近年は過去と比較しても社会の変化するスピードが年々加速しています。そんな時代に長期的に企業を存続させるには、既存事業だけでなく新規事業にも挑戦していくべきです。ただ新規事業には投資も必要なので、早急に黒字化をクリアしないといけません。そこでこの記事では黒字化を出すために必要なことをご紹介していきます。
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一般的な新規事業の黒字化するまでの年数
通常新規事業を黒字化するまでの年数は、3年~5年必要だと考えられています。なぜそれだけの年数が必要なのか?新規事業は既存事業と違い不明な点も多く、試行錯誤しながら進めないといけないためです。
そのため新規事業を立ち上げてから、3年~5年で黒字化にして尚且つ5年~10年以内に初期投資を回収する計画を立てます。ただ新規事業は未知数になりますので、既存事業よりも計画を立てるのが難しく、更に計画通りにうまくいかないケースがでてきます。
黒字化しない場合の轍退基準の決め方
企業の繁栄のために挑戦した新規事業ですが、黒字化しないまま事業を継続するわけにはいけません。既存事業に影響するケースもありますので、轍退基準も決めておくべきです。ここからは、新規事業が黒字化しないときの轍退基準を5つ紹介します。
KPIで計算
KPIとは、簡単に解説すると計画に対しての達成度合を数値化したものです。具体的に数値化することで、現状計画に対しての進捗状況を把握することが可能です。そのため新規事業をこのまま続けていいのか?を判断する基準になります。
また数値化しているため、わかりやすく判断も主観的でなくドライにできるのが、KPIで計算するメリットです。
PLで決める
次の轍退基準はPLで決めることです。PLとは、簡単に解説すると会計上の損益のことです。企業は赤字を継続したままの状態では、事業を存続されることができないです。そのため新規事業をこのまま継続して大丈夫なのかを自社のPLを見て判断します。
ただPLで轍退を決めるのには難しさもあり、新規事業の初期投資の費用をどこまで計上するか他にも既存事業と共通しているコストや関連ソストをどのように考えるのかの判断が難しいケースがあります。
市場規模で決める
参入した新規事業における市場規模で、轍退基準を決めることもできます。参入当初は将来的にも大きくなる市場規模でも、時間が経つと縮小するケースもあり、このまま継続していいのかを判断します。
市場規模が成長しているケースや、新規事業における顧客が増加しているなど将来的に成功要因があるなら数年以内に黒字化する可能性があります。轍退するかの判断は難しいですが、的確な判断が自社の成長に大きく影響してきますので慎重に決断しましょう。
競合で決める
新規事業に参入している競合の状況で決める方法です。いくら自社の計画が良い状況でも競合が占めるシェアが大きいと将来的に新規事業における売り上げが奪われる可能性がでてきます。
そのため将来的に競合と競争して、勝てる可能性があるなら新規事業を継続するべきです。ただ競合と比較して、時間をかけても優位に立てる状況が見込めないなら轍退するかを考える必要があります。
自社リソースで決める
轍退基準を自社リソース決める方法もあります。自社リソースには、従業員や資金、情報や抱えている顧客など様々です。現在の自社リソースを再確認して、将来的に新規事業を引き続き行えるのかを判断します。
もし将来的に競争すれば、黒字化を目指せると判断できれば継続できますし、逆に難しいと判断するようなら赤字を多く抱える前に轍退するべきです。
黒字化以外にも決め方はある?フェーズ事の基準
新規事業を将来的に継続するのか?を判断するには黒字化以外にも方法が存在します。どのように決めるかと言うと、フェーズ事の基準で轍退基準を判断することです。
フェーズ1.売上
企業が新規事業に挑戦したときに、考える最初のフェーズは売上になります。どのような事業でも売上がないと継続して運営することは不可能です。そのため最初に集中することは、いかに最短で売上を上げるかになります。
