カーボンニュートラルは社会の課題
カーボンニュートラルとは、炭素の中立を意味します。炭素の中立とは、温室効果ガスの排出を実質的になくすことです。ただ、実際に完全になくすのは困難なので、プラスマイナスを計算しながら、全体でゼロを目指す考え方です。
すでに多くの人が知っている通り、温室効果ガスは地球温暖化の原因です。太陽熱を吸収して再放出するため、地表の温度を上げてしまいます。この影響で気候が不安定となり、近年は異常気象が頻発しています。
地球規模の気候変動を止めるためには、温室効果ガスの排出量をとにかく減らさなければいけません。カーボンニュートラルは社会の課題として、たくさんの国が取り組んでいます。2050年までの実現を目指しています。
カーボンニュートラルの推進を支援するサービスの例
すでにカーボンニュートラルの実現に向け、さまざまなサービスが実施されています。官民で連携している取り組みもありますから、社会全体で必死に取り組もうとしているのがよくわかります。サービスの例をいくつか見ていきましょう。
再生可能エネルギー化の支援
再エネはCO2を排出しないため、再エネによる発電を支援する動きが活発的です。たとえば再エネが余すところなく行き渡るように公共施設と連携し、需要に合わせて臨機応変に供給するシステムを構築したりなどです。再エネによる発電を無駄にしないですし、その分CO2の排出量を効率的に抑えられます。再エネの余剰を発生させないのが狙いです。
また、防災・環境・経済といった観点でもメリットがあるようにし、再エネを持続可能にするのも支援の1つです。再エネを100％有効活用してカーボンニュートラルを実現するための画期的な取り組みです。
自治体との連携
自治体と企業が連携し、カーボンニュートラルを推進するサービスの例もあります。たとえばパシフィックコンサルタンツは兵庫県と連携し、神谷ダムと権現ダムを対象に太陽光発電の設置を実施しました。
ダムの堤体法面を有効活用したメガソーラー事業は画期的で、全国で初めての事業でした。ただ単に太陽光発電を設置するのではなく、効率性やコストなども加味しながら計画的に設置したのが特徴です。両ダムの発電量は決して小さくないため、数多くの世帯の発電量をまかなっています。
生物多様性の実現
カーボンニュートラルを達成するためには、生物多様性の実現にも取り組む必要があります。さまざまな生物が生息しなければ生態系のバランスが崩れてしまい、結果的にCO2の排出量が右肩上がりに増えてしまいます。
たとえば千葉県の印旛沼流域水循環健全化プロジェクトは、生物多様性の実現に大きく貢献しています。印旛沼の水質を改善を試みることで流域全体の生態を守り、生物の多様性を目指します。
美しい水環境と生態系の維持は深く関係しているので、プロジェクトの効果は決して小さくありません。環境保全に努めてCO2の排出量を減らすことで、カーボンニュートラルを推進します。今後このようなプロジェクトは、日本各地で実施されていくでしょう。
カーボンニュートラル戦略の立案
カーボンニュートラルは行き当たりばったりでは実現できませんので、しっかりとした戦略を立案する必要があります。計画性ある戦略なくして、カーボンニュートラルの実現は叶いません。そこで、カーボンニュートラルが実現するように戦略を立案するため、コンサルティングサービスを提供する企業があります。
脱炭素ビジョンの設定、各フェーズの目標設定、CO2排出量の可視化、エネルギーの削減など、カーボンニュートラル実現のため全体的にサポートするのが、コンサルティングサービスの内容です。
計画性のある戦略を立案してもらうことで、カーボンニュートラルを達成しやすくなります。
自動車業界のカーボンニュートラル実現に向けたサービス
CO2排出量の多さを問題視している自動車業界は、カーボンニュートラル実現に向けてさまざまなサービスを開発しています。たとえば走行時以外のCO2削減、電動車の開発、時代に合った車種の提案、社用車や移動ルートの最適化などです。それぞれについて紹介します。
走行時以外のCO2削減
自動車がCO2を排出するのは、走行時だけではありません。製造・運搬・廃棄・リサイクルの時にも、少なくないCO2を排出しています。製造から廃棄やリサイクルに至るまでのライフサイクルアセスメントを意識し、CO2の排出量ができるだけ少なくなるように取り組んでいます。
さまざまな車種で電動車を開発
走行中に排気ガスを出さない電動車の開発は、カーボンニュートラルの実現に欠かせません。すでに電動車はありますが、メーカーはさまざまな車種で電動車を開発することに力を入れています。1人乗りの小型車両からトラックのような大型車両まで含めて、電動車の開発に日夜励んでいます。メーカーにはそれまで培ってきた技術やノウハウがありますので、さまざまな車種の電動車の開発は決して不可能ではありません。今後も続々と登場する見込みです。
時代にマッチした車種の提案
販売店やディーラーが、単に自動車を売るだけの時代は終わりました。カーボンニュートラルを考慮し、時代に最もマッチした車種を提案するようにしています。自動車の特性や新しいテクノロジーについて知り尽くしたスタッフが顧客からのリクエストを十分ヒアリングし、最適な車種をおすすめします。ガソリン車が徐々に減少して電動車が増加する見込みなので、時代にマッチした電動車を提案される機会が多くなるでしょう。
社用車の最適化
会社が社用車を所有するのは一般的ですが、その社用車を最適化するサービスがあります。社用車の所有台数を管理するのにクラウド技術を導入し、適切な管理をおこないます。所有台数を最低限に抑えることで、稼働の最適化を図るのが目的です。繁忙期はレンタカーでカバーするなど、社用車を無駄にしない効率的な運用が可能です。
移動ルートの最適化
自動車が移動する際のルートの最適化は、CO2の削減になります。目的地まで一切無駄なく最短距離で移動すれば、それだけCO2の排出量は少なくなります。自動車のデータをすべて記録し、移動の最適化と事故リスクの軽減を図ります。これはリスクマネジメントにもなりますし、CO2の削減と安全性の向上の両方に効果的です。
C02の排出量が管理できるサービスENERGY X GREEN
ENERGY X GREENは、C02の排出量が管理できる画期的なサービスです。排出量の算出・削減の実施・レポートの作成が可能です。機能をフル活用すれば、非常に便利なのは間違いありません。サービスについて簡単に紹介します。
CO2排出量の算出
ENERGY X GREENを使用することで、会社がどのぐらいCO2を排出しているのかが自動で算出されます。これによりどのぐらい削減すれば良いのかが一目瞭然なので、とてもわかりやすいです。
CO2削減の実施
どれぐらい削減すれば良いのかがわかったら、次はCO2削減を具体的に実施します。実施するためには、省エネ・再エネなどが重要です。計画通りに実施することが、CO2削減の近道です。
レポートの作成
ENERGY X GREENは、どのような成果が出たのかをまとめたレポートの作成も可能です。国際イニシアティブおよび温対法などのレポートを、自動的に作成してくれます。わざわざレポート作成に時間と手間を割く必要はありません。とても便利なサービスです。
まとめ
カーボンニュートラルの実現に向け、さまざまなサービスが続々と登場しています。記事ではサービスの一部を紹介しました。カーボンニュートラルの推進支援や自動車業界のサービス、最後にはCO2の排出量が管理できるENERGY X GREENを取り上げました。どれもカーボンニュートラルの実現に貢献する画期的なサービスです。
まだカーボンニュートラルへの取り組みは始まったばかりなので、今後も新しいサービスが登場する見込みです。いったいどんなサービスが登場するのか、動向をしっかりとチェックしていきましょう。
この記事の執筆・監修者
Aidiot編集部「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。
