脱炭素に直面する自動車業界、どんな取り組みが求められているのか?
日本経済をリードする自動車業界は、脱炭素化の潮流を受け、エコカーへのシフトという大転換が迫られています。ここでは、自動車業界に求められる取り組みや海外の自動車メーカーの動向についてご紹介します。
走行中にCO2を出さない「EV」「FCV」
地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を排出しないような経済社会、ライフスタイルへの転換を意味する脱炭素。日本経済を背負ってきた自動車業界にも、同様のシフトが求められています。
これまで主流であったガソリン車(ICE、内燃エンジン)は、走行にあたってCO2を排出します。そのため、CO2を出さずに走行できる電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)といったエコカーに多くの関心が寄せられています。街中でも、いろいろな車種のEVを目にすることが増えてきました。
EV(Electric Vehicle)とは、エンジンを搭載せず、モーターで走る車です。バッテリーを内蔵しており、電気を充電して走行するため、CO2を排出することがありません。
一方、FCV(Fuel Cell Vehicle)は「燃料電池自動車」と言い、水素と酸素の反応で電気をつくり出し、モーターで走行する自動車のことです。水素スタンドで水素を充填する必要があり、走行中には水しか出さないため“究極のエコカー”とも言われます。
現在、国内外の多くの自動車メーカーがEVなどの開発に力を入れています。同時に、充電スタンドといったインフラの整備も急がれているところです。
EVへのシフトを表明した海外の自動車メーカー
こうした中、海外の自動車メーカーの中には、すでにEVへのシフトを宣言した企業もあります。
例えば、スウェーデンのボルボは2021年3月、2030年までにEVのみの製造とすることを宣言しました。ハイブリッド自動車を含め、ICEを段階的に廃止するとして大きな話題となりました。
(参考:2030年までにすべてのボルボ車をEVへ | VOLVO CAR JAPAN PRESS SITE)
また、同じ時期に米国のフォードも、2030年までに欧州で販売する自動車をすべてEV化すると発表しています。
このように、欧米の自動車メーカー各社が相次いでEVへと舵を切り、今年1月には、ルノー・日産・三菱のアライアンスが2030年に向けてEVに注力するという「Alliance 2030」を打ち出しました。
(参考:https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/220127-02-j)
こうした流れは今後も続き、EVの開発も激しさを増していくと予想されます。車種そのものの開発に加え、充電スタンドや充電サービス周辺に参入する企業も増え、多様なソリューションが生まれていくことが期待されます。
タグ:脱炭素,自動車業界,EV,FCV