もちろん最初からうまくいくケースは少ないです。そのため売上が上がってくれば成功事例としてノウハウを蓄積していき今度は売上を伸ばすことに集中していきます。もしこの段階で売上が上がらない、伸びない状況が続くなら轍退も考えないといけません。
フェーズ2.粗利
売上が上がり徐々に伸びてきているようなら、次に考えるフェーズは粗利です。粗利とは、売上から売上原価を引いた利益のことです。そのため商品原価を低く抑えることができれば、営業利益で黒字化をクリアできる可能性があります。
商品原価を低くする交渉を取引先として、原価を削減できれば売上を落とさずに粗利を多く残すことができます。もしこのフェーズをクリアできれば、新規事業で黒字化にするのも目前な状況です。
フェーズ3.営業利益
営業利益とは粗利から一般管理費を引いた最終的な利益です。新規事業の黒字化とは、この営業利益を赤字でない状況にすることです。そのためこのフェーズを考える状況まできたなら、新規事業を黒字化する目前になります。
ここまでくれば、新規事業から轍退しなくても一般管理費を少なくすることが可能になれば、黒字化はクリアできます。
新規事業を黒字化する際に気を付けること
新規事業を黒字化する際には、いくつか気を付けたいことがあります。改めて気を付けると新規事業が黒字化になる可能性が向上する事柄です。
立ち上げノウハウの仕組化
新規事業に挑戦する業界が初めてだと難しいですが、万が一今回新規事業がうまくいかない状況でも立ち上げノウハウの仕組み化を経験することができます。仕組み化することで、次に挑戦する新規事業を成功させる確率が向上します。
出来れば、近年は情報化の時代になりますので今回の新規事業に挑戦する前に、立ち上げノウハウを勉強するべきです。また同じ業界の成功しているモデルを情報収集や研究する時間があるようなら時間を投資する価値は十分にあります。
短期的な利益を求める
通常新規事業に参入するケースでは、黒字化するために3年~5年の時間が必要になり計画も合わせて立案します。通常の新規事業計画では長期間ではありませんが、時間をかけトライ&エラーを繰り返すことで黒字化をクリアする確立も高くなります。
ただ突然既存事業の影響から短期的な利益を求めるような計画変更すると、新規事業も目先の利益を追うことになりますので、赤字になる危険性が高くなりますので気を付けましょう。
メンバー選定のミス
新規事業に挑戦するメンバーは、通常社内の優秀なメンバーから選定することが大半だと思います。理由は社外からメンバー選定するよりも、社内の人的リソースを活用するとコストが低く抑えられるからです。
ただメンバー選定は慎重にしないといけないです。なぜなら新規事業が赤字になる要因だからです。既存事業で優秀な成績を残すスキルと新規事業の立ち上げスキルは別と考えるとメンバー選定のミスも少なくなります。
メンバーへのコミットメント
新規事業で選定したメンバーへのコミットメントは非常に重要です。メンバーのモチベーションが黒字化に成功せる鍵になるでしょう。新規事業の責任者や社長からの声がけや重要な仕事だと継続してメンバーに伝えることが大切です。
そのため、社内で自分から新規事業の立ち上げに参加したいメンバーがいるなら、迷わず選定するべきです。なぜなら新規事業を成功させるには、メンバーの行動力と困難にぶつかってもあきらめない気持ちが必要だからです。
まとめ
ここまで新規事業に挑戦したときに、黒字化に必要な年数や必要なことを紹介してきました。新規事業を黒字化できれば、企業の長期的な繁栄にも結びつきます。考えているだけでは何も変化しませんので、失敗を恐れずに新規事業に挑戦していきましょう!
そして、新規事業の立ち上げやマッチングの最適解を探求する際は「マッチメン」を活用することをおすすめします。私たちの経験と知識をもとに、事業の成功をサポートいたします。新しい挑戦をする際の強力なパートナーとして、マッチメンがお手伝いさせていただきます。
【支援企業】
・トヨタ自動車株式会社
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・阪急阪神ホールディングス
・株式会社エイチ・アイ・エス
この記事の執筆・監修者
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。