最近よく聞く、カーボンニュートラルとSDGsって何?
最近はニュースなどで「カーボンニュートラル」や「SDGs」という言葉をよく聞くようになりました。しかし、こうした言葉を聞いたことはあっても、本当のところどのような意味なのか、なぜ近年注目されているのか、詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「カーボンニュートラル」「SDGs」の意味や関係性、なぜ関心を集めているのかといった背景などについてわかりやすく解説します。
カーボンニュートラルとは?
カーボンニュートラルとは、私たちの暮らしや経済活動などから出る二酸化炭素(CO2)を、森林などによる吸収量で差し引き、全体としてゼロにすることです。つまり、大気中のCO2を増やさないことから、カーボンニュートラルと呼ばれます。
カーボンニュートラルが近年関心を集めている背景には、気候変動の問題があります。
CO2をはじめとする温室効果ガスが大気中に増えすぎると、地球温暖化を引き起こします。地球温暖化は、熱波や干ばつ、豪雨といった極端な気象現象との関連性が指摘されており、こうした気候変動によって毎年さまざまな被害が発生しています。
そのため、深刻な影響をもたらす地球温暖化を食い止めるために、原因であるCO2を増やさないことが大切だと考えられているのです。こうした背景があって、カーボンニュートラルという考え方が注目を浴びています。
カーボンニュートラルとSDGsにはどのような関係がある?
カーボンニュートラルと同じ文脈で語られることも多いSDGs。「SDGs」とはSustainable Development Goalsの略で、日本語では「持続可能な開発目標」といいます。
もともとSDGsは、2015年の国連持続可能な開発サミットで採択されたアジェンダに盛り込まれていたもの。SDGsとは、2030年までに、誰一人取り残さない持続可能な世界を実現するために考えられた17の目標のことなのです。
出典)国際連合広報センター
このように、SDGsの17の目標にはさまざまなものがあります。このSDGsの目標のうち、13番目の目標が「気候変動に具体的な対策を」です。カーボンニュートラルを目指すことはこの目標と関係があると考えられるでしょう。
つまり、地球温暖化対策につながるカーボンニュートラルは、SDGsの目標のひとつに含まれているといえるのです。
気候変動の対策ってどんなこと?
では、SDGsの13番目の目標「気候変動に具体的な対策を」について考えていきましょう。具体的な対策として、一体どのようなことが考えられるのでしょうか?
気候変動を食い止めるには、まず、CO2を出さないような生活や経済に転換していくことが大切です。例えば、使っている電気を再生可能エネルギーで発電された電気に切り替えたり、ガソリン車を電気自動車(EV)に変えたりすることなどが挙げられます。
何より大切なことは、そもそも現在の暮らしや事業活動でどれだけのCO2を排出しているのかを調べて把握することだといえます。現状を知ることは、気候変動対策の重要な第一歩。これがCO2の削減目標を立てるなどのアクションにつながっていくのです。
海外で行われている気候変動対策の事例
例えば、ドイツでは「気候保護プログラム 2030」というアクションプランを策定し、CO2削減の具体的な目標を立てています。運輸分野を例に挙げると、2030年までに1990年と比べて40〜42%のCO2を削減することを目指しています。
この目標を達成するために「①鉄道旅客輸送の強化、②近距離旅客輸送の魅力向上、③CO2排出量の少ない自動車の普及促進、④充電インフラの整備」などを行うとしています。
また、同プログラムとは別に、2030年までに運輸分野で使う電気の28%を再生可能エネルギーとすることを求めるなど、さまざまな面から気候変動対策に取り組んでいます。
カーボンニュートラルが注目される背景には、地球温暖化や気候変動という問題があります。また、現在の世界は気候変動を含むさまざまな課題を抱えており、こうした課題をすべてクリアしようとするのがSDGsだといえます。