カーボンニュートラルとは
カーボンニュートラルとはパリ協定によって各国が賛同した取り組みであり、目的は二酸化炭素の排出量と二酸化炭素の吸収量を同じにすることで二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることです。
実現のためには複雑な活動が必要になると考えられていて、中には国家レベルや企業レベルでないと取り組むことが不可能なものがあるのは事実ですが、一個人でも取り組める簡単な取り組みもあります。
カーボンニュートラルに向けての動き
カーボンニュートラルに向けての動きは国や企業によってさまざまですが、共通しているのは二酸化炭素の排出量を減らすための取り組みか、二酸化炭素の吸収量を増やすための取り組みのどちらかが含まれていることです。また、国レベルでの取り組みでは立地条件や情勢などの影響もあって、それぞれに特徴があります。
カーボンニュートラルに向けての動きを日本と海外それぞれについて紹介していくので参考にしてください。
日本の動き
日本の動きとしてはエネルギー生産を改善することが大きな目標として挙げられており、日本では主流のエネルギー生産は火力発電に頼っていて石油や石炭などの化石燃料を燃焼させる際には二酸化炭素を大量に排出してしまうことが問題です。
そのため、将来的には化石燃料ではなくアンモニアや水素を燃焼させることで二酸化炭素を排出することなくエネルギー生産をするために、アンモニアや水素などに関してセッツ局的に開発・研究されています。
海外の動き
海外では再生可能エネルギーを生産するための設備の建築などをしていますが、国によって使用できる再生可能エネルギーが異なるため国ごとに特徴が出ています。
他にも電気自動車や燃料電池自動車を一般家庭や企業などに普及させることで、車両から発生していた二酸化炭素の排出を大きく抑えることに成功している国も多いです。また、環境性能の良い住宅を新しく建築した場合には税控除をするなどの支援をおこなっている場合もあります。
カーボンニュートラル取り組み方法
カーボンニュートラル取り組み方法に関しては細かいものまで見ていくと無数にありますが、大きく分類すると再生可能エネルギー・省エネルギー・緑化事業の3種類にわかれます。
これらは国レベルでの取り組み以外にも企業レベルや自治体レベル・個人レベルでも取り組まれていることが多いことから、一般的な知名度も高いです。カーボンニュートラル取り組み方法について紹介していきます。
再生可能エネルギー
再生可能エネルギーはカーボンニュートラル実現のためには軸になる取り組みであるため、さまざまな方法が試されていますが、どこの国でも主流に活用できるほどの成果は挙げることができていません。
再生可能エネルギーには太陽光発電のように発電設備が簡単に設置できるものから、水力発電・風力発電のように大掛かりな設備が必要なものまでさまざまです。将来的には太陽光発電はすべての企業や家庭で導入されていくと予想もされていますが、設置費用をどうするなども問題も残っています。
省エネルギー
省エネルギーは使用するエネルギーを少なくすることで、エネルギー生産量を減少させることが目的です。省エネルギーは使用していない家電などのコンセントを抜くだけでも効果があるため、意識次第では今すぐにでも取り組むことができます。
企業などではクールビズやウォームビスに取り組むことでエアコンの設定温度を夏は高く、冬は低く設定するなどの工夫がされています。
緑化事業
緑化事業では森林の復元と保全が取り組み内容として挙げられますが、緑化事業自体は企業や自治体などでもおこなわれており、企業活動の一環としてイベントとしておこなうことも珍しくありません。
自治体などでは公園などに木を植えるなどの活動をおこなっていて、地域の子供たちへのイベントとして地域全体で取り組んでいることもあります。緑化事業をすれば二酸化炭素の吸収量を増やすことができるため、カーボンニュートラル実現への貢献度は高いといえるでしょう。
カーボンニュートラル実現へのアイディア6選
カーボンニュートラル実現へのアイディアはさまざまですが、細かく見ていくと企業や業界ごとに特徴があるため面白い部分です。カーボンニュートラル実現へのアイディアについて紹介していくので、自分で取り組みたい際には参考にして下さい。
電気自動車の導入
電気自動車は走る際に二酸化炭素を排出しないことから、次世代には積極的に企業や家庭で導入することが推奨されています。自治体によっては電気自動車などを購入する際には補助金が支給されることもあるため、一般的なガソリン車を購入するよりも実質負担が少なくなることがあります。現在日本でも充電スポットが増設されていることもあり、一般的に普及してきたといえるでしょう。
火力発電にアンモニアや水素を活用する
これまでの火力発電には石油や石炭などの化石燃料を主に燃焼させていましたが、これからは二酸化炭素の排出をしないアンモニアや水素を燃焼させるための研究をおこなっています。
アンモニアや水素は燃焼させても水蒸気が発生することから環境への影響が少ないといえるでしょう。アンモニアや水素は火力発電以外の部分でも活用ができるとされているため、積極的に研究がおこなわれています。
海上風力発電の設置
風力発電は陸地に設置することが一般的でしたが、国の周りに海がある場合には海上に風力発電を設置することが有効です。陸地に設置する場合には周辺地域への影響を考える必要がありましたが、海上であれば陸地と比較して周辺地域への影響が少なく風力も安定していることから、研究が進められています。
スウェーデンのカーボンニュートラルな博物館
スウェーデンでは来場者が屋上に設置されている自転車を漕ぐことによって、ミュージアム運営に必要なエネルギーを生産するシステムです。来観客の遊ぶスポットとしても活用されることが予測さえていることから、一定の発電量が見込まれています。2024年にルンドでオープン予定ですが面白い取り組みとして注目が高いです。
牧草地と泥炭地を森に変えるプロジェクト
スコットランドではビール醸造所のブリュー・ドッグが2050エーカーの牧草地と泥炭地を購入して、数年間かけて植樹していき広大な森を想像することを目的としています。全部分を森に変えるのではなく、一部は隔離に効果的な泥炭地として復元する予定です。
トラックの空き場所を中小企業向けに活用する運送業者
オーストラリアでは中長距離を運転するトラックが荷物を積んだ後に会社などに戻っている平均空車率が30%以上になる事が問題とされています。そこでオーストラリアの運送会社のSendleが他の運送業者のトラックで空いている時間格安な価格で購入して中小企業の出荷に貢献するといいました。
まとめ
カーボンニュートラルを実現するためには取り組み方法について理解して企業や自治体・個人などでも取り組むことが大切です。取り組み自体は大きく分けると再生可能エネルギー・省エネルギー・緑化事業の3種類にわかれますが、細かく見ていくとそれぞれの特徴が色濃く表れているでしょう。
現在でもカーボンニュートラル実現への取り組みはおこなわれていますが、将来的に二酸化炭素を実質ゼロにするためには一人一人が意識して行動することが必要です。
この記事の執筆・監修者
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。