脱炭素社会を可能にするには?素材産業のコスト削減が鍵!
脱炭素社会を皆さんは知っていますか?
知っている人もいれば、知らない人も多いでしょう。最近では多くの企業がSDGsの取り組みの一つでもある、食品ロスの削減やエネルギーの節約を努力しています。
ですが、脱炭素社会をそもそも知らないと、努力している理由や努力に協力する人が増えないでしょう。
そのため当記事では、脱炭素社会と脱炭素に貢献する素材メーカーを紹介します。記事の流れとしては、
脱炭素概要
2050年に向けての取り組み
素材企業が脱炭素する方法
脱炭素に協力する素材メーの紹介
です。
今後脱炭素を考えている企業やアイデアを考えている方には必見です。ぜひ最後まで読んで下さい。
脱酸素社会とは?
「脱炭素を目指そう!」
「二酸化炭素排出量をゼロに!」
こういう話を聞くと思います。脱炭素とは、地球温暖化の最大の原因である温室効果ガス、二酸化炭素の排出量をゼロにする動きです。
つまり将来的にはガスの利用や電気を作る時に発生するガス、自動車から出る排気ガスをゼロにしようという意味です。
脱炭素について
日本だけでなく、海外でも地球温暖化に対しての取り組みが年々活発化しています。
例えばドイツでは天然ガスの利用量を増やして、火力発電所稼働を少しずつ減らしています。フランスでは、新たな原子力発電所の建設を進めている最中です。
アメリカでも食品ロスを減らし、廃棄する量を減らす取り組みを表明しました。
脱酸素化いつまで
2020年の10月に当時の菅総理大臣が、
「2050年までに温室効果ガスの排出を全体でゼロに、つまり2050年にはカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」
と発言されました。
2050年温暖化ガス排出量ゼロに向けて
目標の2050年温室効果ガスの排出ゼロに向けて、政府や企業は日々努力しています。今後の目標を達成するためには、2015年に採択された、パリ協定を各国が守らなければなりません。
一つの国が守れなければ、採択の意味はなく温暖化は引き続き進むでしょう。
2015年パリ協定とは
パリ協定とは2015年にパリで開催された、COP21、気候変動枠組条約締約国会議で合意し2016年に採択された協定です。
世界の平均気温を産業革命と比較して2度より十分低く保ち、1.5度に抑える努力をすることが目標です。採択に参加した各国は定期的に、二酸化炭素を排出する量の削減を報告しなければなりません。
採択には排出量の上位国が並んでいるため、すべての国が守れば大きな進歩になると予想されています。
素材産業が脱炭素化するためには?
素材産業では毎年多くの二酸化炭素の排出をしています。金属業界や化学企業、製紙企業が年間排出している二酸化炭素は莫大で、日本の製造業の8割が素材業界からの由来です。
そのため脱炭素を実現するには、大きな課題があり政府の支援や抜本的な技術革新が必要でしょう。
課題
結論から言いますと、素材産業が脱炭素をするのは非常に難しいです。理由としては製造業からの排出量のうち、8割もしくは9割が素材産業からです。
抜本的な産業構造の変革や研究開発への投資が必要となり、政府の試算では20兆円以上が必要だと考えられています。20兆円は日本の総所得税に匹敵します。
一つの産業だけで大きな予算が必要なため、国民からの理解が不可欠になるでしょう。
政府の支援
2022年の4月20日に経済産業省は、2050年のカーボンニュートラルを実現するために素材企業に支援金を出すと発表しました。投資額は決まっていませんが、莫大な予算が必要なため2兆円を投資すると言われています。
新素材カーボンニュートラル取り組み
プラスチックなど多くの化石燃料を使う製品の脱炭素を検討する動きが活発化しました。
スターバックスではプラスチックのストローを廃止して、紙のストローを展開するようになっています。他にも再生紙を利用してダンボールを製造するなどエネルギーの消費を抑える動きが高まっています。
カーボンニュートラルとは
カーボンニュートラルとは温室効果ガスの排出量と削減量の総合量をゼロにすることです。つまり多く温室効果ガスを排出しても、植林や技術的な方法で温室効果ガスを減らして実質的に0にすることです。
例えば、毎年100トンもの温室効果ガスを出してる場合、100トン分の温室効果ガスを除去もしくは減らすことです。
収支をゼロにすれば、目標が達成されます。
脱炭素との違い
脱炭素とカーボンニュートラルの違いは、二酸化炭素の排出をゼロにするか実質ゼロにするかの違いです。
脱炭素は文字通り、二酸化炭素の排出を禁止します。排出を完全に防ぐことで達成可能です。
反対にカーボンニュートラルは、排出量を抑えなくても吸収量が同じもしくは上回っている状態を指します。
2つの比較から、脱炭素のほうが実現するのは難しいです。
脱炭素素材メーカーをご紹介
脱炭素に取り組む素材メーカーは数少ないです。しかし一部の企業はすでに取り組みを始めています。そのため当記事では代表的な会社を3社紹介します。
BASF
旭化成
トーヨータイヤ
BASF
BASFはドイツに本拠地を置く、世界最大の総合化学メーカーです。素材メーカーの中でも石油や石炭など化石燃料を多く使います。
しかし度々世論から避難される立場にあったため、1980年から2018年にかけて二酸化炭素の排出量を半減させました。今後の取り組みとしては、
2025年までに最大10億ユーロを投資を目標
2030年までに排出量を25%削減する
2050年までに温室効果ガスのプロトコルで定めるスコープ1+2の排出量をネットゼロへ
現段階では多くの素材メーカーは、二酸化炭素の排出に対する手段がありません。しかしBASFは過去の経験を元に素材メーカーを環境問題の面において、リードしていくでしょう。
旭化成
旭化成は国内でも大手の総合化学メーカーです。今までは売上高に対して、二酸化炭素の排出量削減を目標にしていました。しかし方針を変えて、排出量の絶対量を減らすのを目標にしました。
今後の取り組みや目標は、
2030年にGHG排出量の30%以上の削減を目指す(2013年度対比)
2050年にはカーボンニュートラル(実質排出ゼロ)を目指す
を掲げています。
トーヨータイヤ
トーヨータイヤも旭化成と同様に、二酸化炭素の排出量に関して中長期目標を打ち立てています。
2030年に2019年度比46%の削減、2050年にカーボンニュートラルを達成
タイヤ1本あたりのCO2排出量について、2030年時点において、2019年比20%の削減貢献を目標に
まとめ
脱炭素社会の実現のためには、一企業だけでなく国も巻き込んだ官民一体となった体制が必要です。しかし必要投資に対して、投資予算が大幅に下回っているため解決するのが難しいです。
そのため長い目で見て、投資や技術革新を進めなければなりません。この問題は日本だけでなく世界でも同様に直面しています。世界が一つになって解決するべき問題と言えるでしょう。
この記事の執筆・監修者
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。