機械学習の仕組み・できること・活用事例の紹介

機械学習の仕組み・できること・活用事例の紹介

機械学習とは?

コンピュータ自身が与えられた情報に対して、パターンや共通点などを見つけ、独自に学習能力を高めていく技術です。人間が学校で勉学を学び、いろいろな知見を深めたり、思考力を深めたりすることに近いとされています。

また、過去に学んだことから「良い」や「悪い」などの判断もできるようになり、人間の脳に近い性質を持っているということから、AI技術の中でも特に注目されているのが機械学習です。

そんな機械学習の仕組みや実際にどのように活用されているのかなどを紹介していきます。

データマイニングとの違い

データマイニングとは、データウェアハウス(大量のデータが蓄積されている場所)データを読み込ませ、整理されていない数値、情報の整理、カテゴライズ、情報から得られる傾向などを見出すことができます。

あくまでデータの整理や傾向などを見出すまでがデータマイニングです。

ディープラーニングとの違い

深層学習とも言われているディープラーニングですが、これは、機械が過去のデータから考え、判断することを言います。機械学習はあくまで人間が判断することに対して、ディープラーニングは機械が独自で判断するといった高度な技術とされています。

 

機械学習の種類

機械学習には4つの領域があるとされています。教師ありの学習 教師なしの学習 半教師ありの学習 強化学習です。

それぞれの特徴によって、活用される場面が異なってくるので1つずつ紹介していきます。それぞれの特徴を知っておくことで、実際に機械学習を取り入れるときに大いに参考になるでしょう。

教師ありの学習

人があらかじめ基準を設け、それをベースに機械が学習していく学習方法です。事前に人間から与えられたデータ(基準となるデータ)を教師からの例題とみなされることからこの名前がつきました。

教師ありの学習の特徴は「回帰」と「分類」であり、基準になるデータをもとに、次の数字を予測したり、カテゴリーやクラスに分類したりするときに使われます。

教師なしの学習

教師なしの学習は先ほどの「基準となるデータ」を与えない学習方法です。教師あり学習とは基準となるデータがあるかないかが大きな違いですが、教師なし学習では様々なアルゴリズムが存在しており、基準が明確でないデータの基本構造や分布などをモデル化することが目的とされています。

正確な教師あり学習の方を活用することが多いですが、データの明確さによっては教師なし学習を使うケースもあります。

半教師あり学習

半教師あり学習は名前の通り、一部だけ人間が基準となるデータが与えられている(ラベル付けとも言います)学習方法です。少しのデータで教師あり学習をして、さらに精度を高めるために教師なし学習を活用するという手法です。

強化学習

投資やゲームで使われるケースが多い学習方法がこの強化学習です。ラベルが貼られていないという点では教師なし学習と一緒ですが、コンピューターが出した出力内容を評価し、それに対して報酬を与え、コンピューターに高い報酬が得られるように学習させる学習方法です。

囲碁の世界チャンピオンに勝ったAIとして、一躍有名になった「AlphaGo」が強化学習にあたります。

機械学習でできること

機械学習では大きく分けて5つのことに分類されます。そちらを紹介していきます。

予測

過去のデータを大量に学習し、それをもとに将来にどのような数字や結果が起こるのかを予測することができます。飲食店などで混んでいる時間帯などをあらかじめわかるようになっていることやタクシーの運行において、どの場所や時間帯にお客さんを獲得できるかなどを予測ができ、それをもとに売上向上に向けて戦略を立てられます。

画像認識

こちらは大量の画像データから傾向や共通パターンを学習するというものであり、紙の書類を電子化することやスマホのフェイスロックなどのセキュリティーの面でも活用されています。

音声認識

近年、音声でのデータを処理することの精度も高まってきています。I Phoneの「Siri」やAmazonの「アレクサ」などがそれにあたります。IOTの面で活用されることが増え、介護や医療機関といった分野でも活躍が期待されていますね。

データ分析

従来まで、人が膨大なデータを処理するときには多くの時間と手間がかかることが課題とされてきました。そこで、機械学習によってAIに学習させることで早く正確に分析することができるようになりました。

