不動産業界の進化が脱炭素化を加速させる理由

不動産業界の進化が脱炭素化を加速させる理由

脱炭素化とは

脱炭素化とは簡単にいえば二酸化炭素の排出量が実質ゼロになっている状態のことを指し、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることができれば、地球全体の問題である地球温暖化の進行を食い止めることにも繋がります。

脱炭素化を進めるためには現在の状態では難しいことから、世界中で目標を設定して解決するために協力することが必要不可欠です。脱炭素化は2050年までに世界中で実施することを目標に設定していますが、達成のためには現在の技術では難しいので新技術の開発などにも力を入れています。

特に不動産業界では積極的に取り組みをおこなっていることから、不動産業界の進化が脱炭素化を加速させるでしょう。不動産業界の取り組みなどについても紹介していきます。

脱炭素社会

脱炭素社化とは脱炭素化が進んで二酸化炭素の排出量が実施ゼロになった社会のことです。脱炭素社会を実現するために国ではさまざまな取り組みをおこなっていますが、実現するためには国だけではなく、企業や自治体・個人などでも脱炭素化のために行動を起こすことが必要です。

例えば企業などでは脱炭素化の取り組みをおこなった際には自治体や国などから補助金が支給されることもあり、積極的に脱炭素化のために設備などを導入している企業も多くなってきました。

個人レベルでは自家用車を買い替える時にはガソリン車を選択せずに、電気自動車やハイブリッドカーを選択することで脱炭素社会に貢献することができます。身の回りのものを省エネ能力が高いものに変えていくだけでも効果があることから、個人でも脱炭素社会に対して理解をして、取り組んでいけば脱炭素社会を実現するために協力できます。

パリ協定

脱炭素社会の考え方は2015年に開催されたパリ協定が大きく関わっており、パリ協定では世界中の国が地球温暖化などの環境問題を解決するために、共通の目的に合意しました。パリ協定ではどれくらいの脱炭素化が進行したかについて報告することが求められていることから、各国の間で早急に脱炭素化を進めることが求められています。

 

不動産業界脱炭素化の課題

不動産業界でも脱炭素化を実現するためにさまざまな取り組みをおこなっていますが、脱炭素化を実現するためにはいくつかの課題を抱えています。不動産は日常生活だけでなく、企業活動にも必要不可欠になることから不動産業界の進化が脱炭素社会を加速させるともいわれているため期待も大きいです。

不動産業界脱炭素化の課題について紹介していきます。

2019年全体の二酸化炭素の排出量3割

2019年日本全体の二酸化炭素の排出量の3割を不動産業界が占めており、不動産業界がどれだけ二酸化炭素の排出量を抑えることができるかによって、日本全体の脱炭素化が加速するかどうかが決まるといっても過言でありません。

不動産業界では家庭部門と業務他部門の2つにわかれますが、家庭部門と業務他部門では共通の方法で解決できることもあれば、それぞれ異なった方法を取ることが求められる部分もあります。

省エネ対策

省エネ対策を新築する建築物に施すことで、中長期的に考えた時に最終的には建築時に排出する二酸化炭素の量を上回る効果がでるとされています。現在では省エネ性能に関する規定などはありませんが、将来的には新築する建築物は一定の省エネ能力を持っているものを建築することが義務付けられることも考えられるでしょう。

また、既に建築されている建築物に関してもあまりにも省エネ能力が低い場合には、売買の際に制限を設けることも予測されています。

再生可能エネルギー活用

再生可能エネルギーを利用できるように太陽光パネルの設置などを義務付けることも議論されており、太陽光パネルは屋上や屋根などに取り付けることができるので、設置場所の制限が厳しくないことから設置することが義務付けられることも考えられます。

しかし、設置を義務付けた場合の費用などを国や自治体が一部負担するかどうかなども決定することが必要です。再生可能エネルギーは中長期的に見て採算が取れることが一般的であることから、意見がわかれています。

 

脱炭素化を加速させる不動産

脱炭素化を加速させる不動産の代表的な水準にZEHとZEBと呼ばれるものがあります。将来的には全ての建築物で取り入れることで脱炭素化を大きく加速させることが可能です。脱炭素化を加速させる不動産であるZEH・ZEBについて紹介していきます。

ZEH

ZEH(ぜっち)はNet Zero Energy Houseの頭文字を取ったもので、断熱性能などを従来よりも向上させると共に高い効率の設備を導入することによって、再生可能エネルギーと年間のエネルギー消費量を釣り合わせることが目的です。

建築時には従来の建築物より費用が高くなりますが、居住環境は充実していることから積極的な導入が求められています。

ZEB

ZEB(ぜぶ)はNet Zero Energy Buildingの頭文字を取ったもので、ZEHの商業系ビルに当たるものです。商業系ビルでの導入になることから、根本的な内容に関してはZEHと同じですが基準などは異なっているので注意してください。

 

不動産業界脱炭素化の取り組み

不動産業界脱炭素化の取り組みは建築物自体の省エネ能力を高めることによって、エネルギー消費量を削減して、再生可能エネルギーを導入することでバランスを取ることを目的の1つとしています。

不動産業界では建築物を新築することは必要になることから、どのようにして二酸化炭素の排出量を抑えるかがポイントです。

国内新築物件をZEH/ZEBに

国内新築物件をZEH/ZEBにすることで、各家庭や各企業などのエネルギー消費量を抑えることができれば、再生可能エネルギーのエネルギー生産だけでも生活することが可能になるでしょう。

問題点としてはZEH/ZEBを建築するためには従来よりも費用が高くなることから、費用を国や自治体が支援するかどうかも議論されています。

再生可能エネルギーに転換

再生可能エネルギーである太陽光発電などを積極的に取り入れることによって、全体のエネルギー消費量を削減することに繋がります。現在日本ではエネルギー生産を火力発電に頼っていることから、二酸化炭素の排出量がどうしても多くなります。

各建築物で再生可能エネルギーを利用できるようになれば、結果として火力発電のエネルギー生産量を抑えることになるでしょう。

脱炭素化の仕組みを地域で構築

脱炭素の仕組みを地域全体で構築することができれば、住人の脱炭素化に対する意識も高くなることが期待できます。地域での脱炭素化を推進するためには不動産会社だけでなく、住人の協力も必要不可欠なためそれぞれが脱炭素社会に理解することが必要です。

 

まとめ

不動産業界では2019年の二酸化炭素の排出量の3割を占めていることから、不動産業界脱炭素化は最重要課題の1つです。脱炭素化を実現するためにはZEH/ZEBなどの省エネ能力が高い建築物を積極的に建築することが求められますが、費用面でどうしても従来の建築物よりも高くなってしまうことから、国や自治体などの支援が求められます。

家庭や企業での消費エネルギー量とエネルギー生産量を釣り合わせることができれば、国がおこなっている火力発電などの頼ることが少なくなり、結果的には二酸化炭素の排出量を削減することになります。

不動産業界脱炭素化を目指すためには、建築物を使用する人々や地域の人々の協力が必要不可欠といえ、一人一人が脱炭素社会について考えることが重要です。

 

この記事の執筆・監修者
Aidiot編集部
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。

 

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