる仕組み。

 

・JCM(Joint Crediting Mechanism)二国間クレジット

パートナーとなる途上国に脱炭素技術、製品、システム、インフラなどの普及や対策を通じ、温室効果ガス排出量削減や炭素吸収などを実現します。途上国での削減・吸収量への貢献を定量的に評価し、自国の削減目標達成に活用する制度。

日本のカーボンクレジット

・J-クレジット

2013年に開始された、環境省、経済産業省、農林水産省が運営するベースライン&クレジット制度。省エネ・再エネ設備の導入や森林管理などで実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量をJ-クレジットとして認証するもので、クレジットの購入者は自社の削減量に充当することが可能です。

・地域版J-クレジット制度

J-クレジット制度文書に沿って温室効果ガス排出削減・吸収量をクレジットとして認証する、地方公共団体が運営するクレジット制度。

民間主導のカーボンクレジット

・Verified Carbon Standard (VCS)

2005年に設立された認証基準・制度で、世界で最も広く活用されているボランタリークレジット。

 

・Gold Standard(GS)

2003年に、WWF(世界自然保護基金)などの国際的な環境NGOによって設立された認証基準・制度。持続可能な発展への貢献度を認証・保証する民間主導の制度。

カーボンクレジットのメリット・デメリット

メリット

企業はカーボンクレジットを購入することで排出量をオフセットでき、カーボンクレジットを通じて、自社のCSR(企業の社会的責任)活動へ繋げることができます。

カーボンクレジットを販売する側は、自らが創出したクレジットを販売することで、さらなる温室効果ガス削減のための設備投資資金を調達できるというメリットがあります。

カーボンクレジットは様々な産業のサプライチェーン排出のオフセットにも利用できるため、多排出産業のみならず、幅広い産業での活用が期待されています。

 

デメリット

 

制度がわかりにくく、ハードルが高い

カーボンクレジット制度の運用ルールや申請方法が複雑でわかりにくいという課題があるため、カーボンクレジットのルールや、認証機関についてきちんと調査する必要があります。

 

・信頼性を測る基準がない

カーボンクレジットの認証は各認証機関によって基準が異なるため、不正確な排出削減の報告や過剰なクレジットの発行が市場を歪め、実質的な環境改善につながらない場合もあります。そのため、カーボンクレジットの効果を最大化するには、厳格な基準と監視体制が求められます。

 

ビジネスの活用事例とは

カーボンクレジットを活用するビジネスの例として、航空会社や製造業があります。

全日本空輸株式会社

ANAグループでは、お客様の利用時や希望の区間に相当するCO2排出量を計算し、クレジットとして購入することで排出量を相殺することができる「ANAカーボンオフセット プログラム」を提供しています。

提供するクレジットは、厳しい認証基準(J-クレジット、ゴールドスタンダード、VCS など)を満たした地球温暖化防止プロジェクトで、クレジットの購入は、プロジェクトに直接的に支援をすることが可能となり、かつ、CO2排出量を間接的に削減・吸収することができます。

(参照:ANAカーボンオフセット プログラム

三井物産株式会社

三井物産では、JCM(二国間クレジット)を活用し、カンボジアで森林保全を通じた温室効果ガス排出削減プロジェクトを実施しています。対象地域では違法な伐採の取り締まりのための森林パトロールや、森林伐採に依存しない代替生計手段を地域住民に提供しています。

(参照:森林保護による排出権創出(JCM) /カンボジア

 

これらの企業は、環境保全プロジェクトへの投資によりカーボンクレジットを獲得し、自社の排出削減目標達成に役立てています。クレジットを購入することで、排出権を持たない新興企業や小規模事業者も環境目標に貢献可能です。

これにより、持続可能なビジネスモデルへの移行を促進しながら、顧客からの信頼を得ています。

 

アイディオットが支援するカーボンニュートラル

アイディオットは、カーボンクレジットを利用して脱炭素社会を支援するための取り組みを推進しています。

再生可能エネルギーのプロジェクトや森林保全活動に投資することで、カーボンクレジットを獲得し、それを企業の排出削減目標達成に活用しています。

この取り組みは、企業が環境負荷の低減を図りつつビジネス活動を継続できるようにするもので、顧客企業に対してカーボンフットプリントの評価や削減戦略の提案を行い、環境と経済の両立をサポートしています。

 

まとめ

カーボンクレジットは、企業や個人が排出する温室効果ガスの量をオフセットするために使用される制度です。

カーボンクレジットはカーボンニュートラルの達成に貢献することが期待されており、SDGs目標7「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」につながっていきます。

 

この記事の執筆・監修者
Aidiot編集部
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。

 

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