特に企業において、マーケティングの分野では、顧客の傾向や売れ行きの商品の動向などを分析することで売上の向上や企業のブランディング戦略などを立てやすくなります。

自然言語処理(NLP)

目的によって、使い分けることで今まで人が時間と手間を掛けていたものが短縮できたり、さらに生産性を高めていくことに繋がります。このNLPも今までは膨大な申込書や請求書などの書類が人の手で分類されていました。

もちろん、人の手で行われているので、エラーが起きることもあります。エラーが起きたことに気づけばまだ良いのですが、最悪なのはエラーさえも気づかないことです。そういったエラーが起きないためにも、NLPによるAIがテキストを分類することで業務効率を大幅に上げ、エラーにも瞬時に対応することができるようになりました。

 

機械学習の活用事例

実際にこれまで機械学習の特徴を述べてきましたが、最後に具体的にどのようにして我々の生活や企業で活用されているのかを紹介していきます。

店舗の来客分析

これは予測やデータ分析によって、可能になっています。アパレルや小売店などをはじめコンビニなどでも活用されています。場所、年齢、性別、購入商品、購入金額など既存の顧客のデータを収集して、分析することで売上向上に向けての販売戦略を立てることが可能になりました。

農家の生産量予測

農家でも機械学習が活用されています。気候や温度などによって生産量が左右される中で、収穫時期や量を前もって予測することができればコスト削減や生産性向上に繋がります。農業以外にも、生産量に合わせて従業員の人員コストを予測することで、必要以上に人件費をかけることを回避できることもできるようになりました。

アパレルの需要予測

アパレルは流行の移り変わりが激しいものです。今流行っている服が来年も売れ続けているとは限りません。そのためにアパレルでも過去の販売導線や流通データをもとに次の流行を予測し、今までよりずっと効率よく店舗運営をすることができるようになりました。

チャットボットによる問い合わせ

「チャット」と「ロボット」を組み合わせた造語ですが、これはよく銀行やクレジットカード会社のサイトなどに使われています。銀行やクレジット会社などカスタマーサポートに対しての問い合わせが、比較的多い業種ではそれぞれ担当者が対応していては時間も労力もかかります。

そこでチャットボットを導入することで、業務の効率化や人件費の削減に繋がります。

コールセンターの自動化

こちらはチャットボットに類似していますが、コールセンターでも電話の自動対応によって、電話が集中する時間帯でも問い合わせに対して、お客さんを待たせることなく対応ができ、業務の効率化とコスト削減に繋がります。

紙書籍の電子化

画像認識を活用することで、紙書類の電子化が可能です。電子化することで分類や管理といったエラーが起きては困る業務を効率化し、エラーへのリスクを減らすことができます。個人情報の取り扱いや重要な情報の管理も電子化によって、管理しやすくなり、様々な業界で導入されています。

レジの商品自動識別

スーパーやコンビニでも見かけることが増えてきたと思いますが、画像認識によって商品の自動識別も導入されています。レジ打ちのスタッフの業務効率化や会計時のミスの軽減やトラブルを避けることができ、スーパやーコンビニなどで導入され始めています。

 

まとめ

今回は機械学習の仕組みや実際の活用事例でどのように使用されているのかなどを紹介しました。様々な分野や業種においても機械学習を導入し始めている企業が増え、業務の効率化や生産性向上を実現がされてきています。今後もさらに精度が高まり、我々の生活を便利にしてくれることが期待されています。

ぜひ、今回の内容を参考にし、ご自身の仕事や私生活での導入を検討してみてはどうでしょうか。

 

この記事の執筆・監修者
Aidiot編集部
「BtoB領域の脳と心臓になる」をビジョンに、データを活用したアルゴリズムやソフトウェアの提供を行う株式会社アイディオットの編集部。AI・データを扱うエンジニアや日本を代表する大手企業担当者をカウンターパートにするビジネスサイドのスタッフが記事を執筆・監修。近年、活用が進んでいるAIやDX、カーボンニュートラルなどのトピックを分かりやすく解説します。

AI・人工知能カテゴリの最新記事