“走り出した”外国人ドライバー育成の最前線。 ―特定技能外国人ドライバー「第1号」認定を目指すミナミホールディングスの挑戦―

“走り出した”外国人ドライバー育成の最前線。 ―特定技能外国人ドライバー「第1号」認定を目指すミナミホールディングスの挑戦―

はじめに

この度アイディオットでは、荷主企業・配送業者・3PL事業者の皆さまが直面している現状や課題を明らかにし、それらに即したサービスの紹介を通じて、物流業界全体の理解促進と解決支援を目指す取り組みをスタートいたしました。

今後は、様々な課題に直面している物流企業様や、課題解決に向けた様々な取り組みをされている企業様へのインタビューを実施し、そのリアルな声を発信してまいります。

今回は、ミナミホールディングス株式会社 代表取締役社長の江上様にお話を伺いました。
​同社は、外国人ドライバーの育成と就労支援を行う「外国人ドライバー支援機構」を通じて、特定技能外国人トラックドライバーの国内第1号認定を目指すなど、物流業界の新たな常識を築いています。​
本インタビューでは江上様が掲げるビジョンや取り組みについてなど、貴重なお話をお聞きしました。

ぜひ最後までご覧ください。

ミナミホールディングス株式会社のこれまでの取り組み内容について教えて下さい。

私達は1956年の創業以来、南福岡自動車学校を中心に自動車教習所の運営や企業向けの安全運転研修、またはコンサルティング事業を中心に様々な事業を展開してきました。

2017年にはカンボジアへ進出し、現地では初となる外資系自動車学校「MINAMI DRIVING SCHOOL」を開校しています。
ここでは日本式の安全運転教育を提供し、現地で免許を取得した方を日系企業のハイヤードライバーとして就労支援する活動も行ってまいりました。

また、2024年からは日本での就労を希望するカンボジア人に向けた、特定技能外国人トラックドライバー候補生への日本式教習へも本格的に力を入れております。

現在、日本国内ではドライバー不足が顕著ですが、その一助となるよう、カンボジアの若者を日本で“外国人ドライバー”として紹介できれば良いなと考えています。

特定技能外国人トラックドライバーの国内第一号認定に向けた取り組みについて、苦労された点があれば教えて下さい。

クリティカルに苦労したという部分はないのですが、特定技能外国人トラックドライバー制度の導入当初は制度の詳細がまだまだ不透明であり、準備が難しい状況が続いていました。

その中でも徐々に入国要件として評価試験や運転免許取得、日本語能力(JLPT N4以上)が定められて行く中ではオペレーションの詳細も後から決まることが多く、広く迅速な対応が求められました。

また、本制度において、私達は“安全なドライバーの育成”が肝であると考えております。

当社はカンボジアでの日本式教習や日本での実践的な研修体制を長年にわたり構築してきたことが強みにあるので、今後も外国人人材となる方々が安心して働ける環境づくりと、安全教育の徹底という部分に関しては注力していきたいと考えております。

特定技能外国人トラックドライバー誕生‼第1号認定を目指し2025年春より埼玉県で就労予定https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000145602.html(外部リンク)

特定技能外国人ドライバー制度の現在の認知度についてはどのように感じていらっしゃいますか?

大手企業様は情報をいち早くキャッチアップし、自社で教育や労働支援機関を設立する動きも始まっているように感じています。

一方で、中小企業様の間ではまだまだ認知度が低く、抵抗感もあるのではないかと感じております。また、地方や小規模事業者様を中心には存在自体を知らないというケースもまだまだあるように感じています。

他にも、中堅企業様の間では特定技能協議会への参加や専門業者への業務委託を通じてリスク分散を図る傾向が強く、“特定技能外国人ドライバー”は新しい試みに積極的な一部の先進企業が先行して採用を開始している印象です。

今後、“外国人ドライバー”の方々が日本で活躍されるにあたり、懸念されている課題があれば教えて下さい。

例えば、日本とカンボジアでは左ハンドルや右側通行という根本的な違いがあります。しかし、操作面での慣れは短期間で習得が可能であり、あまり関係はないと感じています。

また、現地指導員の派遣による実践的なトレーニングも行っておりますので、このあたりは問題なく対応が可能であると考えています。その他、ジュネーブ条約に加盟している国であれば標識やルールは日本と大きく変わらないため、例えばカンボジアで安全運転ができれば日本でも問題なく活躍できると捉えています。

“外国人ドライバー”の方々のコミュニケーション面での課題についてはどのようにお考えですか?

特定技能外国人がトラックドライバーとして就労するにあたって、そもそも入国要件として日本語能力試験(JLPT)N4以上の取得が必要になっています。そのため、まず日常会話程度であれば問題なくコミュニケーションが取れるので基本的に大きな心配はありません。
それに加え、ミナミホールディングスでも実務内容を踏まえた継続的な日本語教育を行うことで、業務確認の会話なども問題ないレベルに引き上げられると考えております。

コミュ二ケーション面には総じてそこまで懸念しているポイントはありませんが、業務によってはもちろん日本語教育がより必要な部分も出てくると思いますし、認識齟齬のないコミュ二ケーションが取れるに越したことはありません。

そういった環境を整えるためにも、引き続き、丁寧なフォローと継続的なサポートは必要であると考えています。

今後の展望について教えて下さい。

特定技能外国人ドライバーを送り出す上で最も重要なのは、「安全教育の徹底」であると考えています。
私達はこのポイントを優先課題と位置づけ、今後ドライバーの数が増えてもその質を維持できるよう現地での教育内容や採用活動に対して継続的なフィードバックを行い、ドライバーの質の向上に努めてまいります。

また、日本国内での安全管理体制の強化も欠かせません。
ドライバーの運転挙動を定期的に評価し、必要に応じて追加教育を実施するなど、実践的なサポート体制を整えてまいります。

これらの取り組みを通じて、外国人ドライバーが日本で安心して長く活躍できる環境を整備し、物流業界が抱える人材不足の解消に少しでも貢献できればと考えています。

ミナミホールディングス株式会社(外部リンク)

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