【2050年問題】カーボンニュートラル実現は嘘?注目の背景や問題点について解説

【2050年問題】カーボンニュートラル実現は嘘?注目の背景や問題点について解説

実際どうなの?カーボンニュートラルという概念は嘘?

カーボンニュートラル実現可能性については、多くの研究者や専門家が議論していますが、一概に「可能である」とも「不可能である」とも言い切れません。現実には、カーボンニュートラルに向けた技術や政策の進化や、市場や社会の変化によって、その可能性は大きく変化するからです。

一方で、カーボンニュートラルという概念自体は嘘ではありません。カーボンニュートラルとは、人為的な温室効果ガスの排出を抑えることで、大気中の温室効果ガスの濃度を現状よりも低く保ち、気候変動を緩和することを目指した取り組みです。この取り組みは、国際的にも広く支持されており、多くの企業や政府がカーボンニュートラルに向けた取り組みを進めています。

しかし、カーボンニュートラルに向けた取り組みには、いくつかの課題や問題点が存在しており、実現が困難な側面もあります。そのため、カーボンニュートラルを実現するためには、今後も技術や政策の進化を促し、社会的な取り組みを強化する必要があるとされています。

 

カーボンニュートラルが注目される背景は?2つの重大ワードを解説

カーボンニュートラルが注目される背景にはさまざまな要件が挙げられますが、その中でも特にカーボンニュートラルに強い影響を与えている背景がSDGsとパリ協定の2つです。カーボンニュートラル自体がSDGs とパリ協定に強い結びつきがあることから、カーボンニュートラル実現のためにはSDGsとパリ協定についても理解することが必要です

SDGsパリ協定についても具体的に解説していきます。

SDGs

SDGsとは、2015年に国連加盟国が採択した「持続可能な開発目標」のことで、2030年までに貧困や不平等、環境問題など、世界各地で直面している課題を解決することを目的としています。SDGsは17の目標から構成され、その中には気候変動対策も含まれています。SDGsには世界各国が共通の目標に向かって取り組むことが求められています。その中、カーボンニュートラルはその目標のひとつであり、温室効果ガスの排出削減を通じて、気候変動対策に貢献することが期待されています。
(参考:外務省 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html

パリ協定

パリ協定は、2015年に国連気候変動枠組条約の締約国が採択した合意文書です。この協定では、世界各国が温室効果ガスの排出削減を目指し、2050年までに気温上昇を2度未満に抑えることを目指すことが定められています。そのためには、2020年代後半には温室効果ガスの排出を実質的にゼロに近づけ、その後も負荷を減らし、気候変動に適応するための取り組みを進める必要があります。カーボンニュートラルは、パリ協定の目標を達成するために必要な取り組みのひとつであり、多くの国や企業がこれに向けた取り組みを進めています。
(参考:外務省 https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ch/page1w_000119.html)

 

カーボンニュートラル実現へ!推奨される発電方法をご紹介

カーボンニュートラル実現への発電方法には再生可能エネルギーを積極的に活用することが重要です。日本では現在エネルギー生産方法は火力発電が主流になっていることもあり、化石燃料を燃焼させることから二酸化炭素の排出量が非常に多くなってしまいます。そのため日本では火力発電に代わるエネルギー生産方法を早急に見つけることが必要です。

カーボンニュートラル実現への発電方法についても紹介していきます。

バイオマス発電

バイオマス発電は、植物や動物などの有機物を燃やすことで発電を行う方法です。燃焼時に出る二酸化炭素は、植物が成長する際に吸収した二酸化炭素と同量であるため、燃焼によるCO2排出量はカーボンニュートラルに近くなるとされています。

水素発電

水素発電は、水素と酸素を反応させて発電を行う方法です。水素自体は、燃焼時に水となるため、二酸化炭素を排出しません。ただし、水素の製造過程で二酸化炭素を排出する場合もありますので、その点についても注意が必要です。

洋上風力発電

洋上風力発電は、海上に風力発電機を設置して発電を行う方法です。風力発電は、燃料を使わないため、二酸化炭素の排出がありません。また、風力発電機は風の強い海上に設置されることが多く、陸地に比べて風力発電の効率が高く、エネルギーを安定的に供給することができます。

これらの発電方法は、カーボンニュートラルを実現する上で重要な役割を果たすことが期待されています。ただし、それぞれの発電方法には利点と欠点があり、環境や地域の条件に応じて適切な選択が必要です。

 

問題を知って新しい発想の源に!カーボンニュートラルの矛盾・問題点を理解しよう!


カーボンニュートラルの問題点についても国内でいくつも抱えていることから、新しい技術の導入や開発などをおこなうことで問題点を解消することが求められるでしょう。カーボンニュートラルの問題点についても紹介していきます。

火力発電の代替エネルギーがない

火力発電は、石炭や天然ガスなどの化石燃料を燃やして発電を行うため、大量の二酸化炭素を排出します。しかし、火力発電に代替するほどの安定したエネルギー源がない地域もあります。特に、発展途上国では、火力発電に頼らざるを得ない状況にあります。このため、火力発電の代替エネルギー源を確保することが課題となっています。

CO2は排出ゼロは困難

カーボンニュートラルを実現するには、二酸化炭素の排出量をゼロにする必要がありますが、実際には排出ゼロを達成することは困難です。たとえば、電気自動車などのEVは、走行時には二酸化炭素を排出しないものの、EVの製造過程や充電に使われる電力が化石燃料に由来する場合は、間接的に二酸化炭素を排出することになります。また、再生可能エネルギーでも、製造や設置に必要なエネルギーなどによって、二酸化炭素を排出することがあります。

人口増加

世界人口は急速に増加しており、人口が増えるとエネルギー需要も増大します。特に、新興国では経済成長に伴いエネルギー需要が急増しており、二酸化炭素排出量が増加しています。これに対して、エネルギー需要を抑えつつカーボンニュートラルを実現することは、技術革新やエネルギー効率の改善が不可欠です。

バイオマス発電に矛盾がある

バイオマス発電は、植物や動物の生物資源を燃やして発電を行うため、二酸化炭素の排出量が少なく、再生可能なエネルギー源として注目されています。しかし、バイオマス発電には、生物資源の供給不足や森林伐採による環境破壊などのようにしてバイオマス資源を供給するかという問題や、バイオマス発電に使用される生物資源が食料や畜産資源に使われることを競合する場合があることも課題となっています。また、バイオマス発電に使用される生物資源が、持続可能な範囲で収穫や生産が行われるかどうかという問題もあります。これらの問題を解決するためには、持続可能なバイオマスの供給体制を整備し、環境や食料・畜産資源との調和を図ることが必要です。

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まとめ

カーボンニュートラルを実現するためにはまだまだ問題点が多くあることから、カーボンニュートラルの概念自体が嘘であるといわれていますが、理論上は実現することは可能です。また、効率よく実現をするためにも新しい技術を研究・開発をおこなっていることから、現在では実現が難しいことでも数年後には一般的に普及している可能性もあります。

世界中が協力してカーボンニュートラル実現を目指しているので、近い将来カーボンニュートラルを実現するための具体的な方法についても各国が提案できるようになるでしょう。

 

この記事の執筆・監修者
Aidiot編集部
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。

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