機械学習を用いた顔認証の仕組み・メリット・活用事例を紹介

機械学習を用いた顔認証の仕組み・メリット・活用事例を紹介

機械学習における顔認識とは?

近年におけるコンピュータの発展は著しく、現在では私たちにとって欠かせないものとなってきています。その中でも特にAIはここ数年で大幅に進化しており、私たちの身の回りの様々なところに使われています。そんなAIの技術の一つとして顔認識は位置づけられます。

顔認識と聞いて私たちが真っ先に想像するのはやはりスマートフォンの顔認証ではないでしょうか。今となっては当たり前のように使われている機能ですが、これも立派な顔認証の例です。また、そのほかにも企業の入退出を管理する際に用いられたり、試験会場などで本人確認を行う際に用いられたりしています。

顔認証技術は、目や口、鼻などの特徴的な部分に合わせて輪郭の形などを用いて照合しており、基本的にはなりすましが難しいために、現在ではパスワードやカギの代わりに使われたりしています。

 

顔認証技術のメリット

先ほど、顔認証は従来のパスワードやカギの代わりに使われているといったことを述べましたが、具体的に主なメリットには以下の4つがあります。

① セキュリティが硬い

まず一つ目のメリットとして、セキュリティの硬さがあげられます。もちろん、鍵でしたら他人に盗まれたり、どこかへ落してしまったり、うっかりなくしてしまったりすることが少なからずあります。しかし、顔認証ではそのような心配はありません。私たちの顔が鍵になるからです。

また、パスワードを用いた場合も同様に、他人に盗まれてしまったり、もしくはパスワード自体を忘れてしまったりすることがあります。これに関しても顔認証を用いればすべて解決することが出来ます。

以上より、顔認証を用いればセキュリティの面で心配することはあまりなく、また、なくしてしまったり忘れてしまったりする心配もないので利用者がストレスを溜めることなく使用することが出来ます。

② 衛生面において優れている

先ほどまで、顔認証と鍵やパスワードとの比較を行ってきましたが、もう一つ我々と親しみ深い認証方法があります。それが指紋認証です。指紋認証では、顔認証と同じようになくしたり盗まれたりする心配がないので、セキュリティが硬いといえます。では、指紋認証と顔認証との違いは何でしょうか?

それは、顔認証が非接触なところにあります。指紋認証と聞いて思い浮かぶものといえばやはりスマートフォンのロック解除や、クレジットカード等を使う際のパスワードの代わりの使用などです。これらはもちろん、スマートフォンのホームボタンに触れることになりますよね。

スマートフォンなら指紋認証をするとき以外でも触れることがあるため、さほど問題はないようですが、では会社の入退出管理で顔認証の代わりに指紋認証を用いるとなったらどうでしょう。何人もの人間が部屋に入る際に触れることになります。昨今では特に新型コロナウイルス感染症の影響で衛生面を気にしている方は多いのではないでしょうか。その点で顔認証のほうが優れていると考えられます。

③ 導入容易

顔認証の際に使う機器といえば、何かしら人間を写すことのできるモニタと、そのデータを保存するためのサーバーのみとなります。導入コストや導入ハードルが低いことも、顔認証の良いところだと考えられますね。

④ 不正防止可能

入退室管理を顔認証ではなく、鍵で行った場合、内部の人間が外部の人間に鍵を盗まれない限りは安全。そう考えるかもしれません。ただし、これでは内部の人間が不正を行おうとした場合比較的簡単に行うことが出来ます。なぜなら、内部の人間はいつでも入退出自由だからです。

顔認証を用いると、認証時のデータが保存されるため、だれがいつ入退室したのかがわかります。これにより、外部のみならず内部からの不正の防止にもつながるのです。

導入する際の注意点

先ほどまでは、他の認証方法と比べて顔認証の良いところをひたすら挙げてきました。ここではそんな顔認証を導入する際の注意点についていくつかまとめてお話しします。

① 認識レベルの確認

パスワードやカギを用いた認証の場合、適切なパスワードを入力したり、適合するカギを使ったりして認証されないなんてことはもちろんないですよね。パスワードが勝手に変わるなんてことはないですし、家の鍵を持っていれば毎日そのカギで家に入れます。でも、顔認証は場合によってそうではないかもしれません。

顔認証の認識レベルをきちんと確認していないと、本人なのに認証拒否されてしまったり、他人なのに受け入れてしまったりすることが起きかねません。こんなことが頻繁に起こったら大問題ですよね。なので、認識レベルは導入する際に念入りに確認する必要があります。

② 環境による精度の変化

顔認証は、機械が人間の顔を確認することによって行えます。なので、逆光が強い屋外や、極端に暗い場所ですと、精度が低下してしまう恐れがあります。どのような機器を使うかで、逆光に弱いのか、暗さに弱いのかが変化するため、こちらも導入前に確認し、その機器にあった場所に設置するべきです。

 

顔認証の活用例

顔認証が使われている例として、スマートフォンのロック解除や、入退出管理を考えてきました。最近では、さまざまな分野で使われるようになっているので、もちろん用途はこの二つにとどまりません。そこで、いくつか顔認証の活用例を紹介したいと思います。

① 加工アプリ

私たちの身近な例としてまず挙げられるのが加工アプリです。加工アプリとは、顔のパーツの位置を機械がとらえて、顔にメイクなどの加工を施したり、スタンプを顔のパーツにくっつけて写真を撮影したりすることが出来るアプリのことで、誰しもが一度は見たことがあるのではないでしょうか。

最近では、通常のカメラよりもこの加工アプリを使った写真のほうがSNSでは主流のようで、さまざまなインフルエンサーなんかも使っていますよね。

② AIによる検温

こちらも最近いろんなところで見る顔認証を使った事例です。昨今では、新型コロナウイルス感染症の影響で飲食店やショッピングモール、服屋や美容院など様々なところで検温をする必要があります。その際に人間が一人一人を検温していたらとても時間がかかります。美容院等ならばそれでよいのかもしれませんが、ショッピングモールを考えると、膨大な時間を要することは容易に想像できると思います。

これを解決するのがAIです。AIによる検温では、わざわざ人が人の体温を測るわけではないので、スムーズに検温を行えます。

また、それ以外にも人件費削減といった利点もあります。先ほど少し述べた通り、顔認証システムの導入は比較的容易なので、これを活用しない手はないですね。

③ 万引き防止のためのAI

AIを使えばなんと万引きのような犯罪も発見・抑制することが出来ます。これは、ウェッジ株式会社といった会社が実際に開発し、試験運用されたもので万引きの抑制にAIが貢献していることがわかりました。具体的に何を行うのかというと、店内にいくつかのAIカメラを導入し、不審な動きを発見し次第店内にいる店員に通知します。これがより進化して我々の身近に設置されれば、万引きを確実に防ぐことができ、万引き自体がなくなる可能性も示唆しています。

 

まとめ

ここまで顔認証について、導入するメリットや活用例を述べてきましたが、やはりまだまだ進化の余地があるのがこのAI分野です。今後私たちの身の回りのものがAIに取って代わられる日もそう遠くありません。AIについての知識を付けつつ、さらなるAIの進化に期待しましょう。

この記事の執筆・監修者
Aidiot編集部
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。

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