今さら聞けない再生可能エネルギーとは? メリット・デメリットをわかりやすく解説
よく耳にするようになった「再生可能エネルギー」という言葉。再生可能エネルギーといえば太陽光発電をイメージする方も多いかもしれません。実は、再生可能エネルギーには他にもいろいろな種類があるのです。今回は、再生可能エネルギーとは何か、メリットやデメリットについてわかりやすく説明します。
再生可能エネルギーとは
再生可能エネルギーとは、自然界に存在する枯渇しないエネルギー源のことで、具体的には太陽光や風力、水力、地熱などを指します。また、海水の温度差や波の力、潮の満ち引きなども含まれます。このように、永続的に存在する自然の力を活用したものが再生可能エネルギーとされています。
一方で、石油や石炭といった化石燃料も自然界に存在するエネルギーですが、これらは再生可能エネルギーには含まれません。というのも、こうした化石資源はいずれなくなる(枯渇する)エネルギーだとされているからです。
主な再生可能エネルギーによる発電の方法には、以下のようなものがあります。
太陽光発電
シリコン半導体に太陽の光が当たると電気が生まれるという現象を活用したのが、太陽光発電です。建物の屋根の上など、いろいろな場所で発電をすることができます。小規模なものから大規模なものまで、さまざまなタイプの太陽光発電設備が登場しています。
風力発電
風の力で風車を回し、風車の回転する力で発電する仕組みです。陸上に風車を設置するだけでなく、海上に設置できる風車もあります。ヨーロッパの北海などでは海上に風車を設置する洋上風力発電がさかんです。
水力発電
水が高いところから低いところへ落ちる力によって水車を回し、発電します。日本では、古くからダムを使った発電方法として全国各地で利用されてきました。最近は、河川を活用した比較的小さい規模の小水力発電も行われています。
地熱発電
地中奥深くにあるマグマの熱エネルギーを使って発電する方法です。日本では、温泉の多い北海道や東北、九州地方で実用化されています。
再生可能エネルギーのメリット
再生可能エネルギーを使うことによるメリットは、大きく3つあります。まず、発電の際に地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を出さないこと。再生可能エネルギーによる発電では、化石燃料を燃やすことがないためCO2が発生しません。他にも、大気汚染物質なども出さないため、クリーンなエネルギー源とされています。
2つ目のメリットは、エネルギー源が枯渇しないことです。資源量が限られる石油や石炭、天然ガスといった資源とは異なり、太陽の光や風は尽きることがありません。そのため、持続可能なエネルギーだと考えられているのです。
3つ目は、日本国内でつくることができるエネルギー源であること。日本国内でとれる化石資源だけでは、全国のエネルギーをまかなうことができません。そのため、日本は今、エネルギー源のほとんどを海外からの輸入に頼っています。一方で、再生可能エネルギーは日本国内でもつくり出すことができるため、国際情勢などに左右されにくいエネルギー源として注目されています。
再生可能エネルギーのデメリット
一方で、再生可能エネルギーにはデメリットもあります。太陽光発電や風力発電は、発電量が季節や天候などによって増減します。燃料を燃やすことで発電出力のコントロールしやすい火力発電とは異なり、出力が変動するという点がデメリットだと考えられています。
また、太陽光発電や風力発電は、まだ発電コストが十分に下がっていません。そのため、以前から利用されてきた発電方法と比べてコストが割高だとされています。補助制度などによって、発電コストを引き下げる努力が行われていますが、より一層のコスト低減が大きな課題となっています。
再生可能エネルギーには、環境への負荷が少ない国産のエネルギーであるというメリットがある一方で、変動性や発電コストといった課題が残されていることがわかりました。地球温暖化を抑制するためにも、こうした課題を乗り越えるような努力が重ねられています。