東京大学大学院にて「先端物流科学特論Ⅱ」特別講義を実施

2025/11/25

東京大学大学院にて「先端物流科学特論Ⅱ」特別講義を実施

~未来を担う人材へ最新知見を提供~

株式会社アイディオット(本社:東京都渋谷区、代表取締役:井上智喜)は、東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻で開講されている「先端物流科学特論Ⅱ」の授業にて、特別講義を行いました。
本講義は、東京大学大学院修士課程および博士課程に在籍する学生を対象に、現代の物流業界が直面する課題と、それに対するテクノロジーやデータ活用によるソリューションについて講義を行う内容で実施されました。


講義の概要

授業名:先端物流科学特論Ⅱ
実施日:2025年11月17日(月)
対象:東京大学大学院 修士課程・博士課程在籍の学生
講師:株式会社アイディオット 代表取締役 井上 智喜
講義テーマ:
技術と社会をつなぐもの〜最適化AIとデジタルツインで挑む物流問題と都市問題〜
内容:
第一章:都市問題と物流問題が起きている理由
・物流の危機
・都市の危機
第二章:社会環境変化と多軸のトレードオフ
・多軸(コスト/在庫/CO₂/人/BCP)が複雑に絡む“最適化時代”へ
第三章:サプライチェーンの複雑性と可視化の必要性
・「健康診断」=データを可視化し、全体最適へ向かう必要性
第四章:解決策:最適化AI×デジタルツイン(ADT)
・ADTの概要
・行政・大企業との連携
第五章:研究と現場のギャップ
・GAP① 技術 vs 社会
・GAP② 研究 vs 現場
・GAP③ 精度 vs 売上・利益
まとめ:技術と社会をつなぐもの

 私たちの暮らしを支える「物流」と、日々を過ごす「都市」。普段は意識されにくい、この二つの「社会インフラの要」が、いま深刻な課題に直面しています。本講義では、その実態と背景、そして最先端のAIやデジタル技術がどのように解決の糸口を示すのかをお話ししました。
 いま、日本の物流は危機的状況と言えます。ドライバー不足、小口配送の急増、環境負荷の低減要求…。その結果、2030年には輸送能力が34%不足するという予測さえあります。これはつまり、「当たり前に届くはずのものが届かない社会」が目前に迫っているということです。
では、なぜこうした問題が起きているのでしょうか。

背景には、
・技術は進歩しているのに、企業の仕組みやデータ活用が追いついていない
・企業ごとにデータが分断され、サプライチェーン全体を俯瞰できない
といった“構造的なギャップ”が存在しています。
 そこで鍵となるのが、講義でご紹介した ADT(アイディオット・デジタルツイン) です。現実のサプライチェーンをデジタルツイン上に再現し、膨大な制約や選択肢を“もしこうしたら?”と自在にシミュレーションすることができる、人間の思考だけでは捉えきれない複雑な問題に対して、最適な解を導き出すための新しいアプローチです。
 物流・都市・環境は、社会インフラの中心軸です。これらの課題を解くことは、社会そのものをアップデートすることにほかなりません。そして今、その実現を後押しする強力な武器として「技術」がかつてない影響力を持ち始めています。

 

本講義を受けた学生からの感想

講義後のアンケートでは、物流・都市問題に関する理解が深まったという声や、AIの社会実装に高い関心を示すコメントが多く寄せられました。以下はその一部抜粋です。

・技術と社会のギャップを改めて考える良い機会となりました。
・国家プロジェクトのプログラムに採択されているのは純粋にすごいと思いました。個人的には港湾システムの最適化にも大いに応用が利く技術だと感じています。
・多くの企業で、研究段階と社会実装の時期にズレが生じている状況に、大学にいる身としてはやきもきしていますが、このギャップを縮めることはできないのでしょうか。
・実事業に関連させた講義で、大変興味深かったです。

代表取締役 井上のコメント

本日は「技術と社会をつなぐもの 〜最適化AIとデジタルツインで挑む物流問題と都市問題〜」というテーマでお話しする機会をいただき、誠にありがとうございました。
名実ともに日本を代表する東京大学で、未来を担う皆さんと向き合えた105分間は、私にとって非常に貴重な時間となりました。

現在、私たちが直面している物流危機や都市の複雑化は、一企業や行政だけでは解決しきれない構造的課題です。だからこそ、アカデミアの知恵と実社会の現場知をつなぎ、技術を“社会が使える形”へと実装していくことが、これまで以上に重要になっています。
本日の議論に登場した最適化AIやデジタルツインは、まさに現場の意思決定と社会課題の解決をつなぐ強力な橋渡し技術です。皆さんの視点や問いかけは、実装側にいる私たちにとっても大きな刺激となりました。
今後も、学術と産業が交わる場を通じて、日本の物流や都市の未来を皆さんと共創できれば幸いです。

ADT(アイディオット・デジタルツイン)について

「ADT」は、物流現場におけるあらゆるデータ(拠点情報、タリフ、入出庫実績、在庫情報など)を、国土交通省が策定した「物流情報標準ガイドライン」に準拠した形式でリアルタイムに可視化するシステムです。
これにより、現場で発生している課題の特定や、改善に向けたシナリオのシミュレーションを迅速に実施することが可能になります。

また、「ADT」はクラウドベースのITソリューションとして設計されており、物流・サプライチェーン領域におけるデータの可視化・分析・活用をワンストップで支援します。
システム導入後も拡張性が高く、複数拠点・複数事業者間でのデータ連携にも柔軟に対応します。開発基盤には、国家重点プロジェクト SIP「スマート物流サービス」 で培われた先端技術と豊富なノウハウを活用しており、これにより、研究開発コストを抑えながらも、現場で実際に役立つ高い実用性と信頼性を兼ね備えたソリューションを実現しています。

結果として「ADT」は、現場レベルの業務改善からサプライチェーン全体の最適化に至るまで、幅広い領域で価値を創出する次世代型物流データ活用プラットフォームとして位置づけられます。

▼詳細はこちら
https://lp-adt.aidiot.jp/

株式会社アイディオットについて

2014年11月の創業以来、当社は「データプラットフォームを用いて、ビジネスの価値を最大化・最適化する」というミッションを掲げ、事業を展開してまいりました。
データとAIの力を融合し、サプライチェーン全体におけるあらゆるデータやネットワークを統合的に管理し、さらに、DX推進の中核となる機能を自社内に取り込み、ノウハウを蓄積することで、ワンストップでの価値提供を実現しています。

物流領域においては、在庫管理や配送プロセスの可視化・最適化をはじめ、それらのデータを活用した需要予測やシミュレーションを可能にする独自ツール「ADT(アイディオットデジタルツイン)」を開発しました。
また、これまでに培ってきた知見と強みを基盤に、ワークショップ型の新規事業創出支援も展開し、企業の変革と成長を多面的に支援しています。

これらの取り組みを通じて、当社は日本を代表する大手企業のDX推進を支援するのみならず、社会課題の解決や日本経済の再生といった、より大きなテーマにも挑戦しています。

そして、国民にとって真に必要とされる未来を創り出すために、世界をリードする課題解決企業として、持続的なイノベーションの実現を目指してまいります。

本件に関するお問合せ

株式会社アイディオット
広報担当:町田
〒150-0041 東京都渋谷区神南1-12-16 アジアビル6F
Email: pr@aidiot.jp | Web: https://aidiot.jp/