クラウドのコスト削減方法とは?クラウド特有のコストの考え方を紹介

  • 2022.07.13
  • DX
クラウドのコスト削減方法とは?クラウド特有のコストの考え方を紹介

クラウドシステムには、業務に使える様々なサービスがあり、導入することで様々なメリットがあります。

しかし、コストが課題になることが多く、各社様々なコスト削減方法を講じています。
この記事では、クラウドの導入メリットとクラウドシステムにかかるコスト、それらのコスト削減に対する考え方を説明いたします。

クラウドサービスのメリット

クラウドサービスは、プライベートのみならず、企業のシステムにおいても普及が進んでいます。

ここでは、企業においてクラウドサービスが使われる理由について紹介します。

資産保有の必要がない

クラウドシステムは、物理的に存在するサーバーとはことなり、社内に保有しておくべき資産がないことがメリットになります。オンプレミス型となれば、システムやデータの運用のために自社にサーバーを保有しておく必要があり、そのためのデータセンターの接地や維持費が必要になります。
こうした手間がなく、どこにでも導入可能なことがメリットになります。

保守を外注できる

自社でシステムやデータを管理しておくためには、そのための人員も自社で工面する必要があります。クラウドサービスの場合は、保守や運用に関する一切の業務や、セキュリティなどもサービスとして付帯しているため、その人件費およびリソースを割く必要がなくなります。

世界中からアクセスできる

クラウドサービスは、インターネット環境があればどこからでもアクセス可能なため、外出先や取引先など、インターネットに接続可能な端末さえあればどこでも利用可能になります。また、テレワークやサテライトオフィスなどでもデータやシステムを活用できるため、働き方や生活様式の進化に伴う新たな仕事のあり方にも対応可能です。

クラウドに必要なコスト

企業にとってはROI(投資対効果)は重要ですが、クラウドシステムの利用には様々なコストが発生し、導入効果に対して費用が予想よりも高くなってしまうことがあります。

ここでは、導入前に知っておきたいクラウドシステムにかかるコストについて説明します。

保守運用費

保守運用を外注できる点はクラウドサービス導入のメリットでもありますが、裏返して言えば保守運用費用が必要ということです。通信コストのほかに、改修などにもコストが発生するため、「クラウドだからコストが安い」というのは一概にはいえないこともあります。

改修・新規導入コスト

クラウド導入時の社員のストレスを少しでも減らすためには、既存システムをできるだけクラウドシステムにそのまま持っていく必要があります。
既存システムは会社によって異なるので、新規でクラウドを導入する際には、既存システムをクラウドへ移行する際の導入コストがかかってしまいます。こういったことがあるため、クラウドシステムを選ぶ際には、できるだけ既存のオンプレミスな環境にマッチングのいいものを選ぶことも重要なコスト削減方法になります。

通信コスト

クラウドシステムは従量課金型のため、利用するためには通信コストがかかります。社内のすべての人が、あらゆる場面で、あらゆる端末でクラウドシステムに接続することになるので大量なコストになってしまい、予想以上の通信コストが発生してしまう可能性もあるので、注意が必要です。

クラウドを使いこなすための学習コスト

クラウドシステムの運用にはそれなりのスキルと経験が必要です。

クラウドをフル活用できる人材がいない企業では、既存人材に対する学習コストや専任の人件費が必要になります。
具体的には、コンサルティングサービスなどの人事費用です。

クラウド移行前のチェックポイント

クラウドシステムへの移行には様々なコストが発生するため、事前にROI(費用対効果)については十分な検討が必要です。ここでは、クラウド移行前にチェックしておくべきポイントの中でも、コストに直結する項目を説明します。

従量課金制に向いているかどうか

クラウドシステムの利用には、通信コストがかかります。通信コストを発生させてでも効果をあげたいシステムがあれば、クラウドに移行する必要があります。

既存の社内システムにおいて、全てをクラウドに移行するのではなく、必要なシステムのみをクラウドシステムに移行させることができれば、賢くクラウドシステムの利用ができます。
あれもこれもクラウドにおまかせ、とするのではなく、利便性や必然性を考慮した上でクラウドへの移行を検討しましょう。

クラウド管理ができるかどうか

クラウドシステムが複数(マルチクラウド、ハイブリッドクラウド)になってくると、それらの管理のために手間がかかってしまいます。

得意不得意に応じてクラウドシステムを複数に分けて使うのはいいですが、十分な管理ができない場合などは、無理に複数のクラウドを利用するのはやめましょう。
手間を考えると、一つのクラウドで十分な場合もあります。

コストの試算ができるかどうか

クラウドシステムに関わるコストの予想は難しいですが、導入前にしっかりと検討しておかないと予想以上の費用がかかってしまうこともあります。

クラウドの具体的な利用シーンや利用頻度を把握しておき、しっかりとしたコスト計算をしておくことが重要となります。既存の人材にコスト試算できる方がいない場合は、クラウドシステムのベンダーなど、外部の専門家に依頼することも可能なので、必ず事前に把握しておきましょう。

クラウドのコスト削減方法

クラウドシステムは、何も工夫しなければ使えば使うだけ、コストがかかってしまいますが、クラウド上のサービスを活用すれば、あらゆる方法でコスト削減を実現できます。ここでは、クラウドの利用に関わるコストの削減方法を説明します。

使用率の最適化

従量課金型の料金形態の場合は、シンプルに使用率を減らすことでコストが抑えられます。そういったクラウドシステムには、予算設定に応じて課金を停止するサービスなどもあるので、それを設定しておくことで通信コストがセーブできます。

自動化サービスの利用

クラウドシステムの改修には相当の人件費がかかりますが、クラウドシステムに用意された自動化サービスをうまく活用できれば、そういった人件費の節約ができます。

クラウドシステムによっては、比較的容易にCI/CD(Continuous Integration/Continuous Delivery:継続的インティグレーション/継続的デリバリー)を構築できてしまうので、それによってシステム改修時の手間とコストを抑えられます。

設定の見直し

クラウドシステムにはあらゆる便利なサービスがありますが、使っていないものを除外していくだけでもコスト削減できます。具体的にどのサービスが使われていないかわからない場合は、クラウドシステムのベンダーには成果報酬型のサービスを提供しているところもあるので、そういったサービスを活用して、成果につながるもののみを残す設定にすることでコストダウンが可能です。

まとめ

クラウドシステムには様々なメリットもありますが、コストが課題になる場合が多く、各社様々なコスト削減方法を行っています。

正しいクラウドの利用方法やコスト削減方法を理解して、効果のあるクラウドシステムの利用を心がけましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

この記事の執筆・監修者
Aidiot編集部
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。

DXカテゴリの最新記事