近年、ユーザーがアプリケーションを使用することが当たり前になり、開発者もアプリケーションの多様化により、様々な開発がされています。
しかし、多様化する反面、複雑化する構成に対して、仕上がりに差が出てしまうことも事実です。大規模なプログラミングにおいて標準化をすることはメリットがとても大きいと言えます。本記事では、アプリケーション開発のIT基盤構築による、位置づけ、標準化について解説していきます。
IT基盤(システム)とは
IT基盤とは、ITにおけるインフラ(インフラストラクチャー)のことをいいます。
インフラとは、物事の土台となることをさす言葉なので、ITおける土台となる部分のことになります。IT基盤をしっかりと管理することで、情報漏えいや、システムの不具合に対する対処をより迅速に行うことが可能になります。
IT基盤は、土台となるインフラの部分とアプリケーションの部分に分けられます。
アプリとインフラ
インフラは、パソコンやサーバー、ストレージなどのハードウェアと、LANやOS、データベース、アプリケーションサーバーなどのソフトウェアの部分に分類されます。
ハードウェアの定義としては、電源機器などの有形のIT機器はハードウェアに分類されます。ソフトウェアは、コンピュータの動作をするための命令プログラムになります。アプリケーションの動作を支えることも目的の一つになります。アプリケーションは、メールやインターネットブラウザなどのツールのことをいいます。
アプリケーションを動作するために必要なものがソフトウェアになります。アプリケーションを動作させるためには、ハードウェアを起動し、ソフトウエアによる動作の上での起動が必要となります。
アプリケーション基盤とは
アプリケーション基盤とは、アプリケーションを開発するために必要なインフラ(土台)となる部分のことをいいます。
アプリケーション基盤は、フレームワークを活用し、組み合わせることで基盤を作成していきます。近年は、従来のスタイルではなく、オープンシステム型が多くなり、アプリケーションの開発が多様化してきている反面、複雑になってきている背景もあります。
アプリケーション基盤を用いることは、複雑化されてきている昨今のアプリケーション開発において重要なことといえます。
アプリケーション基盤運用・保守の課題
アプリケーション基盤を標準化運用していない場合、課題になる部分がいくつか出てきます。アプリケーションに不具合が生じた場合の原因の一つとして、アプリケーション開発の際に標準化出来ていないため、作成時の品質のバラつきにより起こると考えられます。
アプリケーションに不具合などが生じた場合、原因を突きとめて復旧をすることに時間を要します。それにより、業務に支障がでてしまい、コスト面での負担が大きくなります。アプリケーションを再起動できなかった場合、一から構築しなければなりません。
従来の方法であれば、製作によるコストと同じ現象が起こってしまうリスクがあります。しかし、アプリケーション基盤を使用していれば、標準化が可能になるため、コスト、リスクともに防ぐことが可能になります。
アプリケーション基盤の標準化
アプリケーション基盤を活用することで、標準化を進めることが出来ます。
標準化とは、物や事柄を統一し、利便性や品質の向上をさせることをいいます。アプリケーション構築の普及により、多様化している反面、トラブル時に対処が難しいことが従来の欠点ではありました。
アプリケーション開発の際に基盤を活用し、標準化することで、どの部分にトラブルがあったのかが分かりやすくなり、早い段階で解決が可能になります。
アプリケーション基盤標準化のメリット
上記でも記載しましたが、アプリケーション基盤標準化が出来ていない場合、トラブル時に迅速な対応が難しい場合があります。アプリケーション基盤標準化をするメリットは数多くあります。
コスト削減
アプリケーション基盤標準化をすることで、統一した基盤を使用するため、効率的な作業が可能となり、コストカットができます。また、トラブルの際に迅速な対応が可能となり、業務の支障を最低限にし、コストカットが可能になります。
品質向上
アプリケーション基盤が標準化することで、アプリケーション仕様を変更することが容易になります。それにより、品質を向上させやすくなります。
トラブル防止
細かい保守点検により、事前にトラブルを察知し防止することができます。また、トラブル時の問題箇所を特定しやすいため、防止が可能になります。
アプリケーション基盤標準化の方法
アプリケーション基盤標準化をすることは、品質向上やコスト削減が目的となります。
標準化に必要な工程について解説していきます。
MVCアーキテクチャの採用
MVCアーキテクチャとは、Model(モデル)、View(ビュー)、Controller(コントローラー)の3つからデータを処理する方法です。
modelは、登録、検索、データ処理などをする部分です。
Viewは、入力や出力を行う画面のインターフェースです。
Controllerは、ModelとViewを繋ぐ役割があります。
この3つで処理をしています。
MVCアーキテクチャを採用することで、拡張に対して柔軟な対応が可能になります。
処理の共通化により、トラブル時の問題点を見つけやすく、時間短縮が可能になるため、品質の維持やコストカット、時間短縮が可能になります。
機能を分散しているため、作業効率が上がり、柔軟な対応が可能になります。
DIの採用
DIとは、Dependency Injectionの略で、依存性の注入を意味します。
紐づいていて修正などが難しい部分に対して、その部分を緩めて、つなぎ目を外部のファイルで修正することをいいます。各機能部品化をすることで、一つ一つのパーツの情報を理解しやすく、管理がしやすくなります。
各部分が部品化しているため、トラブル時に原因を見つけやすく、対処がしやすいです。部品自体の強化や、テスト用の部品を使用してのテストなども可能になるため、コストカットや時間短縮が可能になります。
テスト自動化ツールの活用
テスト自動化ツールとは、プログラムが正常に作動しているか自動でテストしてくれるツールです。
手動でのテストをすると、ヒューマンエラーによるミスも多くなり、効率的に業務を遂行できません。自動化ツールを使用してテストをすることで、多くのテストを行うことができ、システムやプログラムのトラブルを最小限にすることができます。
まとめ
アプリケーションの基盤構築を標準化することで得られるメリットは大きいです。
以前の方法だと、大規模でのプログラミングなどをする際は、品質にバラつきが出てしまいます。アプリケーション基盤を活用し、標準化をすることで、品質向上も可能になり、万が一トラブルがあった場合も、迅速に対応し、業務の支障を最小限にすることができます。
カスタマイズ性のある昨今の方法は、さまざまな方法が可能になりますがその反面、安定していないことや、方法のバラつきがありますアプリ江―ション基盤を標準化し、足並みをそろえることで、組織全体でのクオリティの向上とコストカットが可能になります。
従来の方法でアプリケーション構築をされている方は、標準化を目指すことをオススメします。
この記事の執筆・監修者
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。