企業は常にどの部分の業務効率を向上させ、問題点を改善すべきなのか分析する必要があります。今はデジタル機器の導入によって機能性の向上も検討することができ、上手くはまれば企業全体の効率化につなげることができるでしょう。
ただ、デジタルによる効率化のためには、その内容をしっかり把握しておくことが大事です。数ある機器の中にも社内ダッシュボードと言われるものがあります。これを利用するメリットや構築、開発の方法について紹介しましょう。
社内ダッシュボードとは?
社内ダッシュボードとは、いろいろなデータをグラフィカルにまとめて一目で理解することができるようにデータを可視化したものです。企業はいろいろなデータを集めて保存しますが、1つの機能だけで表示しているなら、全てを状況把握することができないため、様々な決定を行う点で時間がかかってしまうこともあるでしょう。
しかし、各事業業績や会社の経営状況、マーケティングのデータを可視化して1つの画面で確認することができるなら、素早く会社の状況把握や分析を行うことが可能です。多くのBIツールでもダッシュボードを実装しているため、利用を考えてみることができます。
社内ダッシュボードを利用するメリット
社内ダッシュボードを利用するならメリットがあります。どのようなメリットがあるのか確認することで前向きに導入を検討することができるでしょう。社内ダッシュボードは以下のポイントを確認しておきましょう。
効率化(コスト削減)
社内ダッシュボードを利用するならデータを全て可視化することができるため、業務の効率化を向上させることが可能です。データをまとめてグラフや表で統合表示させるなら、どこを改善すべきなのか問題点も直ぐに見つけることができます。
迅速に行動に移すことができれば、業務成績を向上させることができるだけでなく、余計な費用も抑えることができるためコストを削減することも期待できます。自社で業務データが膨大であれば、ダッシュボードによってまとめて確認することができるようにするのも良い方法でしょう。
各部署のKPI指標の設定・計測
ダッシュボードを利用することができれば、各部署のKPI指標の設定にも役立てることができます。部署によって業務の目標や目的は違い、業務内容によってはどれほど進歩しているのか分かりにくく感じることもあるでしょう。
しかし、ダッシュボードはコアビジネスの目標や部門の目標を視覚的に表示することができるため、それぞれの進歩状況を数値で理解することができます。部門ごとに数値によって目標を捉えることができれば、一部だけでなく部署全体の業績を向上させることに役立てることができるでしょう。
会社の業績・KGIの設定・計測
ダッシュボードは会社の業績を表すKGIの測定にも利用することができます。会社の業績を可視化することができるなら、企業の売上がいくら上下したのか、どの分野を目標とすべきなのか確認することが可能です。
また、可視化することで会社の業績の改善点を社内の全従業員に分かりやすく説明して共有させることも可能なため、KGIの達成に向けて取り組むことも可能です。KGIを用いて業績アップを狙う際にダッシュボードがあると、より効果を高めることに期待できるでしょう。
社内ダッシュボードの構築方法
ダッシュボードを構築させるなら、企業にとっても恩恵を得ることができるため検討してみることができます。ただ、どのように構築させることができるのか方法についても知っておきたいはずです。以下のポイントを紹介しましょう。
社内ダッシュボードの役割を明確にする
社内ダッシュボードを構築するためには、役割を明確にすることが重要です。役割が曖昧になってしまうと、データを可視化できたとしてもKGIやKPIにつなげることができず、業務の効率化につなげることができないこともあります。社内でヒアリングを行って、どのようなデータを可視化してまとめる必要があるのか、売上アップのためにどんな分野をダッシュボートで活用できるのか内容をまとめておくようにしましょう。
必要指標の洗い出し
社内ダッシュボードの構築には必要指標の洗い出しを行うことも重要です。ダッシュボートは様々なデータを可視化することができますが、目標達成のためにどの指標が必要なのか選択することが大事です。
例えば、商品の売上を伸ばすのが目的なら、新規顧客の獲得データやリピート率、商品の認知度などを指標とすることができるでしょう。必要指標を明確にすることでデータを見て直ぐに実行に移すことができます。社内や部署で必要データを話し合って構築に役立てるようにしましょう。
UI・UXを検討
UIやUXについても検討することが大事です。ダッシュボートはチャートや画面構成の設計などを行うことで、可視化したデータが見やすくなります。デザイン設計によって複数のデータをより一目で理解することができるため、社内で表す指標の数やジャンルに合わせて設計も確認しておくようにしましょう。
また、入力方法などもキーボードかマウスなどのポインティングデバイスを利用するかによって、作業のやりやすさが変わってきます。社内に合わせて、こちらもしっかり検討してください。
運用担当者を決める
ダッシュボードを構築するためには運用担当者を決定しておくことも大事です。ダッシュボードはさまざまなデータを取り扱うため、管理して可視化が分かりやすいように運用することが求められます。
さらに企業のビジネス事業の拡大やダッシュボード利用者の増加、市場の状況変化などによって追加や削減、数値の分析なども必要性が生じます。
ダッシュボードを完成させた後も定期的に見直しや活用状況や追加機能が必要か分析して修正をしていくため、デジタル技術に詳しい人に運用を任せて最適化してもらうようにすべきです。
社内ダッシュボードの開発方法
社内ダッシュボードの開発方法についても確認しておくことが大事です。社内ダッシュボードを開発するためには2つのやり方で行うことができるため、どれが自社に合うのか先に確認しておく必要があります。以下の2つの特徴について紹介しましょう。
スクラッチ開発
この方法は完全フルオーダーによってダッシュボードを開発していきます。必要に合わせて機能を追加していくため、自社にフィットしたダッシュボードを作ることが可能です。
ただ、スクラッチ開発の場合は、完全フルオーダーになっているため費用と時間が必要です。直ぐに開発することが難しいため、長期的な完成を目指しつつ、ある程度の出費を覚悟して開発を進めていきましょう。
パッケージ開発
この開発方法は既にあるシステムを使用して構築します。パッケージ開発の場合は既存のシステム利用のため、安い価格で作成でき、期間も短いため直ぐに導入することが可能です。
ダッシュボードを直ぐに利用してデータの可視化を行うことが期待できますが、既存のシステムを利用するので独自性を出すことに制限があり、必要としている機能を付帯させることが難しい場合もあります。ダッシュボードのシステムにこだわるならスクラッチ開発を利用するのがいいでしょう。
まとめ
ダッシュボードを構築することで、自社のデータを全て可視化して業務の効率化を目指すことが可能です。もし、部署や企業全体のマーケティング業務などを向上させたいなら、ダッシュボードの導入を考えてください。
この記事の執筆・監修者
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。